マイクロプラスチック学習会
マイクロブラスチック学習会に参加しました。
容器包装の3Rを進める全国ネットワーク 中井八千代さんが講師です。
私たち1人1人が未来に何を残したいのか、何ができるのか、消費のあり方から見直さねばならないこと実感した講演でした。
●増加するプラスチック量
1950年と比較して、2015年は120倍のプラスチック生産(年間3.8億t)。
毎年800万トン以上のプラゴミが海に流れ込んでいる。
3R(リデュース:減らす、リユース:繰り返し使う、リサイクル:再資源化する)によって
資源の利用速度、汚染物質の排出速度を減らすのが持続可能な循環型社会の条件。
●日本では
1970年大阪万国博覧会の頃のキャッチフレーズは「消費は美徳」。
その後焼却を中心としたごみ処理が追いつかない東京ごみ戦争(1971年)勃発。
缶飲料と自販機の急増に伴い、リユースびんが減少、
現在はペットボトルが台頭して、リサイクル費用も増大の流れ。
その後、容器包装リサイクル法〔以下、容リ法)、循環型社会形成推進基本法 他様々な法整備がなされる。
容リ法等によりごみ排出量は削減されてきたものの下げ止まり、問題点もはらんでいる。
※中井さんが大学へ講義へ行く機会があると、ペットボトルを持ち込む学生が非常に多く
毎日購入するのが当たり前のライフスタイルに見受けられるとのこと。
※街中の各所に置かれる自販機については、50人に1台目安で設置されており、世界一の設置数、1人あたりの購入数。
24時間常に稼動、ホットとコールドの別がある、屋外にある等から電気量も膨大。しかし、利益率が高いと経済優先され、減らす働きかけをしても実現が困難。
●容リ法の問題点とは
・義務ではなく自治体が任意で取り組むため、完全実施の自治体は全国で7割。
・本来、リサイクルできる資源がゴミとして燃やされている自治体もあることになるが、
CO2を増大させる。
・総リサイクル費の80%以上が税金で、事業者負担は20%のみ。
収集費用の負担に耐えられない自治体がでてきている。
●海へ流出するマイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック)
海の生物がプラスチックを誤飲、摂食。
生物からだけでなく、人間の検便からもプラスチックが検出される。
プラスチックの性質として、海の底の有害物質を吸着する性質があるが
それが食物連鎖に取り込まれ、生態系に及ぼす影響が懸念される。
2015年G7首脳宣言においても、海洋ごみ(とりわけプラスチック)が世界的な問題であることを確認。
環境省の海洋ごみの実態把握調査(マイクロプラスチック調査)によると
日本周辺海域(東アジア)はホットスポット(北太平洋の16倍、世界の海の27倍のプラスチックが存在)。
2016年世界経済フォーラム(ダボス会議)の海洋ごみに関する報告書では、海のプラスチック量は重量ベースでは、2050年までには魚の量を上回る計算。
●ペットボトルに係る動き
2015年度で、ペットボトルは年間200億本販売、リサイクル率86.9%、約27億本がリサイクルされず、そのうち10%弱(約1億本)が散乱ゴミになっているとの推測。
世界では、ペットボトル禁止令を定め取り組むところもあり
主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、海洋プラスチック憲章が
示されたが、日本は産業界などの調整不足として書名せず。
●今後の展望
日本でも、容リ法見直し等制度改編が必要。
環境教育も重要。
個人ですぐできることは、プラスチックを断る、
ごみを見かけたら拾う、1人でも多くの人に伝える。