西東京市の学童クラブ視察へいってきました

昨日は、NPO法人子どもアミーゴ西東京が運営委託されている学童クラブ視察のため西東京市へいってまいりました。
西東京市は、昨年子ども条例が制定されたばかり。
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/siseizyoho/sesaku_keikaku/kodomo/kodomojorei.html
同条例に基づき、今夏虐待やいじめなどの権利侵害の解決を図る機関(仮称)「子ども相談室」を開設するとも発表。
子どもへの施策が今後どう展開されてゆくのか、参考としたい自治体です。
◆今回児童館併設の学童での視察でしたが、
まず2Fの保育スペースで素足で思い思いに過ごしている子どもたちの様子に驚きました。

学童クラブ入り口近くの壁にはられていた作品

1日保育の際には決められたタイムスケジュールに沿うところがあるものの、平日保育では帰宅時間以外は基本的に自由。
保育スペースの片隅に工作、宿題など好きに使える机はありましたが、机がいくつも整然としきつめられた空間がなく
室内でも子どもたちが縄跳びをしたり走り回ったりできるスペースが確保されていました。
1Fの児童館への行き来も自由で、自然と学童外のお子さんとの交流も可能な環境でした。
放課後の子どもたちの自主性や社会性を育むことを大切にしているからこそ、安全面に配慮しつつもルールは極力少なくし、
子ども達がその日やりたいと思う遊びを、存分にできる環境を整えたいと考えていらっしゃるそうです。
視察先は、7校から児童が集まるそうで、概ね学校から片道25-30分程度(学校からは遠いものの学童近くにご自宅があるお子さんが多いそうです)かけてくるお子さんが1~4年まで48人。
到着時間にばらつきもあるため、おやつについては、自由おやつ(16~16時30分のあいだ、好きなときに食べられる)を実施。
メニューは、できるだけ季節のものを手づくりで。状況応じて市販のお菓子も組み合わせ工夫して提供しているとのことでした。

 

2階の学童スペース

次々帰ってきた子どもたちは思い思いやりたい遊びをみつけていた。

◆父母会主催の行事(春の交流をかねたBBQ、お正月あけの飯能での山登り)に加え、
学童主催の行事も年間3つ。
また、上記以外も、学童主体で、夏には、「旅」と称する子ども発案での外出を実施。
4年生(西東京市は4年生まで入所可)がリーダーとなりルートや経費も自分たちで調べ、プレゼンの紙を提出、
職員と親がOKを出せば、自分たちでそのプランを実施するそうです。
その際、大人はみているだけで、しくじっても口をださない。
毎年子どもたちが楽しみにしているそうです。
4年生については、キャンプ場での合宿もあるようですが、壁にはりだされた合宿の写真はとても楽しそうな様子でした。
合宿前には、地元店舗で購入した食べ物を持ち、学童近くの公園でナイトハイクもするとのこと。
4年生になっても低い退所率に納得がいく、子ども主体となっての様々な経験をするチャンスが提供されていました。
◆その他、
・西東京市では、待機児は発生させず、基本的には第一次希望先へ入所が可能です。
今後の受け皿として、放課後子ども教室を拡充させていく(現在市内18校中半分が子ども教室を実施)ことを考えていらっしゃるそうです。
・学童から退所する5年以降の夏休みの居場所については、「サマー子ども教室」等を試行しているとのことでした。
https://www.city.nishitokyo.lg.jp/press/2017/kisyakaiken290529.files/shiryou10.pdf
・よりよい運営のため、毎年事業者の自主評価及び保護者からのアンケートを実施。
運営協議会で評価や話し合いをしているそうです。
例えば、父母会の負担が大きい、子どもにあったおやつの量等、話し合い、適宜改善なされているようでした。
・この数年間で、自己肯定感が低いのではと思えるお子さんが増えていると感じられるなか、
学童では、集団で認められる経験をするよう、行事で役割をつけてみたり工夫しているそうです。
子どもにどう接するか、地域で生活できるようにどのように育ちをサポートするか。
更には、保護者の声までひろい、保護者同士が接点を持つ場をどう提供するか、
子ども含めて地域とどう関わりを持つか。
子どもを起点としその周りの方々との関係性構築まで視野にいれ
しっかりビジョンを持った上で運営する姿が非常に印象的でした。