インクルーシブ公園とは:府中の森公園見学へ

都議岩永やす代さんによる府中の森公園の見学会に参加。

府中の森公園は、都内に2箇所ある、誰もが遊べるユニバーサル遊具が整備された公園(インクルーシブ公園)のひとつであり、
都関係者、公園の指定管理者、遊具メーカーからインクルーシブの観点からおはなしを伺いながらの見学でした。

公園オープンまでのハード・ソフトインフラの主な整備は以下のような工夫がなされていました。
◆高低差がない立地の選択。
◆駐車場から広場までの動線確保。
◆誰でもトイレの設置。
◆転倒して痛くない舗装。
◆視覚障がい、聴覚障がいなどの団体の声を聞き遊具を選定。
◆内科医にも意見を聞き香りを楽しめる植栽にも配慮。
◆にじいろ広場や遊具のニックネームを公園利用者の投票で決定したり、
オープニングイベントで子どもたちに横断幕の色つけをしてもらい市民参加を通じて周知を促す。

◆障がいを持っていることでのトラブルへの不安に備え、衝突など危険が生じないようルールづくり。
◆知的障がいを持つお子さんが迷子になることに備えて一部フェンスで囲った遊具エリアを設けることで、当面の利用動向を確認。
(指定管理者サイドからすると、フェンスそばに自転車走行する道路があり飛び出し抑止の意味もあるそうです。
また、遊具の落ち葉とり等、日々のメンテを朝にしてからオープンする側面もあるよう。)

関係者が何度もはなしていたのは、
「設置して終わりではなく、その後利用者の反応をみていかにしてより誰もが遊べる公園に近づけていくか」。

アンケートをとったり、公園へ寄せられる意見を基に
例えば駐車場から遊具エリアまでの動線の紹介動画の作成を試みたりと対策を考えられていました。

また、公園整備の過程で様々な団体と繋がり、
現在40団体ほどと関係性を持っているようですが、
例えば日常的な清掃等整備後の運営などで市民協働の形に持っていけないかとのお考えもあるようでした。

「誰もが遊べる」公園を基軸に、地域で繋がりができていくと素敵ですね。

最後に、府中の森公園にじいろ広場にある遊具は14種類。
うち、車椅子のままで遊べるものは5種類。

「誰もが遊べる」をどこまで実現するかまず見定めることで、
求められる公園整備や設置する遊具の選定も異なるはず。

現在、都内2箇所のインクルーシブ公園で、例えば府中の森公園についても市外からの利用者も多いようですが、
各市町村で、それぞれが実現したい「誰もが遊べる」に合致したユニバーサル遊具がひとつでも設置され
お散歩の途中に立ち寄れるぐらい地域に身近な存在になればと思います。

机上の学びではなく、日常の遊びを通じて体感できる共生は、きっととても腑に落ちるのではないでしょうか。