川崎市子ども夢パーク視察
2019年7月12日川崎市子ども夢パークに視察へ。
夢パーク所長、認証NPO法人フリースペースたまりば理事長 西野博之さんのお話を伺い、現場を案内して頂きました。
●本年で採択から30年を迎える子どもの権利条約ですが、
川崎市では1998年から子ども、市民が行政とともに策定に向けて動き始め、2年間で200回以上の会議を実施。2000年に市議会で満場一致で採択、2001年に全国で初めて子どもの権利条例が作られました。
(子どもの権利条約とは:https://www.unicef.or.jp/crc30/news/)
子どもの権利条例は子どもを守るために大人に向けてできており、
条例づくりを通して問われたのは大人の生き方。
子どもの健やかな育ちは、大人の生き方もあわせ保障されないと成り立たないので、その捉え方に共感しました。
夢パークは、2003年7月に川崎市がこの条例をもとにつくった施設で、川崎市が決めた子どもについての約束を実現する場です。2018年の年間利用者は約9万人。
例えば、行政関係者が変わっても、条例は生き続ける。
条例策定の意味は大きいようです。
●西野さんによると、児童虐待件数、不登校数、ひきこもり数、学校での暴力件数、いじめ件数、自殺件数、どのデータをみても、いまは子どもの命を守れない社会である。
子どもを取り巻く環境は、貧困(ネグレクト)と過干渉に概ね二極化。
現場にいると、貧困の様子、自己肯定感の低さ、子どもが失敗しないよう完璧や正しさを求めて先回りする大人の姿など様々なものが見えてくるようです。
地域で大人が接点を持てる遊び場があるとSOSを発見できるし、子どもにとって遊ぶことは生きることそのもの。遊びを通して子どもの非認知能力を高められる要素もある。
不登校についても、文科省初等中等教育局長の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」にあるように決して不登校が駄目なのではなく、自分にとって意味のある時間だったと思えるよう社会が支えることが大事。
各自治体が、学校以外の場所を用意するのは債務であるなか、適応指導教室では実質受け皿として機能していない部分があるが多くの自治体でそれに対する施策がないそうです。
適応指導教室は学校復帰を目的としているが、フリースペースえんの基本理念には学校復帰を掲げず、自己肯定感を育む居場所づくりを実施。
暮らしを取り戻し、カリキュラムでしばりつけず「何もしないこと」を保障し、プログラムも子どもたちがやってみたいことを実現、子どもたちの最善の利益を求める場としています。
現在えんは、市内のみならず市外から、また子どものみならず大人まで足を運ぶ場所となっているようです。
一方、運営維持のため、今後関わる人材の雇用条件の確保等課題もあるようです。川崎市が公民協同で子どもの権利条例を実現する場として、どのように位置づけ、関わり、サポートするかの判断も求められています。
自分らしく生きるため多様な選択ができるインフラが身近にあることの大切さ、
社会に必要な機能に気付きその構築に向けて動ける人材が継続して活動できるようサポートすることの大切さを実感しました。
昭島市では子どもや親が現在置かれている社会状況に対してどのような施策を展開することを考えているのか、
また、子どもの権利に対する認識はどのようなのか。
どんな人でも安心して足を運べる拠点、昭島市にも是非欲しいです。
※神奈川県公式のインターネット放送局上で
西野さんからパパ・ママ、若者へ向けたメッセージがあり紹介させて頂きます。
⇒パパ・ママへ 「ゆる親のすすめ」
https://www.youtube.com/watch?v=0cAhunTzNMk
⇒若者へ 「今、学校へいきづらい あなたへ」
https://www.youtube.com/watch?v=pthmCbfE7KU