女性議員パワーアップ集中講座~LGBT理解増進法、介護保険、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律

先月、女性議員パワーアップ集中講座に参加。
LGBT理解増進法、介護保険、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律と、幅広いテーマについての学習会でした。

◆LGBT理解増進法
○冒頭は、一般社団法人LGBT法連合会代表理事・大手前大学国際看護学部教授 藤井ひろみさんの講演。
本年2月には、岸田首相秘書官による性的マイノリティや同性婚に対する差別発言がありました。
当事者たちは自殺念慮を振り払い生きていくことが大変な社会状況でのこの発言に対し
国際社会からも差別や暴力から全ての人が守られるべきというメッセージが寄せられましたが、
OECD調査では、日本は国際的にもLGBTIの法整備が遅れている。
6月に理解増進法ができたが、国会答弁を同法理解の補足としながら今後どのようにこの法律を活かすかが重要

○続いて、全国フェミニスト議員連盟会員の依田花蓮さんからの当事者としてのハラスメントの事例報告には耳を疑いました。

性的マイノリティには心ない言葉を投げつけていいのでしょうか?
いいはずがありません。

藤井さんもおはなしした通り、性自認・性的指向(SOGI)は個性であり自分の意思で変えられるものではありません。
しかし、そうしたことに理解が及ばず、
SOGIハラスメントのLGBTQの数は非LGBTQの約10倍。この状況は変えなければなりません。

◆介護保険制度
○まずホームヘルパー国家訴訟原告の伊藤みどりさんの講演。
2011年までは人気の職種であったホームヘルパーですが、2012年に超高齢社会に備えヘルパーの無駄な動きをなくすと現場の働き方を無視した報酬改定があり、急減。
最賃も考慮されていない状態です。

人手不足で契約できない介護難民の問題、
社協が休廃止になる問題他様々な課題が表出していること、
それらに対し、介護民営化、人件費等仕組みの部分で解決していく問題提起を現場からしてくださいました。

○続く、市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰 小竹雅子さんからは、介護保険制度そのものについて講演。
・制度がはじまった当初は60-70代の認定も比較的あったが、いまは80歳ごろからの利用が一般的。
更には、2014年度以降、認定を受けても利用していない未利用者は100万人(2割)を超え、そもそもの未申請についても実態が分からない状況。

・市町村の地域密着型サービスを充実させようとするも指定事業者が少ない。
同じく市町村の総合事業サービスについては、介護保険のサービスであるはずが
住民ボランティアでカバーする制度設計も含まれていることがそもそもおかしい

・2001-2019年の在宅サービス利用者をみると、福祉用具レンタルがトップに。
居住系サービス利用者は、介護付き有料老人ホームの増加率が16倍。
対面ではなく物、あるいは無料ではなく有料の支援が伸びている状況であることへの問題提起や、
その他、介護保険制度の様々な問題点を分かりやすくおはなしくださいました。

自治体で地域サービスを充実させる努力とあわせて
おかしいことはおかしいと都や国へ意見することも必要だと実感。

◆困難な問題を抱える女性への支援に関する法律
2024年4月1日に施行される女性支援法について、お茶の水女子大学名誉教授の戒能民江さんが講演。

1956年の売春防止法創設とともに、同法第4条を根拠としている婦人保護事業。

社会の無関心や女性の人権蔑視を背景に66年後にようやく制定された
女性支援法により、婦人保護事業が変わらなければならない。

1日がかりで、生活者ネットワークの同期議員とともに盛りだくさんの内容について学びましたが、
新法のポイント等おはなしくださる途中での退出となりました。
頂いた資料・ブックリスト等参照し、
基礎自治体においては何を明確にしていくべきか引き続き理解を深めます。