2022年9月厚生文教委員会・厚生文教委員協議会:奨学金等支給条例の改正・令和3年分教育委員会の事務事業に関する点検及び評価報告 他
昨日は、厚生文教委員会、厚生文教委員協議会がありました。
【厚生文教委員会】
昭島市奨学金等支給条例の一部を改正する条例が議案でした。
現在も募集中の以下奨学金ですが、
令和4年度給付型奨学金制度|昭島市 (akishima.lg.jp)
昨今の社会状況を鑑みて、
・入学準備金 6万円 → 8万円
・月額奨学金 1万5千円 → 2円
・対象人数 10人 → 15人
に支援を拡充するための改正です。
市では、今すぐの実施ではないものの、
こちらの奨学金とは別に、貸付型ではなく支給型の奨学金支給の検討にはいったとの答弁もありました。
教育を通じて、将来社会を担う人づくりをすることは重要ですし、経済的な問題から選択肢を狭めざるをえないのは悲しいことです。
そもそも、国・都が率先して教育への支援を充実させるべきだと私は思うのですが
待っていられないので、市としてもできる支援はぜひ検討・実施して頂きたい。
【厚生文教委員協議会】
議題は添付写真の通り。
◆昭島市教育委員会の事務事業に関する点検及び評価報告書(令和3年度分)
毎年貴重な資料として目を通しています。
(令和2年度分までは以下から確認できます。
教育委員会の事務事業に関する点検及び評価|昭島市 (akishima.lg.jp) )
質問数が多くなってしまいましたが確認をしたい点はまだ残り、
それらは決算審査等別の機会にまわしたいと思います。
以下の問題提起・確認をしました。
◎教員の研修について
「教育課程編成の最重要課題に位置づけ、教育活動全体を通して、全教職員で取り組んだ」と児童生徒に対しては位置づけている人権教育ですが、肝心の教員の人権研修がどのようか確認をしました。
都から示される人権教育プログラムがあったり、人権教育担当の教員もいたりと、体制は充実しており、
校長会・副校長会でも研修を具体的にすすめるなどしているようですが、
残念ながら、人権意識が欠如していると思われる先生への対応について保護者から相談を受けることが事実としてあるため、研修がより活かされたい。
また、子どもの権利について、都では条例がすでに制定され、国でも来年から子ども基本法案が公布される状況ですが、
本年国際NGO調査によると、子どもの権利の名前だけ知っている、全く知らないと答えた教員が約3割です。
子どもの権利についても子どもはもちろん、子どもに携わる教員の理解促進を市としてサポートすべきと意見しました。
・教員の授業改善については、市ではすでに市独自の授業力向上アドバイザー事業を実施し、第三者から指導助言を受ける体制をとっていることを評価していますが、
教員が先進事例先にゆき、実際に見聞する形の研修が考えられないか、以下の日野市の事例をあげて質問しました。
探究的な学びを深めるために 学校法人軽井沢風越学園と改めて連携協定を締結しました(令和4年5月13日プレスリリース)|日野市公式ホームページ (hino.lg.jp)
市としては都が先進事例を共有する機会がすでにあるとのことでしたが、
現場にいって子どもとの接し方、授業の進行等体感することでみえることがあるはずで
様々な研修手法を市としても検討して頂きたい。
◎教員の働き方について
オンラインを活用できるところは活用し、代替できない部分の業務に厚みを持たせるべきですが、
今回はオンラインを活用して欠席連絡等実施している学校を確認、
取組み校の様子を検証して必要であれば横展開してほしいことを意見しました。
◎読書活動について
学校図書支援員の配置が報告書上では年45日と示されていますが、学校ごとこの日数にはばらつきがないことをまず確認。
学校図書室は読書活動はもちろん、居場所に使われたり様々な可能性を持つ場であり、利用促進をはかってほしいこと意見しました。
◎不登校について
市の不登校数の推移をみると、その人数は増加しています。
個別事例ごと、関係機関と連携しながら支援を進めているとのことで、コロナ禍での不安が多い状況であるとのこと。
報告書で示される市内全校の推進計画と対する実績をみると、コロナの影響をコメントする学校も散見し、
