ゲートキーパー初期研修(児童・生徒向け支援(基礎講座))に参加しました

昨日は、ゲートキーパー初期研修(児童・生徒向け支援(基礎講座))に参加。
厚生労働省によると、ゲートキーパーとは、「自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。
「自殺総合対策大綱(平成19年6月8日閣議決定)」においては、9つの当面の重点施策の一つとしてゲートキーパーの養成を掲げ、かかりつけの医師を始め、教職員、保健師、看護師、ケアマネージャー、民生委員、児童委員、各種相談窓口担当者など、関連するあらゆる分野の人材にゲートキーパーとなっていただけるよう研修等を行うことが規定されています。」https://www.mhlw.go.jp/…/jisatsu/gatekeeper_index.html
しかし、ゲートキーパーになる・ならない関わらず、誰でも訪れる死とその向き合い方、人の人生への対し方について考えることかね、一度はお話を伺えるとよいのではと思えた内容でした。
以下、備忘で伺ったお話を書きます。
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●生きることについては話すのに、死ぬことについてはなかなか話せないが、ゲートキーパーは、日常的に自分自身で死や自殺について考える。
自殺は絶対ダメという姿勢では、相談者のはなしを否定的に聞いてしまうが、それでは相談されない。
自殺は死ぬ選択肢の一つと捉えつつ、本来その選択をしなくてもいい人を救うために話を聞き、その際自分だけで解決しようとせず信頼できる人・機関を事前に把握して必要応じて繋げることがゲートキーパーには求められる。
ときに相談員ではなく、自分が相談者になることも視野にいれる。
また、相談にあたって、自分の価値観・先入観など分析をしたり何を大事にし、何が抜けているかなど考えておくことも重要。
●自殺については各種統計があるが、それぞれの示すところを理解する。例えば、警察庁の「自殺統計」は日本でおきたものであれば、外国人も含める。一方、厚生労働省の「人口動態統計」の自殺者数は日本人のみ。
また、両統計上では、2000年あたりから自殺者数が減少し約3万人から約2万人になったといわれているが、「診断名不明確および原因不明の死亡数」が統計に含まれず隠れている数がある(不慮の事故、不慮か故意が決定されない事件数は増)。
本当に自殺者数が減少しているかを取り上げた論文もある。
●今はコロナで人と死の距離が変わっている。
また、自殺をする方がでると、自殺の選択肢があると意識をするきっかけになり連鎖が起こることがある。
著名人が自殺した際も、憶測で報道が過熱するが、自殺の動機は誰にも分からない。人からはなしを聞いてもらえなかった体験があったり、過去に救われなかった事実があるだろうし、自殺の原因はひとつではなく、沢山の動機があるので決めつけないとのお話も重々留意したい。
●児童・生徒については、何かいってくれるのをまつと手遅れになることもあり、子どもをよくみて声をかける。
例えば、元気がない、暗い顔をしている、眠そう、そわそわしている、遅刻している、イライラしている、攻撃的など行動上の表現を拾ってゆくと、実は援助要請をしている。
また、子どもの話を聞く際に意識したいのは、子どもと大人は言語が違うということ。
例えば、「もうやめたい」「やばい」などの意味するところは?言葉の種類も少ない。
学校など集団生活先では、話を素直に聞き周囲の大人に伝えるゲートキーパー的な役割を果たしている子どももおり、そうした子どもにアクセスするなど様々な対応の仕方を考える。
また、ゲートキーパーは対面が基本であるものの、今後SNSでの対応もしてゆくだろうとのこと。厚労省がSNSを使った相談につきガイドラインを出しているそうです。
参考文献も紹介頂きました。
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講習は、高齢者向け、児童・生徒向けの応用編とあと2回続きます。