厚生文教委員会の行政視察へ行ってまいりました

10月23~25日、厚生文教委員会の行政視察で、九州地方へ行ってまいりました。

◆23日は福岡県行橋市の防災食育センターへ。

市内の全小中学校17校へ学校給食を提供するとともに、
防災にも対応すべく平成26年度開設したセンターです。

学校給食事業のなかでとくに力を入れているのがアレルギー対策。

アレルギー対策専用室があり、アナフイラキシー児への給食も提供。
市内小中学校に15~16名いるエピペン保有の児童の情報は消防署にも共有し、万が一のときには署が対応できるよう備えているそうです。
また、毎夏休みに北九州市から専門医をよび、アナフイラキシーやエピペンについて学ぶ場を設けて今年で5年、計500名が学んだとのこと。

お取り組みから、アナフイラキシー児への給食提供のありかたの一例を知ることができました。

また、地場産率はさすが。お米は100%行橋市産だそうです。

他の自治体と比較することで昭島市の学校給食を客観的に捉えることができました。

行橋駅構内のゆくはしマルシェでは、行橋小学校6年生が作成した紹介冊子が陳列されていました。

◆24日は、政令指定都市である北九州市の国家戦略特区制度を用いた
「介護ロボット等を活用した「先進的介護」の実証実装」に関するお話を伺ってきました。

今後加速化する少子高齢化やそれに伴う介護人材確保の困難性への対処のため、
北九州市にもともとあるロボットメーカーや、諸大学から医療介護についてアドバイスをもらえるインフラを活かし、介護ロボット実証の取り組みをスタートなさったそうです。

市内の特別養護老人ホーム5施設にて
介護人材の作業観察、作業分析、ロボットを実際に利用したあとのアンケート等数か年にわたり実施。

その結果からの、
ロボット導入マニュアル作成、ロボットマスター育成講習、介護ロボット開発コンソーシアムの強化や、メーカーがニーズを反映させてのロボット改良など、多岐にわたる取り組みに着手。

介護人材の負担が軽減されることで、細かな介護など質の向上やシニア人材の担い手確保など様々な効果を視野に入れて、先進的介護実現に向けて取り組まれていました。

実証段階が終わった現在、
国に令和3年の介護保険制度改定への検討材料ともしてもらうべく、北九州モデルを固め
本年国へのデータ提供や提案を目指しているようです。

これまでの実証では介護の担い手へのアンケートからの検証を軸になさっていたようですが、
利用者や、すでに立ち上がり様々な意見もあがるらしいワーキンググループなどの声もできるだけ汲み上げての北九州モデルとなるのか、また最終的にはどのような内容にまとまり国へ提言なさるのか今後の情報も知りたいと思いました。

帰りに立ち寄らせて頂いた議場には、赤ちゃん連れでも傍聴できる特別室や、車イスにも対応できる傍聴席が4席。

実際赤ちゃん連れの傍聴も多く、昨年の一般傍聴者は1513名とのこと。
きっと議会側の工夫や配慮もあり、市民と政治の距離が短くなっているのだとも思います。

議会の図書室も非常に充実。

介護の分野での先進的な取り組みから、開かれた議会までさまざま勉強させて頂いた視察でした。

◆25日は、山口県下関市次世代育成支援拠点施設「ふくふくこども館」へ。

下関駅にぎわいプロジェクトの一環として、
下関駅に隣接するショッピングモールの3Fのフロアをすべて用いての運営と、まずスケールの大きさに驚きました。

多目的室の貸し出しと、最大3時間までのこども一時預かり以外の利用は無料。
昨年の来館者数は、約20万人。うち3割は市外からの利用者だそうです。
未就学児対象のプレイランドをみせて頂きましたが、ネーミングにもある「ふく(河豚)」はじめとした魚をモチーフにし細部までこだわる設計や遊具から、納得の利用者数でした。

こども一時預かりは、1か月50-60人利用。
登録は不要。電話予約が理想であるものの保育士2名が常勤しており、当日ふらりときてもできるだけ受け入れられるようしているそうです。

楽しそうな企画もたくさんあるようでした。
お母さん同士が交流したり、悩みを伝えらえるきっかけにもなるようとの意図をもっての企画も。
相談室もありますが、まずは周知してもらえるよう相談室を企画場所にすることがあったり、巡回相談(館内を専任スタッフが巡回し、親からの声かけ・相談できる体制づくり)などの工夫もなさっていました。

利用者にとってよりよい場となるよう、熱意もちさまざまな創意工夫でもっての臨まれているとお見受けした館長も、施設とあわせ非常に印象的でした。
箱だけでだなく、適した人もいらっしゃるからこその、いまのふくふくこども館であるのだと思います。

今回3日間の視察の経験を、今後昭島市政への提言に活かしたいです。