2026年3月:一般会計予算に関する討論

昨日の議会最終日、一般会計予算と陳情審査の2件について討論を行いました。
分けて討論内容を投稿します。

日程第6議案第10号令和8年度昭島市一般会計予算について、みらいネットワーク会派を代表し、意見を交えながら賛成の立場で討論致します。

トランプ米大統領は、1月の軍事作戦によるベネズエラの大統領夫妻の拘束に続き、先月にはイスラエルとともにイランを攻撃し最高指導者を殺害、小学校への誤爆など多くの子どもたちや市民の命が突如奪われる事態まで生じさせ、許しがたい国連憲章・国際法違反を繰り返しました。日本が重視してきた「法の支配に基づく国際秩序」が危機的状況にあり、一連の暴挙を到底容認できません。イラン先制攻撃について、トランプ大統領は「切迫した核の脅威の除去」を理由に挙げるも、米国家情報長官・国際原子力機関とも切迫した状況ではないと説明する始末ですが、この信じがたい攻撃を端緒に、報復が次々と拡がり、世界平和・世界経済が極めて危うい状態に陥り、私たちの安全安心や生活にも大きな影を落としています。
国際社会が今回の攻撃を許容すれば、世界大戦の教訓である武力不行使原則・戦後秩序が崩壊する恐れがあり、いまがまさに正念場、毅然として対応すべきです。また、同じく国際法を無視してウクライナ侵攻を続けるロシアは批判するも、このようなアメリカの暴挙について同調する国々は、法遵守ではなく大国におもねっており、一貫性なくダブルスタンダードであると捉えられかねません。
さらに、世界保健機関は、ペルシャ湾岸地域の石油関連施設への攻撃に伴い、有毒物質による深刻な大気・水の汚染や呼吸器の健康被害のリスクがあると警告しました。改めて、戦争は最大の人権侵害・環境破壊であり、その影響は将来世代にまで及びます。一刻も早い紛争解決が必要であり、国際社会は、攻撃の応酬を即刻やめるよう連帯する必要があります。

国政においては、年度内予算成立を困難にした責任は、通常国会冒頭で強引に衆議院を解散した首相自身にあるにも関わらず、衆院予算委員会では数の力により熟議が軽視されました。国内外で民主主義が危ぶまれるなかで、私たち一人ひとりが民主主義をどう捉え、どう向き合っていくかが問われています。

さて、昭島市次年度予算については、市長の施政方針演説、教育長の教育施策推進の基本的な考え方、代表質問、一般質問、予算要望への回答、各委員会における質疑などを参考に、慎重に検討させて頂きました。みらいネットワーク会派としては、予算には賛成するもののいくつかの意見を述べさせていただきます。

まず、アメリカとロシア間の新戦略兵器削減条約が先月失効、さらに、中国は急速に核軍拡を進め、フランスが核増強を明言しています。1985年米ソ首脳が「核戦争に勝者はない」と合意したジュネーブ会談と、これまで積み重ねられてきた対話を思い起こし、来月予定される核兵器不拡散条約再検討会議では核軍縮の枠組みを立て直すため日本は外交努力を尽くすべきです。このような状況下で、市が核兵器の廃絶と世界の恒久平和を願う非核平和の宣言都市であることは希望であり、いまの世界情勢においては、一層力強く非核を訴え続ける必要があります。

次に、偏見・差別に繋がりかねず平和構築とも逆行する排外主義は、政治が諫めるべきにも関わらず、国民不安を助長する一部政治家の人権感覚を疑います。外国人政策について、政府の基本方針となる総合的対応策が1月に刷新され、共生が後退し、秩序に重点が置かれましたが、人権を尊重し、共生に導くことこそ、政治の役割です。「人間尊重」を基本理念に掲げる市においては、外国人の人権啓発に力をいれ、さらには、外国人はじめマイノリティとされる方々が、被災時に混乱なく過ごせるような備えの検討を避難所運営委員会でできるよう率先いただきたいと意見します。

次に、横田基地問題については、何度も指摘してきたCV-22オスプレイの危険性の抜本的な改善がされないままに基地周辺での危険な訓練が行われています。米政府行政監査員は昨年12月12日オスプレイの事故急増に関し国防総省・海軍・海兵隊に勧告しています。10万飛行時間の事故率のクラスA,B事故について、横田配属の空軍の2015~2022年は事故率50.58件が、2023~2024年には88.74件に跳ね上がり他種を上回っており、事故原因はプロペラローターのギアボックスクラッチの故障など指摘され、厳しい指摘・改善を求められています。私たちの市街地上空での危険な訓練は抜本的改善があるまで中止するよう国に求めて頂きたいと意見します。また、昨年11月18日・20日にパラシュート訓練の誤投下が羽村市の民家、福生市の児童館でありました。大事に至らずとも危険度の高い訓練の中止と早急な情報公開を求めます。また、PFASの横田基地内の土壌・水質検査、立ち合い、公表をすべきです。さらに基地運用に当たっての日米合同委員会合意事項を守るよう求めるべきと意見します。

