【討論】令和7年度昭島市一般会計歳入歳出決算認定
9月議会最終日に、以下の討論を行いました。
日程第1 認定第1号 令和7年度昭島市一般会計歳入歳出決算認定について、みらいネットワーク会派を代表し、意見を交えながら、賛成の立場で討論いたします。
冒頭、沖縄での米海兵隊員による女性への強盗殺人事件について、被害女性に対し心からのご冥福をお祈り申し上げます。これまでもこの種の事件が幾度も発生しており、都度再発防止をするというも一向に改善されない状況に強い憤りを感じます。在日米軍基地周辺自治体として国には強く抜本的改善を求めるよう意見します。
また、最大の人権侵害であり環境破壊である各地の武力紛争がいまだ収束せず、むしろ軍拡が進むなかで、集団殺害犯罪、人道に対する罪、戦争犯罪、侵略犯罪などへの「最後の砦」として、重大な国際犯罪に問われる個人を追及する国際刑事裁判所いわゆるICCの役割がますます重要となる状況下での、トランプ政権による赤根智子所長への制裁やICC解体呼びかけは「法の支配」を危機的状況に陥れいれるものです。異論があるならば力で解決しようとせず、改善こそ求めるべきであり、断固抗議します。
ほかにも、国連環境計画は、地球温暖化により今後数年以内に、産業革命前からの気温上昇が1.5度を超える見込みで後戻りできない気候の転換点に達し、生態系や水資源への影響、食料安全保障への脅威など生じる可能性があると警告する報告書をだしました。この数ヶ月でAIも安全保障上のリスクとして急浮上するなど深刻な課題が山積する先月、国連総会でグテーレス事務総長は「軍事力だけでは平和をつくれず、経済力だけでは安定をもたらせず、技術力だけでは安全を保障できない」と述べましたが、いまこの言葉を肝に銘じる必要があるのではないでしょうか。国内外の諸課題は決して他人事ではなく、何かしらの形で私たちの暮らしにも確実に影響をもたらすものであり、一人ひとりがいまとれる行動は何なのか考えねばなりません。
さて、昭島市一般会計歳入歳出決算について、みらいネットワーク会派としては賛成いたしますが、幾つかの意見を述べさせていただきます。
私たち会派は、日々業務に精励される昭島市職員の職場環境改善を、幾度となく求めてきました。決算審査特別委員会では、時間の関係で質問できませんでしたが、請求資料から職員のメンタルヘルス疾患者の多さに驚いています。令和7年度は対前年度比10人増の32人、病休日数は対前年比405日増の4,496日となり、1日8時間換算にすると35,968時間になります。負傷、疾病による病休者も対前年度比7人増の21人、日数は2,219人ですが、これらは連続して30日以上休んだ者の人数と日数であり、それ以下は含まれません。業務への影響は確実であり、改善は喫緊の課題です。専門家によればメンタルヘルスの主要因はパワハラとされていますが、ハラスメントをなくす指導的役割を担う課長職自身のメンタルヘルス疾患も大きな問題と指摘せざるをえません。疾患、病欠は最終的に業務の補充や、それらの負担や重圧などの影響もあって負傷や疾病休にも繋がらないか危惧します。市長は常々、職員は市民の宝とし、職員の皆さんのワークライフバランスの徹底を明言してこられました。メンタルヘルス対策が非常に難しいことは充分理解していますが、職員が自信を持ち業務遂行できる職場の人間関係づくり、いつでも気軽に上司に相談できる信頼関係の構築など職場環境の改善が総じて住民の福祉の増進にも繋がるものと確信し、強く対策を求めるものです。
次に、市においてもすでに気候の激甚化への対応を市政全般にわたり迫られているなかで、地球温暖化対策は最優先事項です。建物の断熱化、再生可能エネルギー利用など一層推進する必要がありますが、市民との関係においては、リユース食器利用の増加を評価します。運用上の課題を解決しさらなる利用促進にあたるべきです。また、気候市民会議は参加市民からの評価も高く、継続開催により当事者意識をもつ市民の裾野を着実に拡げながら、コミュニティ創出や自治にも繋げる視点までもつことを求めます。
一方、事業者との関係については、GLP昭島プロジェクトによる甚大な環境影響が危惧されるなかで、昨年、開発行為に関する同意・協議の決定がありました。将来のまちづくりも視野にいれた地区計画の策定自体は必要なものとはいえ、同プロジェクトの規模縮小に繋がる内容ではなく、引き続き持続可能なまちづくりと整合をはかるための対策が必要です。
