2021年9月定例会 一般質問 ①一人ひとりに届く防災・減災対策について

昭島市市議会のURLより、9月議会一般質問の映像が配信されました。

https://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/rd/schedule.html?year=2021&council_id=36&schedule_id=1

議員の持ち時間は60分、一回目の質問と答弁終了後、32分ごろから一問一答の再質問が始まります。

今回は、大綱3点質問をしましたが、

大綱ごと、投稿を分けて報告させて頂きます。

まず、大綱1 一人ひとりに届く防災・減災対策についてです。

【質問の経緯】

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、最新の研究成果に基づく地球温暖化の現状や予測について先月報告書を公表しましたが、異常気象への温暖化の影響が科学的に示されました。人間や生き物の命の危険、深刻な健康被害への影響、食料問題悪化など、持続可能な社会の実現が危機的状況です。

国立環境研究所 特別研究員などの研究グループは、IPCCの温室効果ガスの排出シナリオなどに基づき、日本周辺の海面水温の将来的な変化を解析しました。この30年、日本周辺の平均海面水温は上昇が続き、去年は、広範囲で30度前後に達し統計史上最高でしたが、これを超えるような海面水温は2031年から2050年ごろには2年に1度以上の発生頻度見込みとなることがわかりました。これは、「パリ協定」の目標である、産業革命前からの世界の平均気温上昇の1.5度抑制を達成しても避けられない可能性が高く、海面水温が高くなると、台風が勢力を落とさず日本に接近し上陸するリスクが高まること指摘しています。

今後は更なる豪雨・台風多発が見込まれ、日頃から市民に届き、緊急時に混乱が生じないよう出来る限りの対策を勧める必要ありと取り上げました。

【細目1 新型コロナウイルス感染症対策を伴う避難所運営について】

避難所での感染症蔓延は避けなければなりません。

私たちがいま避難をしなければならないと仮定したとき、感染症対策もしての避難所運営が避難者主体でできる状態か確認しました。

◆新型コロナ感染症対策を含んだ各学校避難所運営マニュアルについて
昨年度、防災課が作成した感染症対策を含んだマニュアル素案をもとに、市内の小中学校14校において避難所運営訓練を実施。

コロナ禍で訓練での検証等踏まえたマニュアル改定に至っておらず、市民への周知はマニュアル確定後との答弁でした。

しかし、災害はいつ起きるか分かりません。感染症対策をともなう運営は混乱が予想されます。

また、避難所運営委員のみでの避難所運営は困難であり、避難した市民全員が運営に当たれるよう事前の市民含めたマニュアル共有や訓練が非常に重要です。書面等工夫して早急なマニュアル改定を求めました

◆感染疑い者への対応について

専用室の有無について確認をしました。

各学校で別室を決めており、その認識は学校避難所運営委員会のメンバーにも浸透しているとの答弁でした。

国の本年6月の「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドライン」によると、発熱者等及び濃厚接触者に専用スペース・トイレ・動線が確保できない場合は、対応可能な別の一般避難所等への避難を推奨・案内し、さらには専用避難所の別途開設も推奨とあります。

コロナ対応を考えた際に、従来よりスペース確保が要される状況であり、市内の避難所のキャパシティは充分か確認をしました。

難しい状況であり、民間施設含めた様々な施設での避難所確保つとめていくとの答弁でしたが、

特に水害想定エリアでのスペース確保を念頭に、避難したい人が確実に避難できるようして頂きたい旨意見しました。

・感染疑い者に対し、体調をみたり看護できる人員は確保されているか確認をしました

保健所と連携をはかる他、必要応じて緊急要請を行うことでの対応を考えているとの答弁でした。

災害発生時に6自治体を管轄する立川保健所と連携がうまくとれるのか懸念します。

また、国のガイドラインでは、定期的な見回りや急病人の把握 については保健師等による巡回体制とも記載されています。

市では、保健師巡回は考えていないようでしたが、避難所運営に関わる人が巡回や看護をできるかというと非常にリスクが高く、様々な事態をシミュレーションして必要な対応はお願いしたいこと意見しました。

◆コロナ対策で新規購入した備蓄品について

大型扇風機、非常用発電機、ダンボールパーテション、コードリール、タブレット(対策本部が避難所の状況を把握するために活用)、衛生用品(ごむ手袋、ペーパータオル等)購入とのこと。

検査キット、パルスオキシメーター、消毒、水等について備蓄の考えを確認しました。

・感染者が一般の避難所にくることは想定していないが、調子が悪い方も含まれる可能性もあるので更なる感染状況を踏まえながら物品用意をする。

・水については、学校避難所については、体育館の水も利用できる。

・避難時における避難用品を各自用意してほしいとお願いしている。

との答弁でした。

特に、水については、スフィア基準で手洗いによる衛生促進は非常に重要と位置づけています。雨水を活用できる仕組みがあれば防災力が高まること意見として伝えました。

◆マニュアル改定後の周知法について

・円滑な避難所設営のため、コロナ対策含む避難所開設キットを用いる考えがあるか確認をしました。

昭島の各避難所マニュアルは、それぞれの事情を反映しており共通的キットをつくることは難しい。

ただし、誰でも避難所をたちあげられるよう、簡易備蓄倉庫に現在作成しているマニュアルを設置し

避難所設置できる流れも記載しているため、そちらをみて避難所設営するとの答弁でした。

誰がみてもすぐに開設できる取り組みをするよう意見しました。

・また、訓練実施が難しい場合の共有法として、避難所設営の動画配信に取り組む考えがあるか確認をしました。

市では、昨年避難所設営のデモストレーションをしたときの画像をすでに昭島市動画チャンネル「あきしまDays」に載せており、立ち上げについては、詳細が決まればそうした形での市民への周知に重点をおいてゆくとの答弁でした。

