2021年9月決算審査特別委員会①DV支援と問題の根を摘むための包括的性教育
令和2年度決算審査特別委員会が終了しました。
今回以下12点を取り上げました。
順をおって、詳細報告させて頂きます。
①DV支援と問題の根を摘むための包括的性教育
②デジタル化に伴う個人情報保護
③環境配慮に基づいた電力調達、小中学校含めた公共施設への取り組み拡充
④生活困窮者自立支援事業(自立相談事業、家計改善支援、子どもの学習支援・生活支援等)
⑤医療的ケア児等コーディネーターの早期設置
⑥ぱれっとでの子ども相談先の周知、移動児童館の検討、市民交流センター建て替え時の子どもの拠点設置
⑦飼い主のいない猫対策に係る既存のリーフレットの活用と動画作成
⑧ナラ枯れに係る害虫等駆除対策
⑨子どもへの支援が行き届くよう、小中学校支援員の支援に当たっての環境整備
⑩文化芸術事業の工夫しての開催と舞台芸術含めた芸術家支援
⑪不登校支援に係るフリースペース設置の検討、不登校家庭に必要な情報を一元化しての提供、画一教育からの脱却
⑫小中学校タブレット利用に伴う、ランリュック選択可の保護者への周知、いじめ等防ぐための情報モラル教育とSOSの出し方教育、子どもへの心身の負荷も考慮し体験活動を充実させながらのオンライン試行
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まず、①DV支援と問題の根を摘むための包括的性教育について報告します。
昭島市では、昨年、男女共同参画センターがオープンし、男女共同参画プランが改定されました。
コロナ禍でDV支援のニーズが高まっているのではと考えるところ、以下の通り質問・確認・意見をしました。
◆相談の過去5年の件数推移は。
平成28年 109件
平成29年 87件
平成30年 223件
令和元年 200件
令和2年 284件
◆平成29年から平成30年に件数が増えた理由と、この間の相談内容の変化や特徴は。
保健センターでの相談内訳が増えているが(平成29年29件、平成30年135件)、その原因は把握していない。
相談内容は、配偶者からの経済的精神的DVで特徴は変わっていない。
◆先日、全国女性シェルターネット共同代表 北仲千里さんの学習会に参加したところ、コロナの給付金問題で、いかに精神的DV、経済的DVが多いか分かったとのはなしであったが、市ではそうした特徴はなかったか。
ひとり親助成支援担当で令和元年140件、令和2年93件と件数自体は減少。
ただし、特別定額給付金をご主人のDV相談絡めて、世帯主に振り込まれるので、ご自身に振り込まれない相談が何件かあった。
◆暴力と違い、精神的DVや経済的DVは本人の認識が難しく啓発が重要であるのと、すぐに相談できる先がわかりやすくあるべき。市でそれに該当するものは。
悩みごと相談、男性・女性のためのカウンセリングでDV相談受け付け、女性活躍支援担当課のひとり親支援担当でDVを支援。
https://www.city.akishima.lg.jp/s006/020/010/120/20140905103116.html
◆昭島市のHPで、DV相談で検索をしたところ相談先がすぐに見つけられない。
相談をしたい市民がHP上で情報をみつけやすいよう改善が必要と考えるのと、性的マイノリティが相談しやすいような周知は。
今後、性的マイノリティについては相談受けられるよう啓発。
◆庁舎お手洗い設置のDV相談カードの内容更新は。
更新をする。
◆市のHP上のコロナ相談窓口一覧でDV相談+と全国共通電話相談ナビの案内が書かれている。
必要な相談先はまとまって掲示されるほうが必要な支援につながりやすいが一括しての記載は。
DVの問題については秘匿な部分もある。庁内で連携をし、DV相談をどちらで受けてもこちらの窓口に繋がるようになっている。周知啓発については検討。
◆他部署からDV相談を担当するアキシマエンシスに繋がる場合について、緊急度高く、危険な案件で、場所が離れていることでの課題は。
昨年庁内で課長級の推進委員会、その傘下に係長クラスの専門部会もたちあげ、DVの方が第一義的に本庁に来たときには必ずエンシスに繋がるようしており、課題はない。
→あらゆるリスクを考えたとき、DV相談窓口は安全で利便性を考えると同じ建物にあるべき。
◆エンシスに繋ぐときのフォローは。
本庁にDV相談きた場合、女性活躍支援担当のひとり親支援担当が本庁にゆき必ず同行支援。エンシスに来れる内容であればきて来て頂く。
◆相談対応の職員は。
会計年度任用職員1名、性活躍支援担当課、ひとり親支援担当に女性相談員2名、あわせて3名。
◆相談件数に対し十分に対応できているか。
令和2年度の会計年度任用職員については、男女共同参画センターで悩みごと相談の相談員として雇用。経験値あり、他市で女性相談の経験もある。幅広く相談受けており、3人の対応で問題ない。
→他自治体の事例であるが非正規で支援者自体が過酷な状態にあったり、経験やノウハウが蓄積されないこともあるよう、支援側の体制整備は引き続き充実するべき。
◆他との連携が必要になった場合、連携後の状況把握は。
どこまで安全が確保され情報が共有され、自立にいたるまで関与。他機関との連携もとれている。
→二次被害を必ず防ぐためにも、一度相談がきたら把握に努めてほしい。
◆市の行う同行支援について確認。
同行支援は2名の相談員が同行。警察や各施設、調停にも同行。本人から必要ないといわれたら支援していない。
→DV被害者1人で必要な機関へいくのは酷なケースが多いと聞く、同行支援に力をいれるべき。
◆配偶者暴力相談支援センター設置の考えは。相談窓口が市民によりわかりやすくなる。
男女共同参画プランで、配偶者暴力対策基本計画を包含しており、こちらに基づく施策で対応。センターとして設置する考えはない。
→市の男女共同参画プラン策定時の2020年最終評価では、DV被害の被害を受けた人ののち、相談した人の割合は女性23.8%、男性7.6%。引き続き相談しやすい体制整備をすべき。
◆支援とあわせ、問題を発生させない対策が欠かせない。デートDVについて、人権意識の啓発かね、学校教育と連携し啓発する必要があるが、現在生徒へのデートDV教育への取り組みは子ども家庭部として関わりあるか。
男女共同参画センターで年に2回情報誌「Hiあきしま」を作成。そのなかで啓発をひろげるととともに、「Hiあきしま」の配布を教育委員会と考えてゆく。
→「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を踏まえ、内閣府と文科省が連携をし、幼児から大学までを対象に、全国の学校において「生命(いのち)の安全教育」を推進している。市でも関係部署が連携をし、子どもたち一人ひとりに確実に届ける性教育の実施が必要。
前述の全国女性フィルターネット北仲さんによると、デートDV教育も必要だが、突然のデートDV教育はステップとしては宜しくなく、その前に、一般的な男女平等教育や、プライベートゾーンなど性教育が必要であるとのこと。
望まない妊娠、性暴力など根本的に問題を解決する幼少期からの包括的性教育は欠かせない。
昨年助産師会が市に要望をだしたなかに「いのちの教育」が含まれていたが、同じ要望を受けた国立市では性教育をすぐに試行し、来年は全小学校での授業の予算を付ける見込みと聞いている。
子どもたちがより健やかに生きていくために必要な教育であり、こども家庭部も、学校教育や保健福祉と連携し性教育に努めてほしい。