令和4年度一般会計予算について賛成討論をしました

令和4年度一般会計予算について、賛成討論をしました。

昭島市のHPに動画がアップされました(議案第4号該当動画の42分10秒ごろ~54分30秒ごろまで)。

昭島市議会 議会中継 – 発言一覧 (discussvision.net)

原稿作成に当たっては、

日頃からご意見を下さる市民の方々、様々なご助言をくださった先輩方には、どうもありがとうございました。

以下は、討論全文となります。

日程第4議案第4号 令和4年度昭島市一般会計予算についてみらいネットワーク会派を代表し、意見を交えながら賛成の立場で討論致します。

はじめに、ロシアがウクライナへの全面的な侵攻を開始した2月24日から今なお政治が原因で数多くの尊い命が失われ続け、深刻な人道危機に陥っている状況に胸がしめつけられる想いです。国連人口基金は今月10日、ウクライナ国内の700万から1千万人が国内避難民との推計を明かにしました。国外に避難する難民は7月までに400万人に達する可能性があり、第二次世界対戦以来前代未聞の規模とされています。市民を巻き添えにするこれ以上の人命軽視の政治や環境破壊については、惜しみない外交努力と協力で早急に平和的解決をするべきです。本定例会のなかで安倍元首相が核共有議論を提起した際の言葉が、安倍元首相の名前とともに引用なされたことについては、非核平和都市宣言をする昭島市においては、到底容認できません。

また、今回の侵攻に伴う世界各国のエネルギー・食料調達等の影響が私たちの暮らしにも及んでいますが、特にエネルギーについては調達の問題のみでなく、原子力発電所が安全保障上大きな脅威となっています。

3月11日に、未曾有の東日本大震災、続く東京電力福島第一原発事故から11年目を迎えました。国においては、予算規模は今年度から大幅に削減されていますが、原発事故のあと処理は終わりがみえない状況です。

このような状況下で、福島県沖を震源とする震度6強の地震が16日に発生し、私たちは11年前の恐怖を再び味わい、固唾をのんで福島原発の動向を見守りました。大きな脅威となりうる原子力政策を続けるべきか否か、一部の専門家や政府に任せず国民全体で考えるべきです。

約2年が経過した新型コロナウイルス感染症については、今もなお私たちの日々の暮らしに多大な影響を与えています。様々な困難の渦中にある方々に対し、国や地方自治体など多方面から、一人ひとりの命や人権を守ることを第一とした支援策をしっかりと講じるべきです。

このような状況のなか、次年度予算については、市長の施政方針演説、教育長の教育施策推進の基本的な考え方、代表質問、一般質問、予算要望への回答、各委員会における質疑などを参考に、慎重に検討させていただき、みらいネットワーク会派としては、予算には賛成するもののいくつかの意見を述べさせていただきます。

2月28日、国連の気候変動に関する政府間パネルが公表した最新の報告書の通り、いま本気で取り組まなければ後世が安心して暮らせる地球環境が失われることは確実です。市においては、脱炭素社会、環境負荷低減に取り組むべく、様々な具体策を掲げていることを高く評価します。また、今後市内各所で大規模開発予定がありますが、環境共生の側面から、省エネ・ゼロエミッション、自家消費型発電は最低限徹底し、下水道の負荷を軽減するため、雨水貯留浸透など雨水の流出抑制を含めた雨水管理を計画的に実施すべきです。あわせて、緑地保全は、気候変動対策、災害対策、地下水保全、生物多様性と切っても切り離せません。特に玉川上水周辺は、市内でトップクラスの多様な植物や鳥類が存在する地域です。保全に向けた最大限の努力をすべきであり、環境基本計画の緑率維持を死守すべきと強く指摘します。

次に、1964年に事業認可を受けた昭島都市計画中神土地区画整理事業においては、市民の声をしっかりとくみ取りながら中神駅北側地域整備構想案の策定、区域内道路等検討委員会設置など着実な取り組みをしていることを高く評価します。先日はパネル展示形式の説明会と開かれた場を設け、足を運んだ市民に対しては、必要応じた丁寧なコミュニケーションを通じて、理解促進・周知啓発・意見聴取したことを評価します。

次に、子育て期の非常に重要なインフラである保育園・幼稚園・こども園・子育てひろばについては、子育て環境改善のための次年度の各種施策を評価します。また、みらいネットワークが度々指摘したなしのき保育園については、子どもや保育者が不安なく過ごすための施設環境整備を高く評価します。ハードインフラとあわせて、ソフトインフラの整備も必要です。子どもの権利を各園で必ず周知・徹底させつつ、市として子どもの権利視点での保育の質を担保すること、保育従事者にとって働きやすい環境を担保するための対策も欠かせません。基幹型保育園がない中では市はその役割を担うべきと指摘します。

