映画「夢みる校長先生」を鑑賞しました
前作、映画「夢みる小学校」は昨年子どもが在籍する小学校で自主上映されており
様々な教育現場で大人が本気でトライアルする様子に感激しましたが、その関連映画ということで楽しみに劇場に。
公立でも学校を自由に変えるチャレンジが、紹介されていました。
◆総合学習でヤギのお世話をし、そこから国語や算数など他教科の授業展開をする長野県伊那市立伊奈小学校。
時間割も子ども主体でその日に変える柔軟さ、
子どもたちの探求する様子に驚きました。
◆校長と先生方が、子どもや保護者の通知表の受け止め方や自分たちの評価にかけるエネルギーから通知表の善し悪しを議論し、
保護者の反応も確認しながら最終的に通知表をなくした、神奈川県茅ヶ崎市立香川小学校。
当たり前を見直し、民主的に変えていくチャレンジが素晴らしかった。
◆校則ゼロ・定期テスト撤廃など実現した、東京都世田谷区立桜丘中学校。
校長のトップダウンではなく、生徒会など生徒主体の発案を大人が実践。
「自分は社会を変えられる」自己有用感を育み、主権者教育にも繋がる取組みでした。
「学校がすごく楽しかった」と振り返り教職を目指す卒業生の姿は、トライアルが生徒の人生に非常に良い影響をくれたことの何よりの証明。
◆校長室をなくした神奈川県横浜市立日枝小学校。
いかに風通しをよくして、周りの先生方が安心して働き、
その結果子どもや家庭にも良い循環を生み出すかまで思慮なさっていました。
◆コロナ禍に、子どもたちの年代に必要な感染症対策について科学的見識を調べ尽くし、日常生活と成長を守り続けた栃木県日光市立足尾中学校。
周りを忖度せず、何が大事か見極め、科学的根拠を調べ、家庭に伝えるご尽力に要されるタフさは、並大抵のことではなかったはず。
途中紹介された、本間真二郎先生による子どものマスク着用の心身の発育上のデメリットの見解も、その通りと思います。
◆宿題をなくした、東京都武蔵野市立境南小学校。
宿題の点数を通知表に反映させないが、心配なご家庭には選択制で宿題を準備。
宿題をみなおす風潮がでてきているなか、宿題をだすならばどのような宿題だと子どもたちにとって有意義なのか、現場での議論は必要です。
どの取組みも共通しているのは、子どもの権利の実践。
国でも子どもの権利を声高にうたいはじめているところ、
こうした実践が特別ではなく当たり前になるよう、
学校任せでなく子ども周りの大人も当事者として考え、できる協力はするべきですね。
上映後は、オオタヴィン監督と、辻信一さんの対談がありました。
子どもを真ん中において、コミュニティをつくりなおす必要性、
子どもにとって遊びこそ学びであり、もう一度遊びを取り戻す必要性、
この作品は全ての大人への映画であり、
様々な問題は、子ども由来ではなく大人由来の問題であることなど述べられていましたが、
いずれもとても共感。
同作を観て、いまの当たり前で、果たしてみなが幸せになれるのか
考えるきかっけを持つ方が1人でも多く増えますように!