その影響は確実に大きいはずであり、感染症対策については、これまでも議会で様々取り上げてきました。
今回は、文科省の令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、不登校の理由が「いじめ」よりも、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」であることに注目。
背景には様々な要因が考えられるでしょうが、その一つの可能性として、繊細さ(HSP,HSC)があること、それらの周知啓発が必要であることを質問しました。現在は相談があった際に心理士等が伝えているそうですが、今後は周囲への理解促進も進めるとの答弁でした。
また、学びをとめないことは大前提であり、その選択肢としてタブレットを活用した学びの保障が全校で確実に実施されていることを確認しました。
あわせて、全米教育統計支援センターによると、アメリカでは20年前と比べて9歳児の平均的な学力に記録的な低下があり、その原因はリモート授業の増加により困ったときに勉強をみてもらう体制の欠如と、オンライン授業に学校外から参加する環境整備の課題と分析されていると最近報道されていました。
そうしたことも頭に入れてオンラインの学習支援を充実させる施行錯誤すべきと意見しました。
◎体力向上について
コロナ禍で子どもたちの身体活動の減少やスクリーンタイムの増加が指摘されており、体力減少に対する施策が必要です。各校ごとの取組みを確認した上で、市の貴重な資源としてすでにある元気アップガイドブックに基づく元気アップタイム等、工夫した取組みに力を入れるべきと意見しました。
◎アレルギー疾患対応について
重度なアレルギーのお子さんをもつ保護者の方々から、
学校での綿密なやりとりに加え、学童でも様々なやりとりが生じ、さらには放課後子ども教室でも打ち合わせが要され大変であったと伺っています。連携がなされているか確認をしましたが、現在はないとのこと。
重度な場合は、万が一にも事故が生じないよう、それぞれの先と場面場面の対応について、詳細をつめる必要があることは充分理解しつつ、
縦割りで管轄が違っていても、学童、放課後子ども教室など、学校に通う子ども周りの先が連携をし、一定程度の共有や理解をすることで、安心感や保護者負担が減るであろうことを意見しました。
◎学校と地域との連携について
昨年は実施できなかったと報告されている、生涯学習推進のための校区協議会機能の充実について質問。
「小学校区を中心にした生涯学習を推進するために、PTAや地域などと連携し、実施団体の設置や活動を支援」する協議会のようですが、学校が地域と連携することは今後非常に重要な視点と考え取組みを確認したところ、
残念ながら関係者の高齢化などにより事業が収束しているとのことでした。
◎家庭学習について
家庭学習時間については、毎年市でもアンケートで児童生徒に確認をしているところですが、
時間ばかり多いからいいというものではなく、その内容が重要です。
熊本大学准教授で、熊本市教育委員も務める苫野一徳さんによると、宿題研究は膨大にあるが、いまのところ定説になりつつあるのは、小学生に関しては宿題と学力の相関関係はほぼゼロで、むしろ弊害が大きいという捉え方もあるようです。
基礎学習はもちろん欠かせず、私自身は、宿題を全否定するつもりは毛頭なのですが、その内容と量によっては、逆に子どもの学習意欲を喪失させてしまうことは多いにあるはず。
市としても、家庭学習の主な課題として「主体的に家庭学習に取り組むことができるよう、課題の工夫が必要」としているところ、今後の施行錯誤を期待しています。
◆令和3年度昭島市教育福祉総合センター及び昭島市民図書館の管理に関する指定管理者モニタリング・評価報告書
サービスの質に関する評価で、「書架の乱れや、返却本が溜っている時がある」「レファレンス件数が少ない」「利用者教育が不足」とされている点につき、人員配置が充当であるか、また育成はどのようか確認。
返却本が溜るのは長期休暇明けが多い、研修し配置されているなどの状況ではあるようですが、
アキシマエンシスは昭島の大きな魅力のひとつであるインフラと捉えているので、
必要な人員が配置され、サービスが一層ゆき届くよう、注視してゆきます。