2021年第1回定例会:2.子どもの生きる力や地域を育む学校給食にしよう

女性の生きやすいまちづくりに続き、学校給食の一般質問について報告をします。

【質問にいたった経緯】

学校給食は心身とも健やかに人生を豊かに生き、文化を継承するための礎となります。

また物資調達で何を選ぶかで、持続可能な社会を育む牽引役にもなります。

この数十年で、各家庭のライフスタイルや経済状況、食に係る社会状況に劇的な変化が生じており、学校給食に大きな期待が寄せられていることは間違いありません。

学校給食は自治体レベルでよりよい在り方を常に模索できる分野であり、

また、令和3年度から小学校8校分(東小・共成小・玉川小・中神小・成隣小・光華小・拝島一小・拝島三小)の給食をつくる共同調理場第一調理室の調理業務の民間委託が始まる節目でもあり質問をしました。

【①共同調理場第一調理室の調理業務の民間委託について】

運営方式変更について触れられた学校給食運営基本計画素案へのパブリックコメントの回答99件中32件が、民間委託に係る疑問を呈するものでしたが、パブリックコメント締切り前に競争入札が始まり、また保護者に対しては2月最終週に手紙が渡されたのみです。

自校式と異なり大規模な共同調理場でもあるところ、民営化までの協議プロセスを丁寧に進めることで不安払拭に繋げられたはず、さらには市民と活発なコミュニケーションをとることで食について考えを深める食育の機会にすることもできたはずと遺憾ではあるのですが、来月からと差し迫る運営方式変更について以下確認をしました。

・学校給食の内容を維持するための工夫と、5年間に渡る契約中に問題が生じた際の対応。

・委託後児童生徒向けのアンケートを実施し、調理上の改善が必要と判断した回答はその後の業務に反映するか。

・栄養士と調理現場との意思疎通が、調理現場チーフ1人に限定される。調理規模が大きいところ不都合が生じないようどう対応するか。また、アレルギー対応の安全性低下が心配であるが、従来のアレルギー食を確実に提供するか。

・効率性を重視し手作りを回避する冷凍食品、カット野菜の多用など質を落とさないか。

・4月に改訂予定の物資購入基準書の質は落とさないか。

・災害時対応について、訓練を実施するか。

・小学校自校式について、今後の民間委託の考えの確認。

●答弁はいずれも問題なしとの認識にたったものでしたが、

「あくまで調理業務に特化し、献立作成、食材料の選定・発注、味付け確認、食育推進は引き続き市の栄養士が担う。質が落ちることはない」と言い切る姿勢にまず疑問を感じました。

過去中学校の自校式の調理業務部分が民間委託となった際、生徒に2回アンケートをとっています。1回目は、美味しくなくなったとの回答もありました。

2回目のアンケート結果では改善が伺えるものの、現時点で「前と変わらない」と確たることはいえないはずです。

どのような懸念があり、それに対し具体的にどう対処するかの答弁が欲しかったです。

調理業務部分のみの委託とはいえ、これまでとは日々の調理現場でのコミュニケーションのあり方から変わります。

「問題なし」の姿勢で質が担保できると私には思えません。現在の給食の内容の維持に向けて尽力頂きたい旨意見しました。

●また、小学校の自校式の民間委託もゆくゆくは検討する必要があるとのこと。そのときには、もっと前広に、市民ふくめて丁寧な協議をしてほしい旨意見しました。

例えば、年明けに勉強会にいった武蔵野市では、過去に市報で学校給食特集号をだし、調理場の建設工事についてアナウンスし、いかに市民に伝えるかに腐心していました。発信ひとつとっても、市民に説明をしいかに安心してもらえるか考えたとき、工夫して様々な手段がとれるはずです。

