春休みを迎えるにあたって:②スマホやゲームとどう向きあうか

子どもたちの集団生活先では、春休みシーズンとなりました。
 
子どもが長期休暇を迎えるにあたり、毎回気に係ることが2点あります。
小学生の居場所の確保と、スマホやゲームとの向き合い方です。
 
昨日は前者について書きましたが、
本日の投稿では、後者について取り上げたいと思います。
 
私には、来月から中学1年、小学4年、年長になる3人の子どもたちがいます。
自由遊びの時間が多い上の2人をみていると、年齢、そのときどきつきあうお友達や流行に、遊びの内容が左右されることが多いです。そのようななかにも、子どもたちの遊ぶ様子を観察したり保護者会での問題提起によると、
高学年になるほどスマホ所持率があがり、
スマホやゲームとの関わりを軸に遊びが展開しているように見受けられます。
 
長期休暇中、一般的には自由時間が増えるだろう子どもたちの
スマホやゲームとの接触時間の増大の可能性とその影響が非常に気にかかっています。
 

大人でも、スマホやゲームに没頭しすぎない、すきま時間にすぐ手にとらないようにするといった距離感をとるのが難しい状況です。

 
◆世界的にみてみると、世界保健機関(WHO)は、最新の国際疾病分類に、ゲームをしたい衝動が抑えられなくなり日常生活や健康にも支障がでる特徴を「ゲーム障害」として追加認定し、スマホの普及に伴うゲーム依存が問題視されています。
国をあげてネット依存治療合宿をおこなう韓国、
小中学校でのスマホ禁止の法案を可決したフランスなど
各国での取り組みはさまざまです。
 
◆日本では、昨年8月には、厚生労働省が、スマホのゲームやSNSなどインターネットの使い過ぎで日常生活に支障をきたす「ネット依存」の疑いが強い中高生が全国で約93万人に上るとも発表。7人に1人の換算です。
 
メリットとデメリットを整理し、
何のために使うのか、どうしたら安全に使えるのか、
子どもと一緒に考える前に渡してしまってはいないでしょうか?
 
昨年4月に警視庁が発表したソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下SNS)を使って事件に巻き込まれた18歳未満の子どもは昨年1年間で1,813年と過去最多。被害にあった子どものフィルタリング設定率が、15.8%と大変低率でした。
 
◆子どもたちが、利用時にインターネットでどのようなコンテンツにアクセスしているかどのように利用しているかという
インターネットモラルの保持が非常に気にかかります。
また、アクセスした情報を適切に客観的に受けとめるネットリテラシー能力を育むことは
インターネットモラルの取得とあわせて大人にとっても大きな課題であると思っています。
 
インターネットモラル、ネットリテラシーがあれば
インターネットほど世界を拡げてくれる道具はありません。
携帯保持は、日常生活のなかでの緊急時のやりとり、所在確認や、災害時のセーフティネットにもなります。
しかし、子どもにまで携帯が普及したのはここ数年のはなし。
 
低年齢からの利用にあたっては、インターネットモラル、ネットリテラシーがなければ
学力・体力への影響はもちろん、いじめや事件にも繋がりうる非常に危うい道具だと考えています。
 
ゲームについても同じです。
楽しい、お友達がやっているからはなしがあう、時間つぶしになる。親にも子どもがゲームするにあたり、親なりの理由があることでしょう。
しかし、動機ばかりに目を向けず、ゲームをすることでのデメリットも
きちんと親子で確認した上で、周りに流されすぎず、まずは各家庭でのルールを
決める必要があるのではないでしょうか。
まわりの家庭にあまりに流されず、何が自分たち親子にとって最善か
考える姿勢を、大人がまず子どもにみせる必要はないでしょうか?
 
我が家では、よく子どもとゲームの運用について話し合いをします。
成長に応じて少しづつ運用を変えつつも、都度メリットとデメリットを何度でも確認しています。
子どもにとってはさぞ煩わしいことと思います。
とはいえ、すぐには子どもの気持ちがついていかなくとも、面倒くさくなり放置するのではなく、毎回真剣に向き合い話しあうことで、少しでも子どもに何らかの種まきがされているだろうと信じたいです。
 
しかし、家庭単位での話し合いはもとより、
地域でそのような情報提供が各所からされ、話し合えるインフラがあればと考えます。
 
◆昭島では、「昭島市教育委員会の事務事業に関する点検及び評価報告書(平成29年度分)」で、「いじめ問題への対応」への取り組みとして、SNSに関わるいじめ問題防止への提言をまとめました。
「情報教育の推進」については、情報モラル教育の推進としてセーフティ教室や学級活動、道徳の時間等で実施、学校だより等で保護者にも情報提供を行うことが具体的に示されています。
 

一方、「昭島市立学校の児童・生徒及び保護者アンケート」調査結果によると

携帯電話やスマホを持つ児童・生徒のうち、SNS家庭ルールを決めている小学生は43.5%、中学生は53.4%に留まりました。
学校〔地域)での取り組みが、家庭にまで浸透していません。
 
◆それでは、学校にだけ全てを任せるのではなく、自分の周りから考える輪を拡げられないかと
昨年友人たちと昭島市「子どもと親の家庭教育講座」の制度を用いて
「ゲーム・スマホ、どう向きあう?」という講演を企画しました。
 
NPO法人青少年メディア研究協会の下田太一さんを講師に招きましたが、
インターネットは私たちの生活に切り離せなくなったものの、
ライフスタイルにどう活用すると幸せになれるのか、
またスマホを持つ場合、持たなければならない理由まで自分で考えてみることが必要であるとの内容でした。
(講演当日利用した教材サンプルはこちら ⇒ http://npoams.org/learning/download/    )
 
◆例えば、八王子市では、市立中学校PTA連合会「ケータイ利用問題対策ワーキンググループ」の支援を通じ、携帯電話等利用実態調査、PTA主催事業や学校行事としての講演活動、親子対談式の中学生ミーティング「ケータイ・スマホがある生活を考えよう」等、子どもや親への様々なアプローチを実施。PTA主導で地域協働の活動モデル作りをしています。
 
家庭、学校、以外にもさまざまなステークホルダー(PTA)が関われることを示してくれています。
 
子どもも大人もともにインターネットモラルやネットリテラシーについて考えるために、地域ではどのような取り組みが可能か。
 
ご意見があれば、ぜひ昭島・生活者ネットワークや林までお寄せください。