昭島市子ども講演会「子どもの睡眠と発達について」に参加しました
昨日は、昭島市子ども講演会(昭島市保健福祉部地域保健係が年に一度開催しているようです)「子どもの睡眠と発達について」に参加しました。
スマホの使い過ぎが問題になっているなか、睡眠について企画をなさったとの係長による冒頭ご挨拶。
私自身、睡眠をどのように捉え子どもに伝えればよいか考えたく、
一度是非聞いてみたいテーマでした。
講師は、早稲田大学大学院博士課程修了、日本睡眠学会評議員を勤められ
現在は明治薬科大学で教鞭もとられる駒田陽子さん。
なぜ、早起きが大事なのか。
なぜ、朝食をとらないといけないのか。
なぜ、スマホやゲームをしてはいけないのか。
上記の子どもたちの質問に答えられるよう、
生活リズムの現状、眠りの役割から生活リズムのための工夫まで
お話頂きました。
●まず、生活リズムについて。
幼児は10-13時間、小学生は9-11時間、中高生は8-10時間の
睡眠が必要といわれるようです(アメリカの睡眠財団の推奨基準による。
他国も同様の基準を出しているが、数値は概ね同じ)。
一方、どの年齢区分の睡眠時間を国際比較しても日本と韓国は概ね少ない。
高校生にいたっては、2016年時点で睡眠時間7時間未満のデータもあるが、成長中であるなか非常に危険な状態。
朝食欠食も国の調査では、20代で男性18%、女性14%がとっていないようですが、
先生のお考えでは、朝食は体が朝と認識をし、体内時計をリセットする働きもあるため必要。
朝食抜きダイエットもあるが、ラットの実験の調査をみると、朝食をとらないほうがむしろ太る結果でもあるそうです。
低年齢層からのインターネット使用率も問題。
平成30年度の内閣府調査では、2-4歳の半数が使用。
知育アプリなどの利用であればよいのではなどの考えもあるかもしれないが、
利用内訳は、動画視聴85%、ゲーム60%であるそうです。
利用が習慣化すると、子どもはもっとと要求が大きくなり、やめさせようとすると
条件反射で泣き喚くようになることも考えられる。
スマホ育児については、インターネットに頼らずとも育児をしやすくなる社会を構築することがまず必要であろうとのことでした。
私も共感します。
小中学生の依存行動の特徴についてもお話がありました。
●次に、眠りの役割について。
睡眠不足やリズムの乱れは、脳神経系の発達や学習を障害する。
アメリカの調査では、寝る時刻が遅くなるほど成績が振るわない調査結果がでており、
ノルウエーでも、高校で就寝時刻が早く、平日と休日のずれが小さく、睡眠時間を8時間程度確保する生徒のほうが
学力が高い調査結果がでているそうです。
実際、睡眠時間を充分にとっている子どものほうが
脳で記憶を司る海馬の体積が大きく
睡眠中に、成長ホルモン、メラトニン、コルチゾールなど分泌されるホルモンもある。
平成26年度文科省調査によると、子どもの就床が遅いと、イライラしたり自己肯定感が低くなる結果もでているそうです。
成長期は特に充分な睡眠が必要とされます。
●最後に、生活リズムのための工夫について。
未就学児、小学生、中高生それぞれの体内リズムの変化に応じた睡眠の考え方やスマホ依存防止のアイディアをお伝え頂きました。
なお、先生は、保育園で年齢が上のお子さんも一律にお昼寝をすることは、
子どもの生活の夜型化を導くことにも繋がり無理強いはしないでほしいと
働きかけをなさっているとのこと。
人手不足、近所から声が気になるなどの意見があったり
各園やむを得ない事情があるようですが、それでも一律昼寝が子どもの生活に与えるリスクは大きいとのことでした。
●帰宅後、中学生の子どもに伺ったお話を伝えたところ、
こういうことは学校でも是非教えてほしいとのこと。
駒田先生は、一昨日は三重県で小中PTAと養護の先生対象に演をなさっていたそうですが、
昭島でも、子どもが睡眠はじめ、自分たちの日々の生活について多角的に考えるチャンスを持てるとよいです。