2023年3月一般質問 1-2子どもの人権救済のための子どもオンブズパーソン設置

3月議会の一般質問の動画が、市のHPから配信されました。
昭島市議会 議会中継 – 発言内容 (discussvision.net)

今回は、①自分らしく生きるための施策(障がい者福祉の充実、子どもの人権救済のための子どもオンブズパーソン設置)
②昭島の地下水を安心して飲み続けるためのPFAS実態把握
③昭島駅北口物流センター開発計画の大綱3問
をとりあげました。

1回目質問の答弁→11分30秒ごろ~
一問一答の再質問→30分20秒ごろ~です。

質問項目ごとに分けて報告いたします。

大綱1 自分らしく生きるための施策について
人は誰もが安全に安心して毎日を過ごしながら、それぞれの生涯において最大限の幸福を追求すべき存在です。
政治から意識の変革、社会福祉・社会保障の充実を促すことで、誰にとっても優しく生きやすい豊かな社会にする必要がありますが、
今回は、障がい者と子どもの視点から質問をしました。

(2)子どもオンブズパーソンについて
日本の子どもの置かれる環境が過酷です。
2020年のユニセフ報告書によると、日本の子どもの精神的幸福度は先進国38か国中37位。
日本の15~24歳の自殺率は先進国でワースト1位。
2021年度の全国の小中高のいじめの認知件数は、過去最多の61万5351件。
小中学生の不登校件数は24万人あまり、児童虐待の相談件数は昨年度20万7000件あまりといずれも過去最多。
相対的貧困状態の子どもは7人に1人。
中学2年生で5.7%存在するという国の調査結果がでたヤングケアラーの存在。

社会の諸問題のしわよせが子どもたちにいっているといわざるをえず、
子どもの権利条約で保障されるはずの「子どもの権利」侵害が非常に深刻な数字が次々報道されています。

対する市の現行の相談体制では、悩みが解決しない、そもそもSOSをだしづらいといったお声を頂くことが事実としてあります。
例えば、子どもが直接相談をできる相談先のひとつとして「こどもキッズナー」が昭島にはありますが、
利用件数は令和元年度 7件、令和2年度 4件、令和3年度 2件。
充分な受け皿になっていません。

また、過去3年のいじめ・不登校件数を確認しましたが、
毎年一定数のお子さんがいることがわかりました。
(・いじめの認知件数:
小学校→令和元年度 51件、令和2年度 54件、令和3年度 64件
中学校→令和元年度 35件、令和2年度 27件、令和3年度 24件)

・不登校の人数:
小学校→令和元年度 35人、令和2年度 42人、令和3年度 82人
中学校→令和元年度 94人、令和2年度 91人、令和3年度 99人)

現行の体制では問題解決が追いついていない現状があり、
当事者である子ども自らが安心してSOSをだせ、問題解決まで導き、子どもの今と将来を守る相談体制の構築が急務と、
子どもオンブズパーソンの設置を提案
しました。

理由は、
独立した第三者機関であるため相談への躊躇が減る
・調査権限を持ち、問題に応じて関係当局などに意見表明・是正要請・勧告などを出せる
子どもの最善の利益の視点を徹底して持ちながら権利擁護を図り、エンパワメントを促す
・更には、制度改善の提案をし、抜本的対策までとれる
ためです。

様々な事例に目を通しましたが、子どもオンブズパーソンは非常に有効。

またその過程でオンブズパーソンによる関係各者を尊重しながら対話を促す作業は、生きた人権教育にもなります。

何より、お子さん方からは、いじめがあり権利侵害を受けている、
いじめが目の前で展開されており学校へいきたくないなど様々なお声を実際に頂いており、
子どもの人権救済の仕組みを真剣に整えなおすことは
まったなしの喫緊の課題です。

しかし、市としては子どもオンブズパーソンの設置ではなく、
子ども利用は過去2件しかなく、いずれの事例も解決に約140日を要した

従来の総合オンブズパーソン制度を活用していくとの答弁でした。
それであれば、子どもにわかりやすく周知をするとともに、利用しやすい体制に整えるべきです。

市としても、最上位計画である総合基本計画で「すべての子どもに対し、子どもの権利条約に記された4つの権利(生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利)を保障する」というのであれば、
子どもの権利視点から監視し問題解決に導く独立した機関を担保することで、
権利保障が徹底されるはず。豊かな子ども時代と健やかな育ちを守る仕組みを本気で考え直すべきです。

※一般質問後の予算審査特別委員会で、
総合オンブズパーソンを子どもが利用できるようどのように整備していくのか質問をした際には、
子どもに渡せる相談先一覧を作成し、そのなかにオンブズパーソンの情報も含めるとの答弁でしたが、
今後の取り組みをしっかり注視してまいります。

※(1)障がい者福祉については、以下URLから報告しています。
2023年3月一般質問 1-1 障がい者福祉について | 林まい子 (seikatsusha.me)