春休みを迎えるにあたって:①小学生の居場所

子どもの通う小学校では、昨日が修業式でした。
あっという間の1年間、でも気付けばぐんと成長したこの1年でした。
 
さて、子どもが長期休暇を迎えるにあたり、毎回気に係ることが2点あります。
小学生の居場所の確保と、スマホやゲームとの向き合い方です。
 
こちらの投稿では、まずは、小学生の居場所について取り上げたいと思います。
 
昭島市では、小学生以上対象で活用できる公のインフラは、図書館、公園のほかには、昭島駅最寄りに児童センターと青少年交流センターの2カ所があるのみです。
http://www.city.akishima.lg.jp/210/010/120/index.html
 
昭島市には児童館4館構想がありますが、私が長男を出産した13年前から児童センターは1館のまま。
現実的に考えて、この1館へ市内全域の小学生が自分で通うことは難しいでしょう。
 
特に、共働き世帯にとって、学童が終わる小学3年以降の長期休暇の居場所の確保は非常に苦慮するところです。
民間学童も探してみましたが、その存在を市内で見聞したことがありません。
 
自分が仕事をしている何時間ものあいだ、子どもたちに自由に過ごすよう丸投げするのは心配です。
かといって何かしらの習い事をはしごさせスケジュールを埋めていくのも、親は安心にはなりますが、
経済負担が大きく、何より子どもの権利を考えると宜しくないのではと思っています(本人が主体的に取り組んでいるのなら問題ないのかもしれませんが)。

長期休暇はできるだけ豊かな経験をして、幅をひろげ引き出しを増やし成長できる期間にしてもらいたいと願っていますが、
実際問題そのような公的インフラが身近に見当たりません。

◆そこで、私が子育て政策のなかでも訴えたいことは、子どもが自ら足を運びたくなるような魅力的な場作りです。

その解決策のひとつとして、プレーパーク(冒険遊び場)を位置づけています。
子どもたちが体を動かしながら遊びを創造すること。他者や自然を生身で知ること。
デジタルデバイスによる遊びが主流になっている現代だからこそ、こうした場があることの意味は非常に大きいと考えています。
 
私の子どもは、幼少期から小学校高学年にいたるまで、時々訪れた他市のプレーパークで居心地よく過ごしていました。
先日講演頂いた、世田谷のプレーパークを立ち上げられた天野秀昭さんによると
(講演内容の詳細はこちら ⇒ https://hayashimaiko.seikatsusha.me/blog/2019/03/18/381/ )
プレーパークがあるため、近所に引越しする家庭もあるのだとか。
プレーパークが昭島市にあることは、子育て世帯への大きな吸引力、他市へのアピールにもなり得ると考えます。
 
もうひとつの解決策は、いま市内の各小学校で実施されている、放課後こども教室の運営上の工夫です。
例えば、お隣の福生市では、低学年から高学年までまんべんなく参加し遊び、長期休暇中も開かれています。
地域の方がスキルを子どもたちに披露するプログラムもあるようです。近所に住む方の顔が見えるようになり、また、その方のスキルが活かされますね。
 
一方、昭島はどうでしょう。
長期休暇中に開かれていないことはもとより、授業がある期間も毎日開かれていません。
冬には16時に終わっています。
また、利用する小学生は低学年が多いです。
 
現在、昭島市子ども・子育て会議の市民委員をつとめていますが、今月14日に会議がありました。
この1月に市内の子育て世帯に対してニーズ調査が実施されましたが、先日の会議ではその調査結果が報告されていました。
放課後子ども教室利用理由のトップ、37.9%が就労であるにも関わらず、昭島ではさきほど書いたような状況です。
せっかくある子ども教室というインフラ。もっと運営に工夫ができるならば、親が仕事に集中でき、しかも子ども自身も足を運びたくなる場になるのではないでしょうか。
地域の連携や、多世代の雇用創出にも繋げられる余地があると捉えています。
 

◆私は子育て当事者であるため、必然的に子育て政策について訴えることが多くなりますが、一方、子どもたちにどのような大人になって次世代を担ってもらうかは、子育て世代のみではなく地域の大人が力をあわせて取り組む課題と考えています。世代交代をし彼らが社会をひっぱり創りあげていく際に、どんな大人に育てたかが私たちにはねかえってくるのではないでしょうか。

例えば、昨年1年間で児童虐待被害にあった18歳未満の子どもは1394件と過去最多であるとの報道がつい先日なされました。あるノーベル経済学賞受賞者(シカゴ大学ジェームズ・ヘックマン氏)によると、ライフサイクルのどの時期に公的資金を使うと費用対効果が高いかリサーチしたところ、幼少時であればあるほど高いそうです。

子どもの自己肯定感を育みつつ生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利、すなわち、子どもの権利を大事にすることを意識してすべての子育て政策に取り組みたいと考えています。

大人の都合だけ考えるのではない「子どもに向き合い優しいまち」は、きっと「多様な市民に優しい目線を注げるまち」にもなり得ると思います。

次回の投稿では、スマホやゲームとの関わり方について自分の考えをお伝えします。

※長期休暇を迎えるにあたり、お子さんとの過ごし方で苦慮なさる点、このように過ごしているというご経験談、市にこんな場があればというご意見 他ございましたら、いつでも昭島・生活者ネットワークや林までお寄せ下さい。