兵庫県神戸市「六甲ウィメンズハウス」の見学と認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべの取り組み
視察2日目の午前は、兵庫県神戸市で女性子ども支援・居住支援の取り組みについて視察。
まだDVやシェルターという言葉が日本になかった30年前から
DV被害女性の相談に乗り伴走なさってきた
認証NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべの正井禮子さんのおはなしを伺いました。
家庭内暴力を受け周囲に相談をしても
「暴力を受けているあなたが悪い、我慢をしなさい」という反応や、
離婚する選択肢は経済的な問題から住まいの確保含め難しい女性が多い状況が当時からあったなかで
デンマークや台湾などでみたシェルターの様子も参考に
「ここにしか住めない」ではなく
「ここに住みたい」と思える家をと
六甲ウィメンズハウス(通称ミモザハウス)が本年オープン。
入り口から入ると陽光が入りとても明るく、右下の写真のキッズスペースが広くとられていました。
家具類はIKEAの協力で設置されているとのことで居心地よい空間がつくられており、
他にも学習室、シェアオフィス等共有スペースがあります。
六甲ウィメンズハウスでは、事前面談の上、入居支援が必要とされた方は
原則3年間、敷金・礼金・仲介手数料なし、家具類が設置されたお部屋に入居できます(様々なタイプのお部屋があり、お部屋ごと家賃が違います。家賃の他に、共益費、家財保険料、自治会費、水道光熱費が必要)。
入居中はスタッフが悩みに寄り添い、精神的・経済的に自立し出発することを支援します。
3年の期間を設けているのは、少しでも多くの方々を受け入れ支援したいからとのこと。
海外では、例えばデンマークや台湾などでのジェンダーや人権感覚、
コミュニティがシェルターを守ってくれるという感覚が実際にあり、
イギリスにでは「全ての人は、安心・安全に尊厳を持って暮らせる住まいを持つ権利がある」という思想や施策があるとのこと。
それに対し、日本では人権感覚が明かに希薄です。
「DVは相手の自己決定を奪うことでもあるが、自己決定をしらなければその権利を侵されていても分からない」などのおはなしから、
正井さんのなさるような伴走支援や居住支援とあわせて、
そもそもの人権や権利について
どうにかしなければならないと改めて思いました。
教育現場での人権教育、
さらには、教育現場に限定せず、人と対する際に大切にされている実感を持てることが重要。
それは、一昨日、泉南市の子どもの権利の取り組みについて伺っていた際にも考えたことです。
すべての基本は、歪んでいない人権感覚であり
その際、国の制度設計からのアプローチも欠かせないはず。
日本は加害者処罰がないこともおかしいとおっしゃっていました。
児童虐待も何とかせねばならない状況であり、
虐待を受けた2代目への脳の影響、
3代目での育児や地域社会への影響の可能性を考えると
子どものケア・アプローチも非常に重要であるとのこと。
視察時間中、多岐にわたり問題提起頂きました。
基礎自治体ではどのような提案をできるか考えてまいります。
視察のお受け入れどうもありがとうございました。