また、東京都環境影響評価書に関連し、水循環、騒音・振動などいまだ不安の声が寄せられています。加えて評価の対象とならない、あるいは秘匿性を理由に公開されない排熱や非常用発電機からの環境影響、重油やリチウムイオン電池利用のリスク等まで懸念がある状況です。造成工事もはじまり刻一刻と状況が変わるため、速やかなモニタリング実施が必要です。公害調査・測定については予算・決算審査特別委員会で縷々質問してまいりましたが、地元意見も踏まえながらの調査箇所決定・拡充を評価します。しかしながら、懸念あるモニタリング項目・調査地点はいまだ残り、市民との連携も視野にいれながら、主体的にデータを積み上げ、環境影響を監視する必要があります。同時に、事業者との個別協定書締結や都の補助金の活用など様々な角度からいかに環境影響を軽減できるか検討を続けるべきと意見します。
まちづくりに情報公開、市民意見聴取・反映を保障する仕組みが必要と訴えてきましたが、昨年末にわかにまちづくり条例素案のパブリックコメントが行われました。プロセスに問題ありと訴えましたが、すでに条例が制定された状態です。今後、市民が地区まちづくり計画など新たな制度を使いこなすためには、専門家派遣など通じたサポート体制を保障すべきと意見します。また、同条例がGLP昭島プロジェクトには適用されない状況下では、何度も訴えてきた地域代表、行政、GLPの三者による施設運営協議会の速やかな設置をすべきと意見します。
次に環境基本計画の中間見直しで緑の質や量について検討しているとのご答弁がありましたが、今後は、それに基づき庁内連携して、施策展開すべきです。緑保全については、GLP昭島プロジェクトによる大規模緑地の喪失は看過できません。武藤順九彫刻園の運営主体も変わりましたが、緑の質については適宜実態を把握すべきと意見します。またまちなかの樹木の伐採や強選定に関しては、多くの市民意見をいただきます。専門家判断に基づき対処すべきことはいうまでもありませんが、一方、美堀町のイチョウ並木の全枯れを鑑みても、研修実施等通じて行政職員自らも基本的な確認はできるようする必要があると意見します。さらに、都では空き家等をみどりに転用する事業に着手しています。ヒートアイランド緩和の観点から、緑保全とあわせて創出にも工夫して取り組むべきと意見します。
次に、PFASについては、横田基地起因の周辺へのPFAS汚染が非常に懸念されるなかで必要応じて国への対応を求めるべきと意見します。また、深層地下水100%供給を自治体の誇りとするなかで、何度もお伝えしているように予防原則の立場から全市所有井戸は調査すべきです。その上で、東京都主導、あるいは横田基地周辺自治体との広域連携により汚染源の解明に取り組み、市民の安全安心に資する対策を講じるべきと意見します。
また、横田基地に関しては、みらいネットワークは、オスプレイの抜本的改善を幾度となく訴えてきましたがいまだ改善されません。CV-22オスプレイが2018年に配備されて以降、鹿児島県屋久島沖で8名死亡など、事故死は65人に及びます。一時的な飛行停止はあったものの、同一機体が昨年は3回、2026年もこれまでに3回緊急着陸を繰り返しており、いつ基地周辺市街地に緊急着陸してもおかしくない状況です。米国防省はオスプレイの生産中止も決定するなかで、安全が完全に担保されないままでの人口密集地、市街地上空での危険な訓練は即刻中止するよう改めて求めます。
また、昨年、C130輸送機から降下訓練中の米兵が区域外の羽村市に降着し民家の屋根の一部を損傷し、歩道ではパラシュート誘導傘まで発見されました。さらに降下訓練を再開した直後、今度は福生市児童館にパラシュート部品を落下させる事故まで発生しましたが、当初、児童館敷地に無断で入り部品を回収し、米軍自ら情報提供すらしませんでした。周辺市長基地対策連絡会はパラシュート事故は人命に関わるため、降下訓練の情報提供を再三求めてきましたが、今回事前の提供をしないままの事故発生であることも大きな問題です。危険な降下訓練は横田基地上空では行わないよう強く求めます。さらに、台湾有事を理由に横田基地はますます軍事機能が強化されている点も非常に危惧しており、横田基地運用にあたっては、最低限日米合意事項の徹底厳守は行うよう意見します。
次に、住居確保については、住宅セーフティネット法改正に伴う住宅施策と福祉施策の連携を基盤とした、相談窓口や居住支援協議会の設置が決定していないことが分かりましたが、生きていくためにまず必要なのが住まいであることはいうまでもありません。取り組むべきと意見します。また、誰もが当事者になりうる身寄り問題は、当人の生活を足元から揺るがします。社会福祉協議会とこれまで以上に連携を強化し、支援策を前進させ、安心して暮らせる生活を保障すべきと意見します。