次に、すべての子ども・若者の健やかな成長を支援しながら貧困対策も推進する、子ども・若者未来対策推進計画策定に向けた取り組みを高く評価します。策定にあたっては子ども・若者の声を聞くこと、子どもの権利視点からの点検を欠かさないこと、昨年アンケート調査結果を充分に活かした策定とすることを指摘します。

次に、横田基地について、航空機騒音測定調査結果から、騒音測定回数は増加傾向で推移していることが確認できるとともに、オスプレイ配備後は、その運用にあたって機体特有の騒音や事故の懸念、基地周辺住民の負担は増加しているとの認識が市長から示されましたが、CV22オスプレイは昨年山形空港・仙台空港や館山航空基地への緊急着陸を繰り返しています。原因も明らかにされないままに同機種が運用されていることに抗議します。整備不良や教育不足なども指摘されていますが、住民の命に関わる重大事故に繋がりかねません。運用上安全対策は常に万全を期すべきと強く指摘します。また、オスプレイ運用にあたってのモードの切り替えなども違反状態が日常化していることや、訓練で機体後部ハッチを開け市街地住民に機関銃を向けた訓練も、何度も目視されています。絶対に許されるものではありません。CV22オスプレイの重大事故のAクラスの事故率も2019年度6.22から20年は6.58と上昇しています。低周波騒音のすさまじさは、特に夜間にはその影響が大きく、周辺住民を悩ませています。また、高高度からのパラシュート・パラグライダーによる人員物量投下訓練も横田基地で頻繁に行われ、誤投下も連続発生しています。これらの問題については、議会でも何度も指摘・改善を求めてきましたが、飛行直下にある自治体として日米地位協定の抜本的な見直しをはじめ、あきらめず声をあげ続けるべきと強く指摘します。また、昨年航空機騒音測定機が設置されたように、安心して住み続けられる昭島であるために、市独自でも、低周波の測定を通じて実態把握をすべきです。

次に、ヒトパピローマウイルスワクチン定期接種について、多くの副反応被害者が出たため中止された積極的勧奨が、次年度から再開となります。日常生活がままならない副反応被害者やそのご家族を通じて、身体の自由が奪われた苦しみや辛さを知るに、因果関係なしとする姿勢に対して強い憤りを覚えます。

積極的勧奨再開にあたっては、相談支援体制・医療体制等が十分整備されないうちに定期接種を性急に行わないこと、積極的勧奨が一時中止されていた事実に留意して、細やかな情報を提供し、児童生徒にとって最も身近である学校においては、積極的な周知ではなく、国の説明資料にも示されるように接種後の相談体制を充実させるための連携こそ検討すること、市民の安全安心を守るためにも、副反応疑い者を確実に把握し随時情報提供すること、並行してがん検診率の向上にさらに務めるべきことを強く求めます。

次に、学校教育においてはタブレット利活用が始まりました。心身への負荷について検証・対策を欠かさず、インターネットリテラシーについて考えるきっかけともしながら、学校外の児童生徒含め、双方向の学び・協働の学びにこそ活かすべきと指摘します。また、学習支援員については、当事者の声を聞くこと、学校とのコミュニケーションを充分にして環境改善を図ることが児童生徒の利益に直結すると何度も指摘してきました。確実に改善がされるよう求めます。

次に、PFOS・PFOA 等有機フッ素化合物について、多摩地域の水道水源井戸では高濃度検出され、取水を停止されています。また、日本の基準値はアメリカ環境保護庁の考え方をもとに定められましたが、アメリカでは昨秋から有機フッ素化合物の規制強化の取り組みをしている状況で、観測されたデータが国の基準値内であるからと安心してはならず、国際的な動向も常に注視するべきです。地下水保全や市民の安心を第一に、早急に汚染状況の把握のための全井戸水質調査をすべきであり、また測定回数を増やすべきと指摘します。

次に、都市計画道路3・4・1号整備事業については、通学路の安全対策に関連して近隣小中学校や自治会からかねてより不安の声が寄せられていますが、工事期間が延長となりました。市として地元の要望に対する解決策を、引き続きあきらめずに検討すべきです。

最後に、今回予算審査特別委員会において、後日開催される常任委員会で報告すると答弁した件については、全ての質問に対して誠実に答えるべきと指摘します。

以上、何点かの意見を述べさせて頂きましたが、市民との情報共有、徹底的な情報公開は今後ますます重要であり、施策の展開にあたっては市民に十分意見を聞き、市民との合意に最大限の配慮を求めることを最後に申し上げ、本予算に対する賛成討論といたします。