2022年12月議会一般質問:大綱1 持続可能な農業を実現し、昭島の魅力を高めよう

12月議会の一般質問の動画が、市のHPから配信されました。

今回は、農業と、子ども・若者含めた市民参画・市民協働の大綱2問をとりあげました。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/rd/speech.html?council_id=41&schedule_id=4&playlist_id=2&speaker_id=29&target_year=2022

議員一人あたりの持ち時間は60分です。
1回目の質問は、約10分まで、その後市長と担当部長の答弁があり、
一問一答の再質問は、27分50秒ごろからです。

それぞれの質問については、以下の問題意識で取り組みをしました。

【大綱1】持続可能な農業を実現し、昭島の魅力を高めよう

気候危機、ウクライナ危機、コロナ、円安などその影響が一国内に留まらない事態が生じ、食料調達にも影響がでています。国内での食料確保が安全保障上の観点からも急務であると実感します。
また、国が持続可能な食料システムの実現を目指し、有機農法への舵取りをしており、各地で農について考える必要があります。

以下の2つの視点から質問をしました。
・昭島市において人・生き物・環境に優しい農業をさらに推し進める
・行政が農業とのマッチングや情報提供の役割を果たすことで、農地を守りながら市の魅力向上に繋げる

【大綱2】地域共生社会の構築を見据えた市民参画・市民協働について問う

子ども・高齢者・障害者など全ての人々が、世代や分野を超えて丸ごとつながり、
地域、暮らし、生きがいを我が事として共に創る地域共生社会の構築が
持続可能な社会の前提条件として国からも示されています。
その実現のためには、あらゆる施策において市民参画・市民協働の視点を持ち実践できる仕組みづくりが、
まず求められます。

以下の2つの視点から質問をしました。
・本年、子ども・若者未来対策推進計画策定年ですが、計画策定を子ども・若者参画の機会に積極的に繋げていく
・まちの主役で、まちづくりのパートナーでもある市民と、あらゆる施策においてしっかり協働するための仕組みをつくる

ご視聴の上、ご意見等頂ければありがたいです。

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以下、大綱ごとに投稿を分けて、ご報告します。

【大綱1】持続可能な農業を実現し、昭島の魅力を高めよう

◆人にも環境にも優しい農業について
2015年の都市農業振興基本法制定以降、農地の位置づけが、あるべきもの・残すべきものとなりました。また、農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%に拡大する目標を掲げています。

農薬や化学肥料の更なる利用減はコスト削減、さらには人にとって安全で、土の劣化やそれに伴う農産物の栄養成分不足、水の汚染防止など生き物・環境にも優しい点が重要です。
昭島市においては、全域市街化区域であり、また都市農業は地方の生産地と比較すると広範な農薬頒布が難しいため、農薬利用が一般的には少ないといわれていますが、
持続可能であるために、収量を維持しながら農薬や化学肥料の利用を減らすための更なる試行錯誤が求められる時代です。

・有機農法・自然農法について、市には現在取り組みたいとの声は届いていないが、
今後ニーズがあった場合には、都からアドバイスを頂きながら近隣に迷惑をかけない栽培法を探り、近隣住民への理解を促す周知を検討するとのこと。

・また、昭島市で安全な農産物生産を拡充する糸口となる減農薬推進事業について、各生産団体を通じて行っており、あわせて担当職員が現場で農業者の生の声を聞きながら意見聴取を行っていますが、
生産者に対し同事業へのアンケート実施を提案することを求めました。
実施を考えていないとの答弁でしたが、懇切丁寧な聞き取りを引き続きすることを求めました。

・また、エコ農産物認証生産者については、実際には同じ基準でいる市内農業者数多く存在するが、認証の手間とメリットがつりあわないとの理由で、現在認証生産者は2件に留まるとのこと。
付加価値として市民に情報提供することを求めたところ、消費者が生産物を選び購入すれば農業者のメリットも高まるため、消費者への周知を検討するとの答弁でした。

学校給食については、現在全国的にオーガニック給食の動きが高まっています。
市の見解としては、
→安全で安心な農産物が取り入れられれば都市農業の活性化や子どもたちへのメリットがあるため、少しでも多くの昭島産の野菜を子どもたちに食べてもらいたい
→有機農法・自然農法まではいかないが、農業者においても学校給食用の生産物は極力農薬を使わない状況であるが、今後も市民部として学校給食と連携を密にして対応する
とのこと。
市民部としても昭島市の持続可能性・魅力向上に繋げられるようなサポートをして頂きたく、今後の取り組みを注視します。

◆昭島の農地を維持するための取り組みについて
農を地域資源と繋げることで諸問題の解決やコミュニティ創設にも繋げられるよう、行政が率先してマッチングや情報提供をして頂きたいとの視点から質問をしました。

飲食店と地場野菜のマッチングについて、地場野菜を利用する飲食店の事例をHP等で紹介することでのマッチングの促進や、利用飲食店を市民に示すことを求めました。
現在も相談は寄せられており、マッチング成功の事例もあるため現在HPへの掲載方法を検討中。マッチングの周知とともにどのようなPRが可能か検討との答弁でした。

情報提供については、生産・直売マップをHPから公表していますが、グーグルマイマップ等の活用を提案。今後の検討課題であるものの、直売マップ更新時にデジタル化と連携できるか仕組み作り含めて取り組むとの答弁でした。情報の更新が容易で、昭島産野菜の情報アクセスを一元化でき、今後の検討を期待します。

体験農園については、市民ニーズが高いものの、昭島市産業振興計画農業部門の農業者ヒアリングでは、体験を増やしたいが人手不足などの回答があります。その解決も兼ね、体験農園・市民農園等で指導者や援農ボランティアを養成し、体験農園を増やすべきと質問しました。
農地は農業者個人の財産であるため、行政主導で増やすことは困難性があるが、体験農園での経験が援農ボランティアに繋がる可能性もあるので、引き続き体験農園の周知をするとの答弁でした。

・その他、市民と協働しての農家レストラン設立の可能性について問いましたが、多品種少量生産で、ひとつの品種を安定供給することが困難。現在、農業者とレストラン飲食店と連携して創設する考えにはいたっていないが、今後生産団体からそうした要望があればどのような連携が図れるかは検討との答弁でした。

・最後に、海外では貧困対策や福祉対策として展開されるコミュニティガーデンの視点を持った農福連携をと意見しました。
市長からは、月1回の農業委員会に可能なときには参加なさること、
全体把握をし各組合からも意見をもらい、行政が主体となるよりもむしろボトムアップで農業の発展を目指すこと、
農家に寄り添いできることは何か見極め今後も対応していくとの答弁を頂きました。

知恵や力をだしあって創意工夫をして昭島の魅力を高めることにも繋げて頂きたく、引き続き農地を守る取り組みを、様々な角度から提案してまいります。