2022年3月代表質問 大綱7 教育の推進について

毎年3月議会では、通常の一般質問に加えて会派代表質問が行われます。

先週みらいネットワーク会派の代表質問をする機会を頂きましたが、

昭島市のHPから動画がアップされました。

昭島市議会 議会中継 – 発言内容 (discussvision.net)

再質問ができず、持ち時間40分。

令和4年の市長の施政方針と、教育長の教育方針に沿って質問をする形ですが、

先輩方から親身にご助言頂き、勉強させて頂きました。

質問文と対する答弁を、大綱ごと報告させていただきます。

(動画上では、

質問 16分30秒頃、対する答弁 1時間16分頃からはじまります。)

大綱7 教育の推進について

【質問】

突然の休校にはじまり、「新しい生活様式」の掛け声のもと日常生活が一変し、大人の不安が子どもたちにも大きな影を落とす状況がまる2年続いています。多感な成長期における2年間は貴重ですが、この間生活の基盤におかれている新型コロナウイルス感染症対策が、全ての子どもたちの育ちに与える影響を深く懸念します。

保護者からの相談も随時寄せられており、三密回避やマスク着用でコミュニケーションがとれないことでの発達や心身への負荷の懸念、休み時間や放課後の遊び・部活への制約による子どもの発達上の懸念、行事がなくなったことへの喪失感など枚挙に暇がありません。

大人と子どもは発達段階が異なり、同様の感染対策を実施することに疑問をもつべきです。周囲の大人が感染症対策を重視し子どもへの弊害を二の次に考えれば、例え罹患はしなくとも子どもたちを心身とも辛い状況に追い込んでしまう危険性があります。徹底した感染症対策の弊害の考えと、個別配慮の対応についてお聞かせください。日常的に必要とされ、終わりがみえない感染症対策であるからこそ、様々な判断にあたっては子どもの権利視点にたち、声を聞き、育ちへの弊害まで常に熟慮する必要が私たち大人にはあり、とくに市は学校現場とそうした認識を共有する必要があることを強く指摘します。

画一的な感染症対策だけではなく、過度の受験競争からくる点数や偏差値での評価基準について非常に限定的な能力測定であるにも関わらず、子どものみならず保護者、教師、ひいては自治体までも相対的な評価でしか肯定できなくなるという懸念があります。

余暇の時間を減らし他者と比較しながら勉強に臨むことは、二度と戻らない子ども時代の人権や幸福感の観点から考えるといかがなものでしょうか。勉強を嫌々したり、自分でペースをコントロールできない時、自ら学びたいという学習欲求や探求心を失うであろうことも致命的です。2020年ユニセフによる子どもの幸福度ランキングでは、日本の子どもの精神的幸福度は、生活満足度と自殺率の観点から38カ国中37位でした。この結果を重く受け止めるべきです。独立行政法人経済産業研究所の2018年調査では、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えているとの結果がでていますが、例えば自己決定を重視するオランダの教育は人間のトータルな発達を保障することが、OECDの学力調査や、ユニセフ、世界保健機構が行う幸福度や健康度など各種国際比較調査で証明されています。みんな違って当たり前であり、個々の自己決定が尊重された経験は、自主性を育み、自ら学ぶ楽しさや幸福感にも繋がり、多様性ある豊かな学びの場を作ります。

イエナプランはじめ、子どもの幸せを追求する様々な試みが公立校含めた教育現場で展開されていますが、そうした試みは子ども周りの様々な諸問題の一定の解決に結びつくのではないでしょうか。

昭島の子どもの幸せのためにも必要と考える参考事例があれば、教育現場が挑戦できるような環境整備を進め、無理なくできる取り組みから、しかし、迷わず大胆に実行するべきですが、コロナ禍であっても「生きる力」を育み、児童生徒が自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動するために具体的にどのような教育施策を実施していますか。また児童・生徒が学んで楽しい、先生が教えて楽しいと実感できる楽しい学校とは、どのような状態であるのか、具体的実践とあわせてお聞かせください。

【教育長答弁】

初めに、「徹底した感染症対策の子どもたちへの弊害と個別配慮の対応」についてであります。

猛威を振るうオミクロン株の感染力の強さを踏まえ、各学校におきましては、これまで以上に感染防止対策を徹底した上で、教育活動を継続しております。

長引く授業上の制限や給食の黙食、行事の延期や中止など、一定の制限が続く生活が及ぼす、児童・生徒の心への影響は、注視する必要があると捉えております。このため、オンライン学習の活用をはじめ、様々な学習形態や行事の工夫を行うとともに、マスク着用の難しさや感染不安を感じる子どもたちには、一人一人の気持ちに寄り添った適切な対応に努めております。

次に、「コロナ禍にあっても「生きる力」を育み、児童生徒が自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動するための具体的な教育施策の実施」についてであります。

新学習指導要領では、子どもたち一人一人に「生きる力」を育成するために、各教科等において、三つの資質・能力を育成することが示されております。

その一つ目が、実際の社会や、社会の中で生きて働く「知識や技能」の育成、二つ目が、未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」の育成、三つ目が、学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間力等」の育成の三つであります。

これを、「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)の視点からの授業改善」と「カリキュラム・マネジメント」により、バランスよく育むことを目指すとされております。

本市におきましては、新学習指導要領のもと、学校における教育活動と、教育振興基本計画に掲げた学校教育の4つの基本方針に沿った施策を具体的に実施していく中で、困難を乗り越え、人生を切り拓いていく「生きる力」を育み、児童・生徒が自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、社会に主体的に貢献できる「たくましい昭島っ子」の育成を目指しております。

次に、「児童・生徒が学んで楽しい、先生が教えて楽しいと実感できる楽しい学校とは、実際にどのような状態を楽しいとみなすか、そのための具体的実践について」であります。

児童・生徒が学んで楽しい学校とは、安全・安心な教育環境の中で人とのつながりを感じながら学習に取り組み、「分かった」「できた」という実感や自信を味わえる学校。先生が教えて楽しい学校とは、自らの指導により、児童・生徒が生き生きと学び、一人一人の成長や学級・学年集団の成長を感じられる学校だと考えております。そして、児童・生徒が多様性を認め合い、自己有用感を感じながら、笑顔で過ごせる場所が、楽しい学校であると考えております。このため、引き続き教員の授業力向上を図る取組や児童・生徒の自己肯定感や自己有用感を高められる教育活動を推進してまいります。