民間委託開始後も、学校給食を注視してまいります。

●一方、物資購入基準書については、生活者ネットワークの先輩議員たちが訴え続けてきた食品の安全性を第一に

・放射性物質の記述は、国の基準に加えて納入業者は各都道府県が行う検査結果を注視する。

・遺伝子組み換えをおこなっていないものに加えて遺伝子操作をおこなっていないものとする。

・フルーツ缶、デザート類はブドウ糖果糖液糖を使用していないものと追記する。

・豆、豆製品は国内産原料に限る。遺伝子組み換えでない大豆を注記する。

など、従来より踏み込んだ記述に見直し中であるとのこと。高く評価します。

【②地産地消を進めよう】

地産地消は、気候変動を低減させる環境保全、避難空間ともなる農地保全、フードマイレージが小さいことでの食材の新鮮さや環境負荷軽減、何より顔のみえる生産者であることの安心感・親近感など利点は多岐に及びます。食育とも切っても切り離せません。

また農薬が農家や環境・生物へ与える負荷、子どもたちが食する安全性を考えると、地産地消でかつ有機であることは非常に利にかなっています。

コロナ禍で、小さな顔の見える経済の重要性を一層実感しますが、一方市内の農地面積や農業人口は減少しています。学校給食から減農薬の地産地消を進めることで人・環境・生き物にやさしい持続可能な昭島を目指したく質問をしました。

地場野菜の納入

農家側の課題は、学校給食の食材として納品する品目と量とおりあいがつかないことと、納入先が分散しているところ他所の直売所に納品する時間と重なることが課題。

品目と量の課題は、自校式は需要と供給がマッチングがしやすく課題へ対応しやすく、昨年7年ぶりに自校式で地場野菜利用。

今後は共同調理場含め、関係者と話し合いをし、課題を整理しながらなるべく使っていく形で調整中であるとのこと。

親子式への納入の考えも確認をしたかったですが、いずれにせよ、納品先が分散することでの配送の課題にいかに対処するかが求められます。農家としっかりコミュニケーションをとって課題解決に取り組んで頂きたい。

減農薬推進事業

市民部と連携をし学校給食から既存の減農薬推進事業を拡充する考えがあるか確認をしました。

市の総合基本計画でも有機農業の推進がうたわれています。関係部署で連携をし、農家の意思を尊重するのは必要ですが、市の施策としていかに有機を拡充するか農家とコミュニケーションをとり考える必要があります。

市民部は、減農薬推進は消費者に安全安心は農産物の提供をおこない環境負荷の低減もおこない、大変重要と答弁。

時間がなくなり、詳細を伝えられませんでしたが、例えば日野市では、学校給食と産業振興が連携して 「地元野菜等の学校給食供給事業」を実施しています(市が減農薬も視野にいれて、栽培農家に堆肥や種子を配布し、支援品質・価格等について指導する。農協は供給状況を把握し、全量供給を目指す。市は契約書で取り交わした数量を全量購入し、補助金もだす)。

市でも、ぜひ学校教育部と市民部が連携をし、農家ともしっかりとコミュニケーションをとり、持続可能な昭島市をめざし課題解決に取り組みながら市の施策として積極的に減農薬に取り組んでほしい。

※質問できなかった部分は、その後の予算審査特別委員会で取り上げました。

【③食育の更なる取り組みについて】

世代間で食の知恵が伝承されづらく、選ぶ目・作る力が失われつつあることは食生活指針や食育基本法からも読み取れますが、生涯にわたり健やかに生き、また持続可能な社会をつくる消費者となるために必要不可欠な見識、生きた経験が得られるよう食育に一層力をいれて頂きたく、以下確認をしましたが、再質問時間が残りませんでした。

・次年度以降の食育の変更点。

・食育の要となる栄養士で会計年度任用職員もいますが、この雇用形態が続くかの確認。

・学校敷地や近隣農地、生産緑地を活用し地元農家や地域の方々とも進める生きた食育について。

・その日の給食写真や献立メモをSNS等通じて発信する意思の確認。

他の機会を捉えて確認します。

議員1人の質問持ち時間は60分。
1回目の質問と答弁が一通り終わったあと、
一問一答の再質問は、36分過ぎから始まります。