2019年12月議会報告(一般質問分)
地球温暖化が進んでいますが、既存の防災体制や治水インフラは温暖化を想定して構築されていません。少子高齢化や孤立化に伴い、自助共助も厳しい状況です。10月の台風19号上陸の際には、防災無線や情報伝達、避難所開設に伴う課題が顕著になりました。
危機感をもっての気候変動対応とあわせ、
◇市民1人1人が当事者意識を持つ
◇高齢者、障がい者、外国人などあらゆる市民が災害時の情報にアクセスできる環境を整える
◇確実に避難できる場を増やす
◇平時から弱者にやさしいまちづくりをし、その視点を盛り込んだ避難や避難所運営をする
など防災体制を今一度検討する必要と考えます。
今回は「地域の防災力を高めよう」について質問をしました。生活者ネットワークがこれまでも提案しつづけてきた災害時の避難所開設運営、待ったなしのトイレ問題。飲料水や生活用水の確保。女性や乳幼児、障がい者、高齢者への配慮の視点をもった体制づくりと意識共有についても合わせて質問を行いました。
(市の動画はこちら。全議員の質問がインターネット配信されています。一問一答(1回目の質問と答弁終了後、何度でも再質問可
映像の36分ごろから一問一答が始まります。⇒ https://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/councilorsearchresult.html?speaker_id=29&search_index=6&fbclid=IwAR0vKGenxR4P2fzfJRCKfZCxHiKtjImFucnT7eeFBVtff9V_veTJSPfja8I )
具体的には、以下の通りです。
◆学校避難所運営マニュアルは各学校ごとありますが、避難訓練に参加していても知らない方が多い現状です。市も広報協力など通じて非自治会員含め各所の避難訓練に参加できる状況をつくり自治会をバックアップ。その際できるだけマニュアルを認知し動ける市民を増やし、市の防災体制の底上げをする。
ポイント☞平成22年度の市民意識調査では、避難所を認識しているのが32.1%。
各地域の避難訓練の広報協力をすることは、避難所の認知、さらには自治会加入率アップにも繋がるのではないでしょうか。また、自治会連合会や各地域の自治会におまかせではなく、市としてどのような防災体制を構築するのか踏まえつつ関わってゆくことも必要と考えます。
◆学校避難所運営委員会に女性はじめ子育て中、介護中、障がい者など様々な立場の方に参画してもらい、訓練を通してマニュアルの検証を行うことで必要な体制を整えていく。
◆自主避難所、二次避難所含め、とくに風水害時には確実に避難できる先や駐車場の確保と、高齢・障がい者など避難行動要支援者が避難できる体制を整える。また医療ケア機器のための電源確保をする。
ポイント☞今回、避難所の収容人数に余裕があっても、駐車場満車で避難所に入れない市民もでました。駐車場・避難所の民間協定を提案。困難性があるとの回答でしたが、その場合、東京都がマンション管理ガイドラインに風水害対策に対する取り組みを追加したように、せめて自助での対処例を平時より伝えること意見しました。
◆市民にハザードマップやタイムラインを認知・活用してもらうよう働きかける。
◆情報を届ける。またどのような発信ルートがあるのか平時よりしっかり周知する。
ポイント☞災害時協定を結んでいる「エフエム立川」を風水害時には確実に機能させ情報弱者をなくすよう周知すること、さらには発信内容に避難所駐車場の満車情報、ペットの情報、川の様子など含め頻繁な発信の検討を意見しました。
◆自校式給食調理場を災害時のリスク分散のため炊き出し拠点として考えることを確認。
◆トイレの設置、授乳支援など国際的な最低基準とされるスフィア基準並みにする。
ポイント☞現在、スフィア基準では20名に1基、内閣府は50名に1基、東京都・昭島市は75名に1基です。しかし、過去日本各地での避難所での関連死の状況をみると、安心して使えるトイレ確保は最重要事です。個数はもちろん、男女比(1:3)、照明設置など、トイレについては細部にいたるまで検討すべき事柄が多いこと指摘しました。
ポイント☞授乳支援につき、市の方針の有無、また方針ある場合関係者にしっかり共有されているか確認しましたが、今後の課題であるようです。公益社団法人東京都助産師会北多摩第一分会との協定等活用した授乳支援の体制づくりを求めるとともに、以下意見しました。
・母乳育児をしている方:安心して継続できる環境づくり。母乳を継続することで、ミルク、水、熱源などが必要不可欠なお子さんに限られた資源を回せると同時に、東京都の「災害時に備えて知っていますか?ミルク」にあるように感染症予防にも役立ちます。
・粉ミルクを利用している方:備蓄品でお湯はまかなえること、現在の備蓄品にアレルギー対応がなされていないことを平時より周知する。
・今後液体ミルク導入が検討される場合:保管先に注意の上、利用時の注意点や被災者が準備する備品を周知する。
防災については、他にも検討なされなければならない事柄が多岐にわたりますが、命にも関わってくること。今後も昭島・生活者ネットワークは継続して取り組みます。
※日常的な発信はFacebookを活用しています。
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