「子どもにやさしいまちづくり」

東京・生活者ネットワークの
「子どもにやさしいまちづくり-子どもの権利保障、権利擁護(相談・救済)の視点を中心に-」
に参加しました。

講師は、体育の先生になろうという学生さんに人権教育をと、日本体育大学にて教鞭をとられていたり、
世田谷区子どもの人権擁護委員をお勤めの、半田勝久さん。

子どもの権利の考え方から世界的な潮流、
各自治体での子ども条例制定の動き、
条例制定後の地域社会作りの実例としての川崎市・世田谷区の取り組みまでお話頂きました。

●日本が、158番目の締結国として「子どもの権利条約」を批准したのは1994年。
この条約の4原則は、
・差別の禁止
・生きる、育つ、発達する権利
・子どもの最善の利益の確保
・子どもの意見の尊重
ですが、子どもの人権・権利については、甘やかすから子どもをだめにする、
子どもには権利ではなく、義務や責任を!などの誤解や抵抗感がいまなお社会に存在するそうです。

●1994年以降、自治体レベルで子どもの権利条約を活かそうと
2000年の川崎市での立法化をはじめ子ども条例を制定した自治体は、
2018年9月時点で全国で47。

●それぞれの地域社会にあった施策づくりと子ども支援の取り組みとして、川崎市、世田谷区の事例を紹介頂きました。

・川崎市の場合は、子どもの権利条例制定後、「川崎市子ども夢パーク」を作り施策を展開。
http://www.yumepark.net/

6~7年前、自分の子どもたちとこちらのプレーパーク利用のため遊びにいったときには気づきませんでしたが
学校の中に自分の居場所を見出せない子どもや若者たちのための「フリースペースえん」もやはり条例をもとに作られたそうです。

その他にも、子どもが自主的に課題を抽出、議論、形にして市長に提出、
市長がそれを踏まえた施策を展開する「川崎市子ども会議」、
子どもの心と人権を守るサポーターとしての「川崎市人権オンブズパーソン」なども整っているとのこと。

・東京で初めて制定された世田谷区については、
保坂区長就任後、子ども条例を活かして「せたがやホッと子どもサポート」を設置。

公正・中立で独立性と専門性のある第三者からなる子どもの人権擁護機関として体制が整えられており、年間約300件の相談が寄せられているそうです。

以上、子どもの権利保障については根強い反対もあるようですが
自分の幼少時と比較すると、自由度ある遊びをする機会が少なくなっていたり
子育ちを過干渉せずとも適切にサポートをする余裕がある保護者・大人が少なくなっているように見受けられます。

そんな現状であるからこそ、
子どもの権利については、甘えに結びつくと頭ごなしに否定するのではなく、
人格を持つ対等な人間として向き合いつつも、大人ができる子どもたちの健全育成のためサポートは何か、
例えば子どもの権利条例制定の検討、制定後の施策検討等を通じてでも
地域社会で考えてみる必要があると思います。

「子どもにやさしいまち」という発想は、「いろいろな人にやさしいまち」にも繋がるところがあるはずです。