2020年11月16日付厚生文教委員会 ~ 学校給食共同調理場(第一調理室)の調理業務委託について
本日の厚生文教委員会で、学校給食共同調理場(第一調理室。小学校8校分で該当小学校はこちらに記載あり → https://www.city.akishima.lg.jp/s117/010/010/010/070/010/20150205113320.html)の来年度からの調理業務委託検討について報告がありました。
私もこれまで共同調理場を2度見学をさせて頂く機会がありましたが、給食をいただく子の親として、
過酷だろう条件下でも調理をしてくださっていること、また直営の調理場を維持してくださっていること非常に感謝いたしました。
委託とする理由は、平成15年度から調理員を退職者不補充とし、会計年度任用職員(こちらの役職は本年度からできたものであるものの、市の説明なさったこの言葉で続けます)の補充で運営をしてきたが、
ここ数年、職員の減少に加えて会計年度任用職員の安定的な確保が厳しい(応募に手もあがらないが、着任後も安定確保が厳しい)状況で安全安心が学校給食の提供に困難があること。
●会計年度任用職員の離職者数は、平成29年度 10名、平成30年度 7名、令和元年度 7名。
退職時に理由は聞いているが、主には身体のつらさがあがっているとのこと。
また、委託の可能性については、平成28年度3月付「昭島市学校給食運営基本計画」でも述べられているようです。
本年第一調理室に従事する市調理職員の今後の身のふりかたは、第二調理室への異動など。
私は、募集して手があがらない、着任後も定着しないのは、そもそも労働にみあった対価が支払われていないからだと考えます。
●人的確保から委託に踏み切ったとのご説明であった一方、
費用面についていうと、直営のケース、民間のケースで1,500万円の削減があるとのこと。この削減は人件費であるそうです。
出版年が2000年と随分前に書かれた書籍ではありますが、竹下登志成さんの「学校給食が子どもと地域を育てる」によると、民営化に踏み切った当時の足立区の栄養士の捉え方は、「とにかく、パートの調理員は定着しない。賃金が安いために、ちょっと割のいいスーパーの仕事などがみつかるとそちらにいく。パートだけではなく現場責任者であるチーフもそう。業者が新しい学校を入札で受けると、慣れたチーフをそちらに回すため新しい学校にベテランチーフがとられる。」とのことで異動にともなう調理作業への支障が生じる。委託を導入した当初は、スパゲッティは長かったり短かったり、煮えていないにんじん、キログラムとグラムを間違えたといったはなしもいくらでもあったとのことです。
また、過去「東京都盲・ろう・養護学校の給食を良くする会」が民間委託の問題点として、委託業者は慣れた人を新設校にまわすことなどあげていたそうです。あわせて、委託会社に対する要望の上位2つは、衛生教育の徹底と、調理の段取りができる調理員の増員であったとのこと。
これらは一例ではありますが、民間委託後、人員配置が安定し質の維持までできるのか疑問です。
●そもそも、市の考える食育とは何なのか。
委託をすると栄養士は調理師のうちの現場責任者であるチーフにしか指導できないようで、そのために栄養士がいろいろな方に直接指導できない意思疎通の困難さが生じえます。
中学校の自校式3校は平成23年度から民間委託をしていますが、食数に伴う配置人数の規模も異なることでしょう。
食育とは、食材をつくる、選び調理する、食べるのコミュニケーションがあって、よりよい形になっていくと考えますが、作る現場から意思疎通が従来より困難になる可能性がでるのは、いかがなものでしょうか。
他の自治体では、委託先が食育に参画する事例もあるようで、そうした取り組みを視野にいれていただきたい旨意見しました。
●その他、民間委託をした場合、災害時に共同調理場は機能するか
衛生面について、衛生講習等するか
洗浄・清掃について、市で現在つかう石鹸を、環境負荷の面から今後も継続するか
食材調達は、物資購入基準書に基づきこれまでどおり栄養士がおこない、品質を下げないか 等確認をしました。
●みらいネットワーク関係者で昨晩までやりとりをしましたが、会派に昨年よりお寄せ頂く委託現場からの声より判断をすると、委託したのち質の担保、良好な労働環境の確保すること、時間たつごと問題が生じてきていることもあらわになっています。
現在従事なさる職員の処遇、質の担保について生じるだろう課題があり
この件を市民の特に保護者の方には説明はできませんし、子どもたちのことを考えても承知できません。
・民間委託(令和3年度)小学校調理にあたる人数等不明であるところ詳細資料、
学校給食運営審議会資料、ゆくゆくは仕様書文案 等情報を頂きたい
・もっと時間をかけ議論する場を設けて頂きたい 旨お伝えしました。