高橋幸子先生の性教育に係るオンライン講座に参加しました
最近NHK朝イチにも出ていらっしゃった、高橋幸子先生のオンライン講演会を東村山・生活者ネットワークが主催なさり参加。
(NHKでの放送内容はこちら → https://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/200923/1.html )
高橋先生は、埼玉医科大学の産婦人科医ですが
埼玉県の小中高、大学や専門家むけに性教育をなさっています。
自身も子育て中の親であるところとても関心あるテーマであり、
同じような状況の方々に内容をお伝えできればと、以下簡略に書きます。
性教育はつきつめれば、自分も他人も大切にすること。
自分らしく生きていくため、必要な学びです。
保護者としてできることを書いていますが、議員としてできることもしてゆきたい。
まず、
●いつから伝えるか。
思春期である8~9歳以前。
ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では年齢区分が違い、それぞれの年齢ごと段階的に教えるべきことが提示されているが、最初の区分は5(集団教育が始まるだろう年齢)~8歳。
しかし、それぞれの国に応じて5歳未満でも伝えるというただし書きがある。
(カナダ在住で性教育から性虐待を減少させたと国民栄誉賞を受賞したメグ・ヒックリングさんによると早い子は2~3歳になると赤ちゃんがどうしてできるか質問をしてくるとのこと。
(メグ・ヒックリングさん → http://www.asahi-net.or.jp/~zv6m-ishr/videodoc/meg.html))
性的同意、性の多様性が性教育という先進国と比較して
後進国では避妊や性感染症などいわゆる貧困対策に重きが置かれる。
日本の現状はどうか。
現在、高橋先生は思春期外来を担当なさっているが、若年妊娠や性虐待の被害児が多い。
いつからそうした被害にあっているかヒアリングをすると、小学生、あるいはもっと前の段階からであり、性被害者あるいは加害者にならないよう、小さいころから身体のことを考える必要がある。
●学校教育現場では
日本の学習指導要領では、性に携わることに対してのみ、歯止め要綱がついている。
4年生で月経、射精、5年生は人の誕生や赤ちゃんがお母さんのなかでどのように育つか学ぶ。
中学3年生は、保健体育のなかで性感染症の項目があり、その一環で予防としてのコンドームを教えるが、小中と受精にいたる段階は取り扱わないという歯止め要綱。
先生ごと、学習指導要領は最低限ここまで教えるというもので、それ以上教えたから取り締まられない、また、自分から教えるのではなく生徒が聞いたらそれに答えるのはよいなど様々な考え方があるようだが、
学習指導要領の縛りがない外部講師として高橋先生は学校に呼ばれている。
(ただし、現在内閣府が教材づくり(「いのちの安全教育」)をしているとのこと)
小中学生の保護者は7~8割見学にくるが、
中学生は7%程度。
本来、中学生の性教育講演こそ、保護者が知り家庭でフォローしてほしい。
子どもたちにそこまで教えるのかとの反応に対しては、性虐待の被害を受けたお子さんも実際診ているところ、月経がはじまる目安となる10歳までには伝えておきたいなど伝えると、
それに対してクレームをいう保護者は一人もおらず、よく自分の子に教えてくれたとむしろ感謝される。
家庭でできる性教育としてもう一つ大事なのは、あなたは大切というシャワーをどんどん子どもに浴びせる。
家庭と学校が連携してゆき、子どもを守る大人の社会の目はひとつでも多いほうがよい。
●保護者としてできること
集団で学校に性教育をしてほしいと要望をすること。
保護者からのリクエストであると学校はむげにはできず、一番簡単に学校を動かす。
養護教諭が外部講師を呼びたいと思った際に、まずあるのが職員室の壁(寝た子を起こすなという考えは健在らしいです。これだけ、インターネットに幼児期から触れる時代におかしいですね)、
次は、校長の壁。
次は、講師を誰に、授業確保が難しいなかいつ、予算確保はという壁。
多くの壁があるなかにも、保護者のつきあげがあれば実現しやすくなる。
実現したあとも、「去年やったのに今年やらないのか」「予算をつけて毎年」という保護者のつきあげが継続して必要。
●講演中紹介されていた情報
【本】
・「からだこころ研究所」
20日に発売される、高橋先生の著作です。
先に親御さんが目を通してからお子さんに読んで頂くことをおすすめしているそうです。
・「おうち性教育はじめます」
国際セクシュアリティ教育ガイダンスを発刊する、創始者的存在の村瀬幸治先生が監修。
漫画であれば読めるという親御さんにもおすすめ。
・絵本「あっ!そうなんだ!性と生」
子どもと読みながら学べるそうです。
・「発達に遅れのある子どもと学ぶ性のはなし」
【サイト】
・命育
保護者向けの性教育サイト。
6人のお母さんグループが育児休暇中専門家の監修を受けながら立ち上げたそうです。
【ドラマ】
「17.3 about a sex」
高橋先生も関われたそうです。