生活クラブ企画「食品表示の見方を知れば食べ物が変わる! ~食品表示から考える私たちの食」に参加しました。
昨日は生活クラブの企画
「食品表示の見方を知れば食べ物が変わる!
~食品表示から考える私たちの食」に参加しました。
講師は、NPO法人コミュニティスクール・まちデザイン
理事長 近藤惠津子さん。
地域コミュニティ助産院こもれび家の落ち着いた環境で
お話を伺えました。
主には、
1.食品添加物とは
2.表示のルール
3.(実験)清涼飲料水を添加物でつくる
4.(実験)コンビニおにぎりと家で炊いたごはんを水に入れて違いを比べる
5.食品添加物の功罪
についてのレクチャーでした。
まず、1.食品添加物とは
1995年の食品衛生法改正で定められた、食品の加工もしくは保存の目的で使用するものです。
◆4種類あり、
①指定添加物
②既存添加物
③天然香料
④一般飲食添加物
※各詳細はこちらに記されています。
①については、この数年で増えており、理由は貿易の自由化。
例えば、日本で使われていないワインの酸化防止剤、
フルーツの防カビ剤、ポストハーベスト剤など、輸入による増加。
◆用途は、
①製造加工
②変質防止
③味の向上
④美化
⑤栄養価の維持向上
例えば、①についてはお豆腐があがりました。
値段はピンキリですが、講座参加者にお豆腐の値段を調べてもらうこともしているそうです。
それには理由があります。
まず、どんな大豆を使うか。その他
・消泡剤(なくてもよいが、使うと効率的に作れる)を使うか
・どんな凝固剤(用いる凝固剤により、豆腐をかさましして作れるため、大豆(たんぱく質)の含有量が異なってくる)を使うか
と添加物も絡む理由があるのです。
◆安全性については、
①使用基準の定められていないものも多く、複合的接種による影響が不明。
②外国で禁止されているものもある(例:タール系色素(赤色○号、青色○号、黄色○号などと表示されるもの))。
③発がん性物質の副生など、問題を指摘する研究がある。
④動物実験が人間にも有効かという指摘もある。
→先生は、一つひとつの安全性というよりも、なるべく総量を減らすことを意識しているとのこと。
2.表示のルール
◆添加物については、
原材料に占める重量割合がもっとも高い原材料の原産地の次に、記載されます。
◆また、添加物の表示については、
・用途名を併記するものがある。
甘味料、着色料、保存料、増粘剤・安定剤・ゲル化剤又は糊料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤又は防ばい剤
・一括名表示が認められるものがある。
イーストフード、ガムベース、かんすい、苦味料、酵素、光沢剤、香料または合成香料、酸味料軟化剤、調味料、豆腐用凝固剤または凝固剤乳化剤、pH調整剤、膨張剤またはベーキングパウダー・ふくらし粉
(例えば、イーストフード。イースト菌のえさとなり、パン製造に用いれば小麦の量を減らせる。4~5種類組み合わせて使うが一括名表記。)
・表示が免除されるもの
栄養強化(ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類)、
加工助剤(食品の完成前に除去されるものなど。例:消泡剤)、
キャリーオーバー(食品の原材料又は加工の過程で使用され、その食品の製造過程では使用されないもので、最終食品に効果を発揮できる量より明かに少ない場合)、
バラ売り(例:パン屋での表示なしのバラ売り)
→複雑ではありますが、配付資料の「わかる!食べもの選び 食品表示ハンドブック」の小冊子が分かりやすかったです。
同じものではないですが、HPをみていたら、ブックレットやリストはあるようでした。
3.(実験)清涼飲料水を添加物でつくる
◆炭酸水に
ぶどう糖果糖液糖、酸味料(クエン酸)、着色料、香料を加えて
3種類の清涼飲料水をつくり味見をしましたが、
着色料、香料を変えるだけで、全く違う飲み物が出来ました。
(実際、人は視覚と嗅覚で判断することが多いとのこと。)
◆添加されたぶどう糖果糖液糖をクローズアップすると、
・原料は100%輸入とうもろこしで遺伝子組み換えのリスクがある。
・過剰摂取は、血糖値を上昇させ肥満につながる。
◆その他、
・人工甘味料については、動物実験結果が気に掛かるものもある。
・合成着色料は、欧米で禁止されているものもある。
・天然着色料でも、アレルギーのリスクがある。
・香料については、専門家もあまり詳しいことをいわず、合成か天然かすら分からない。
※カラメル色素Ⅲ、Ⅳは発ガン性物質が含まれている可能性があるが、日本では「カラメル色素」の表示で何番が使われているか不明。
各自がお客様相談窓口に何番の色素が問い合わせをすると表示が検討されてゆかないかとのお話もありました。
4.(実験)コンビニおにぎりと家で炊いたごはんを水に入れて違いを比べる
コンビニのおにぎりには、油、炊飯改良材、(グリシン)、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、pH調整剤等含まれている。
そのため、家で炊いたご飯と両方水に入れると、油が浮いてきたり
隠れた違いが浮き出てきます。
また、お米を参加者で並べていくこともあるようですが、
家でたいたご飯は大抵粒が欠けていない。
しかし、コンビニのご飯は、一部欠け、半分欠けなど。
米の等級もそうだが、何年産米か、ブランドはどこかなど不明。
→添加物も問題であるが、お米を家庭で購入し食べることは、1等級を作る
農家を守れるとのお話もありました。
5.食品添加物の功罪
◆メリットは、
・安いもどき食品を作れる。
・簡単で便利。
・いつまでもきれい。
・どんな原料でも濃い味で美味しくできる。
◆デメリットは、
・失いものも多い(画一的な味になり、季節感がなくなる、知恵や工夫がなくなる)
・もどき食品が本物だと思う弊害。
・安全性の面での不安。
→・食べ方は生き方。食をないがしろにしない生き方を。
・自分なりの「これは買わない、食べない」の基準を持つ。
・食べものと食べることに関心を持ち、料理を楽しむ など
提案なさっていました。
また、添加物を減らしたいなら
・素材の味が決め手。ごまかしのない素材を使用する。
・大量生産・効率生産の安いものづくりは追求しない。
・消費者側も、添加物によって得ているものを失うことに対する責任を持つ。
添加物を切り口として、食べることにいかに向き合うか考える時間にもなりました。
食べものは身体をつくり、
また、何を選ぶかは社会をつくる。
先生にはどうもありがとうございました。
小中学校への出前講座もなさっているようで、機会あれば、次回は親子でお話を伺いたい。