2023年12月一般質問:大綱1-2 子どもの権利を踏まえた子ども・若者施策の推進のうち、ヤングケアラー・若者ケアラー支援策について
一般質問の動画が市公式HPから配信されました。
→該当URLは以下となります。
(持ち時間は60分です。
1回目の質問は9分15秒ごろまで。
その後対する行政の答弁があり、
2回目以降の一問一答の再質問は、23分30秒ごろ~最後までとなります。)
→今回は、大綱2問、子どもの権利踏まえた子ども・若者施策(意見聴取と参加の保障、ヤングケアラー・若者ケラー支援)、GLP昭島プロジェクト(昭島駅北口開発)について取り上げました。
質問ごと分けて報告いたします。
大綱1 子どもの権利を踏まえた子ども・若者施策の推進について
◆ヤングケアラー・若者ケアラーに届く支援を
ヤングケアラーとは、高齢化、核家族化、専業主婦世帯の減少、ひとり親世帯の増加など家族のあり方が多様化しケアを担う大人が減少した結果、子どもに負担が集中し、本来大人が担うようなケア責任を引き受けている18歳未満の子どもを示します。
主に、障害や病気のある親や高齢の祖父母、きょうだいや他の親族に対し、家事や世話、介護、感情面のサポートなどを日常的に行い、学業や友人関係などに影響が出ることもあります。
また、18歳からおおむね30歳代の若者ケアラーは、ケア責任がより重くなったり、就労等若者ならではの問題もあり、将来の可能性を狭めないよう切れ目ない支援を行う必要があります。
2020から21年度に国でヤングケアラーの実態に関する調査研究を行い、調査対象の小学生の約15人に1人、中学生の約17人に1人、全日制高校生の約24人に1人、大学生の約16人に1人の割合でケアラーがいることが分かりました。
また、平日1日あたりのケアに費やす平均時間は、小学生2.9時間、中学生4時間、全日制高校生3.8時間。平均7時間以上を費やすケアラーも1割前後おり、自分の時間を取ることができない、友達と遊べず、宿題や勉強をする時間、寝る時間すら削らなければならないとの回答が多い結果でした。
子ども期を自分らしく過ごせず、学習の保障がされず、心身の健康保持や発達への影響、さらには進学・就職などその後の人生にも影響が及ぶなど子どもの権利が侵害されている状況には早急に対応すべきです。
2022年度から3年間は、早期発見・把握、相談支援などの支援策の推進、社会的認知度の向上等について、国が集中取り組み期間とし、自治体を支援する予算もあり、質問に取り組みました。
○市では、国の集中取り組み期間に際し、市として教育・青少年だより「エール」における周知啓発をしました。
今後掲載着手予定の施策について確認をしたところ、様々な媒体を活用し、あらゆる機会を捉えながら周知啓発に努めるとともに、関係部署・機関と連携を図り支援に努めること、また、ヤングケアラーを早期発見し支援に繋ぐために実態を把握するととともに地域における周知・啓発が重要との答弁でした。
後段の地域における周知・啓発と早期発見については、本年子ども育成課、健康課、社会福祉協議会によるヤングケアラー支援連続講座を開催。講座修了後も市民参加の会議設定をしており評価していますが、市民の主体性を大切にしつつ、まず市のビジョンも一定程度あってしかるべきです。
○まず、同講座では、日常的に子どもと接し発見から支援に繋げる拠点となる学校教育、ケアラーの状況を現場把握できる地域包括支援センターなど介護福祉・障害福祉関係者はおらず、この点を確認。
教育委員会、福祉部署との連携は重要であり、各部署や機関等においてもそれぞれの視点から取り組みは行っているが、今後一層、要保護児童対策地域協議会の活用など様々な機会を捉え、連携を図るとの答弁でした。
関係者の繋ぎや調整、支援のサポートを行うヤングケアラーコーディネーター配置について、国から3分の2の補助がでることもあり取り組まないか質問。今後の状況や、国や市が来年に向けて組織を検討するなかで検討との答弁でした。
ヤングケアラー支援は多機関・多職種連携が必要と国も示しています。確実な連携のために、ひとつの選択肢として検討頂きたい。
○国の2021年ヤングケアラーの認知度調査では、ヤングケアラーを聴いたことはあるがよく分からないが2割強、聴いたことはないが約半数。国では中高生の認知度5割も掲げています。
当事者の気持ちに配慮しながらも、しっかり届くような周知を求めたところ、今後は学校とも協議・連携しながら子どもに自分自身がどういう状況にあるか理解してもらう取り組みをするとのこと。
○また、周知の際には相談先も明確にしなければなりません。
前掲のエールでは、ヤングケアラーの相談先は、AKISHIMAキッズナーとされていますが、18歳未満対象で平日の電話対応。これで、ケアラー当事者は利用できるのでしょうか。
LINE・メール等受付け法の検討を求めたところ、以前メールによる相談業務を実施した際に、簡単に相談できる環境になったことでひっきりなしにメールがきて、通常業務に支障をきたし断念したとのこと。
しかし、だから相談の間口を狭めることは本末転倒です。
ヤングケアラーの相談先と切り分けてもキッズナーの過去数年の利用件数はひとけた台であり、せっかく市自前の相談先なのですから、しっかり活用されるように相談しやすい体制に抜本的に変えていく必要があります。
また、エールにおいて、市は若者ケアラーへも切れ目ない支援が必要と書いているからには、18歳以降の若者ケアラーの相談先も明確にすべきです。
年齢で区切るものではなく、適切な支援を受けられるような形をとれるよう対応を考えてゆくとの答弁でしたが、注視します。
○最後に、実態把握がなければ、取り組むべき施策の判断すらできません。実態調査・把握については、国が3分の2相当を負担する予算があり、自治体に対し国が本年3月29日付けで実態調査推進の協力依頼の文書も出しています。
他市の状況もみながら実態把握につとめるとのことですが、ケアラー支援については多機関・多職種が連携しながらまず実態把握をする必要があります。そして、子ども・若者の内面・気持ちにも充分に気を配りながら、子どもの権利が侵害されているケースは、必要な支援に繋げるべきです。