次に、市民サービスの直接の提供者の職員は市民の宝であると市長は常に公言しています。その期待に応えて職員は職務に精励していますが、若年退職や精神疾患、メンタルヘルスによる長期休業状態は改善されないままに推移しています。何度も改善を求めていますが、風通しの良い職場・人間関係、ハラスメント対策、ワークライフバランスの徹底、若年職員の育成と、昭島市職員として自信を持ち定年まで働き続けるという意欲に繋がる人事が必至と改めて求めるものです。技術系職員の人材確保も必至です。早期の募集や昭島らしさの工夫など含め、いかに確保するか職場ぐるみの検討が必要と意見します。

次に、環境施策については、地球沸騰化ともいわれる気候変動への対策強化が求められるなかで気候市民会議の開催を高く評価します。様々な主体が自分事として、かつ一丸となって気候危機に取り組む契機となり、さらには市民自治にも繋がることを非常に期待します。生物調査についても市民協働で進めるべきと意見します。PFASについては市民の不安軽減には、細かな実態把握が欠かせず、全市所有井戸の調査を求めます。あわせて都に対しては調査箇所拡充の要望を継続すべきと意見します。また、公共施設の人工芝については、PFAS,マイクロプラスチックの含有や表面温度の暑さについて検証が必要です。

次に、こども基本法で子ども参加が明確に打ち出されたのはなぜでしょうか。こども大綱では、社会参画・意見反映を、「施策がより実効性のあるものになる」、また、「自らの意見が十分に聴かれ、自らによって社会に何らかの影響を与える、変化をもたらす経験は、自己肯定感や自己有用感、社会の一員としての主体性を高めることにつながる。ひいては、民主主義の担い手の育成に資する」と意義づけており、市においては複数部署での積極的な意見聴取を高く評価します。子ども計画策定、西部地域総合施設整備、こども誰でも通園制度運用など新規事業においても引き続き意見聴取・反映に取り組み、今後は権利擁護・オンブズパーソンの取り組みも前進させるべきと意見します。また、子どもの権利条約第31条で定められる遊びの保障について、こども大綱では遊びや体験活動が、認知的スキル、社会上動的スキルを育て、生涯にわたる幸せにも繋がる重要性、さらに学びへのつながりやその機会を保障することの重要性を認識すべきとしていますが、子どもにとって遊ぶことは生きることでもあります。市においても、こども計画策定を機にいま一度遊びの意義を再確認した上で施策を展開頂きたいと意見します。
居場所については、市内に1館の児童センターでの子どもの権利保障、24歳までが対象となる青少年交流センターの子ども・若者参加の検討をすべきと意見します。放課後子ども教室については、現場で支援にあたる方々の働きやすさも子どもの居心地の良さに直結し重要です。子どもはじめ関係各所の声を聴いた上での小学校早朝見守り事業の充実も期待します。以上、子ども施策は多岐にわたりますが、部署横断的に子どもの権利の横串をさすためにも、再三訴える子どもの権利条例制定が必要と意見します。

次に、高齢者福祉については、超高齢社会で支援ニーズが高まる一方、介護事業者が危機的状態にあり、東京商工リサーチによれば2025年の倒産・休廃業は過去最多となりました。いま対策を講じなければ、住み慣れた地域での暮らしが破綻します。喜びの声をいただく初任者研修等研修費補助はじめ、現場の声を聴きながら必要な支援策に一層力をいれて頂きたいと意見します。また、身寄り問題は、当事者にとっては死活問題で生きる上での苦悩にもなり得ます。誰もがいつなってもおかしくない身寄り問題については、国の動きを待つのみならず、社会福祉協議会と確固たる連携をし、環境改善すべきと意見します。

次に、障害者福祉については、待ち望まれた基幹相談支援センター機能の段階的構築を期待します。一方、ガイドへルパーの担い手不足が深刻です。移動支援は処遇改善加算もつかず、ガイドヘルパー単価の引き上げは欠かせないと意見します。また、西部地域総合施設整備にあたっては、バリアフリーの視点で当事者から意見を聴取し設計段階で反映することを求めます。従前から求める医療的ケア児コーディネーターも早急に配置すべきと意見します。