次に、障害者福祉サービスの報酬単価への上乗せを希望する声を現場からは継続していただきます。とくに移動支援については、賃上げなくしてヘルパー事業はやっていけないと切迫した状況であり検討を求めます。同時に、昭島市移動支援事業実施要綱では、身体障害者については支援の対象が視覚障害に限定されています。まちづくりの理念で人間尊重を掲げるからには、知的障害者、精神障害者と同等に、身体障害者も制限をなくすべきです。
次に、男女共同参画センターによる、人権を基盤に幅広く学ぶ包括的性教育の実施を評価します。教育委員会と連携の上、外部専門家による包括的性教育の全校実施を検討し子どもの権利を守る取り組みにも繋げるべきと意見します。また、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた将来設計や将来の健康を考えて健康管理を行うプレコンセプションケア推進を目的に、ライフステージに応じた切れ目のない相談支援等を行う、「性と健康の相談センター事業」があります。必須事業に学校などへの「生殖や妊娠・出産に係る講演会・出前講座の開催」があることからも、同事業への取り組みもあわせて検討いただきたいと意見します。
次に、HPVワクチンについては、決算審査でお伝えをした国の疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会が9月29日にも開催されましたが、ここでも新たにHPVワクチンの疾病・障害認定がありました。市には同分科会の審査状況は定期的に確認することを求めます。そもそも周知の際には効果と安全性、どちらも偏りなく知らせる必要があり、とくに学校におけるがん教育の取扱いについては、細心の注意を払うべきです。子宮頸がん検診の周知こそ力を入れるべきと意見します。
次に、教育については、スクールロイヤーの制度拡充を評価しますが、よりよい運用法があるか常に模索していただきたいと意見します。
また、インクルーシブについては、ひろくみなで知り考えるべきであり、特別支援教育に関する講演会の開催を評価します。今後は講演内容の共有もはかるべきと意見します。作業療法士による環境調整のアプローチも今後検討すべきと意見します。
一方、昨年度教育相談件数では、不登校支援が最多でした。不登校についての理解促進と地域資源が一覧となった情報は速やかに公開すべきです。また、校内別室指導支援員配置事業の継続・実施を都に繰り返し要望すること、既存の公共施設が不登校児童生徒の居場所となるよう検討することを求めます。さらに、特別支援教育、不登校、医療的ケア児の移動支援は、学び権利の保障の点から早急な取り組みが欠かせず、支援策の充実を求めます。インクルーシブについては様々な着眼点から取り組みを推進すべきと意見します。
次に、「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(案)」によれば、今後探究が重視されます。先行事例や各校の取り組みの情報収集・共有をしつつ、必要なサポートを模索し、これからの予測困難で正解がない時代に、多様な子どもたちが自分らしく幸せに生きていく力を学校を核とした地域ぐるみで育成すべきと意見します。また、遊びはこれからの時代に必要とされる学びの姿に繋がる部分があり、みなで遊ぶ権利を保障すること、公民館や図書館など地域資源における探究にも繋がる体験機会・国際交流機会の継続開催を期待します。
さらに、探究や主権者教育の観点から、子どもの主張意見文コンクールの取り組みをさらに深掘りする、あるいは、市の施策に取り入れられるものは取り入れ、子どもたちにフィードバックすること検討いただきたいと意見します。とくに、主権者教育については、選挙管理委員会の施策など他部署との連携も検討いただきたいと意見します。また、地域においては、青少年交流センターなどすでにあるインフラをより活かすべく、子どもの意見聴取や反映に取り組むことも主権者教育のひとつになると考えます。
以上、市においては、まちづくりの理念である「人間尊重」「環境との共生」を基本とし、市民とともに持続可能なまちづくりを常に施行錯誤いただきたいと最後に申し上げて、本決算に対する賛成討論といたします。