次に、自治会、子ども会、地区委員会やPTAなど地縁団体の活動の継続に困難が生じていますが、地域コミュニティの希薄化は、豊かで強靱な地域づくり、さらには子どもたちの地域での豊かな育ちに深刻な影響を与えます。市内8校で学校を核とした地域づくり、いわゆる地域学校協働本部のたちあげと、それに伴うコーディネーターの配置による、地域と学校の連携・協働体制強化を高く評価します。学校を拠点に、そして子どもを中心に据えて、様々なステークホルダーが重層的に繋がり、学校・地域双方に活力がでて、関わり手さらには地域の幸福感の醸成にも繋がることまで視野に入れ、地域学校協働本部の仕組みを確実に活かす必要があります。まずは地域学校協働本部が何たるかの認識が行き届くよう、教育委員会においては部署連携しつつ認知を拡げ、状況を注視し、適宜必要な支援策を講じるべきと意見します。
また、学校施設が地域に開かれていることを評価しますが、本年度から施設予約法が変わり、市民からは様々なご意見を頂きます。少なくともDXの申請法を検討すべきと意見します。学校施設のなかでも光華小学校のプレーパークは、貴重な地域資源です。地域学校協働活動など通じて地域に運営を定着させるべきとはいえ、市におかれてはその価値を認識いただき、継続にあたり必要な支援策があれば検討頂きたいと意見します。
また、インクルーシブを目指す取り組みは常に欠かせません。通学支援はじめ、課題を一つひとつ解消できるよう関係各所と連携の上、着実に取り組み頂きたいと意見します。学校においては教員の働きやすさの実現も喫緊の課題です。現場の声を聴き、諸課題解決のため名実とも教員に伴走いただきたいと意見します。
次に、市は預かり知らなかったようですが、学校経由で、HPVワクチンに係るリーフレットが配布されました。国の疾病・障害認定審査会、感染症・予防接種審査分科会の直近、2月24日の審査会では、ワクチンの疾病・障害請求10件のうち7件がHPVワクチン関連です。学校からの周知は、ワクチンの安全性より効果が強調されるため、今後はこのようなことなきよう注視いただきたいと意見します。

次に、GLP昭島プロジェクトについては、東京都環境影響評価制度いわゆる環境アセスを経てもなお、環境影響があまりに甚大であるとの市民不安が継続しています。加えて、造成工事着手後の環境変化、データセンターの非常用発電機による環境影響や水利用など新たな懸念も続出しています。市民は同プロジェクト踏まえた交通量シミュレーション・大気汚染調査・気温調査など先んじて着手しています。市においても、市の基本理念である「環境との共生」実現のため、環境アセスに基づく事業者調査をまつのみならず、予防原則の立場から、主体的に実態を把握し環境保全にあたる必要があり、まずは従前の公害調査・測定を充実させるべきと意見します。また、市道11号 7千百万円・市道48号 1億9百万円の予算計上がありますが、いずれも同プロジェクトの発生交通量に伴う道路改修となり、市の負担が生じる点、市民理解をえられにくいことは指摘します。データセンターの環境影響に伴う市民運動が各地で起きており、昨年江東区では建設対応方針が出されました。地域を越えて市民が連携する都市型データセンターあり方検討会も発足しています。市においても市民や他自治体と連携しながら、引き続きこの問題に真摯に向き合い、持続可能な社会に必要な仕組みづくりや当地での環境影響軽減に力を尽くしていただきたいと意見します。

最後に、代表質問でも取り上げたまちづくり条例について、条例案第3条基本理念では、「市、市民及び事業者は、相互の理解のもとに協働してまちづくりに取り組む」としていますが、そもそもの「まちづくり」とは、地域住民が主体であり、住民主体のボトムアップで行うこと、住民、行政・企業・NPO等が協働しながら、持続可能な地域社会を創る総合的な取り組みと捉えています。また、行政、市民が公共の担い手として対等であり、多様な主体を相互に理解・尊重し、対話と合意形成を積み重ねる「協働」は、地方自治・民主主義の肝です。「協働のまちづくり」の意義や重要性を真に理解していれば、今回のようなあまりに拙速な制定プロセスには至らなかったのではないでしょうか。次回条例審査までにパブリックコメントの結果と条例案を市民に向け説明し意見反映を試みること、またGLP昭島プロジェクトも教訓にした条例案の再考を求めます。とくに、市民による主体的なまちづくりを支援するための専門家派遣や助成、大規模土地取引行為の届出の公表に対する指導・助言、市民のまちづくりを行う権利、環境配慮指針、高さ制限、紛争調整制度、報告書作成など他自治体の条例案も参考に、条項の追加を検討いただきたいと意見します。さらに、条例の見直しについて明確にすること、市民の理解を得られ条例が制定された暁には市民周知に力を入れることも必要と考えます。協働のまちづくりの根幹となる大変に重要な条例です。よりよい条例内容を目指し、市民とともに知恵を絞って頂きたいと意見します。

以上、何点かの意見を述べさせて頂きました。世界情勢・国内情勢とも非常に危うい状況であるからこそ、地方自治体においては様々な主体とともに協働で、持続可能で豊かな社会づくりに地道にそして着実に取り組むべきと最後に申し上げて、本予算に対する賛成討論といたします。