設営でモンストレーションについてはすでに配信がなされていることも含め、市民へ周知お願いしたい旨意見しました。

※市の該当動画のURLです → https://www.youtube.com/watch?v=d6xLYdnUFC4

【細目2 当事者意識を持つための実践講座・訓練の開催について】

令和元年実施の市民意識調査によると、ハザードマップを確認しているのは17.6%、近所や自治会の人たちと避難方法などを確認しているのは6.7%、避難場所を確認しているのは41.2%、備蓄品を備えているのは45.1%でした。

平時から、市民一人ひとりが地域特性を認識した上で避難行動のシミレーションをしており、いざというとき命を守れるか懸念します。

この事態に対し、市では、ハザードマップの全戸配布、まるごとまちごとハザードマップ、広報あきしまでの風水害に備える記事掲載など様々な取り組みはしているのですが、一層の働きかけについて質問をしました。

◆市民がマイタイムラインを確実に作成するような働きかけについて

市では、ハーザドマップの情報面にマイタイムラインの作成について掲載しています。

https://www.city.akishima.lg.jp/s019/010/010/030/100/20140911132941.html

しかし、昨年ハザードマップ全戸配布後に昭島・生活者ネットワークで防災について市民の皆さんに電話アンケートをした際、

そもそもハザードマップを認識なさっていない方もおり、お届けしたこともありました。

市では他にも広報あきしまなど通じて風水害時の避難につき周知を図っています。

避難行動チャートも分かりやすいものですが、それをもって実際の作成までいくかおぼつかず、訓練も実施できない状態です。

他の手法でできる働きかけは何かと考え、地域特性ごとにタイムライン作成を促す動画作成を提案しました。

現在、東京都が防災アプリなどで作成手順の動画配信をしており、市のHPでそうしたものを周知したり

市独自のものも検討との答弁でした。

◆学校や地域での当事者意識の醸成について

市民意識調査によると、防災訓練の実施を市に求める声は2.9%です。

自治会以外の住民に対し、今後防災への参画をどのように促すか考えるとき、まず、学校に注目しました。

・環境基本計画案でも小・中学校での防災教育などの場で、ハザードマッ プを用いた防災啓発をあげています。危機管理部と環境部とも連携しての防災出前講座の実施について確認をしました。

昭島消防署に依頼をし大規模地震発災時の身のまもり方について体験的な出前講座をしている小学校や、地域合同防災訓練で昭島消防署員の講話や自治会主導の防災クイズを実施した中学校など様々な取り組みがすでになされており、現在も出前講座はしているが、今後学校や地域と情報交換をし検討するとの答弁でした。

私自身、以前市の出前講座に参加したことで、地域の特性を知り、防災意識を高めるきっかけにもなりました。

昭島の特色を知らせる防災出前講座に意義があると思うので、防災教育の選択肢のひとつとして考えてほしい旨意見しました。

・次に、被災時運営の担い手になるであろう地域住民との長期休暇中の給食調理場での炊き出し訓練について確認をしましたが、

訓練はいまもしているところ、新たな調理場ができれば定期的に実施をし、具体的な方法は今後検討との答弁でした。

【細目3 多様な避難者への配慮について】

◆避難所運営委員会の構成について

学校避難所運営委員会の女性比率アップについて、2年前の一般質問でもとりあげました。

当時、広く声かけをしたり市も支援との答弁でしたが、コロナ禍でもあったとはいえ、過去3年の比率は概ね変わりません(平成30年度の集計では約22%、令和元年度は約24%、令和2年度は、約23%)。

内閣府の避難所運営ガイドラインでは、女性の避難所運 営への参画は、避難所の質の向上につながり、運営委員の3割以上女性が望ましいとしています。

今後の市の取り組みの確認をしました。学校避難所運営委員とも相談をし、市職員も避難所運営委員にいるのでしっかりバックアップするとの答弁でした。

例えば、性被害について、阪神淡路大震災で大きく取り上げられましたが、その後東日本大震災でも改善されず、大きな問題となっています。避難所運営に女性(女性といってもいろいろな立場の女性)、高齢者、障がい者等、様々な人が関わることで多様性により配慮でき避難所の質があがると考えるので大事にすすめてほしい旨意見しました。

◆母子避難について

授乳支援について確認をしました。

2年前の一般質問でも取り上げたのですが、スフィア基準や東京都では、感染症予防のために母乳を続けることを推奨しています。

母乳をあげている御家庭は安心して継続できるよう改めて求め、また、液体ミルクの活用の際には飲み残しは捨てる等液体ミルクに特化した注意点の周知を求めました。

液体ミルクの活用については、市も1回で飲みきる活用を考えているとのことですが、周知が必要であると考えます。

・助産師等と連携しながらの母子避難所については、市としては、安全を確保するために一次避難所である学校避難所に、妊産婦や乳児も避難することが基本で、学校避難所では、備蓄しているパーテーションの利用や必要に応じて校舎の空き教室などを使用し、必要応じて協定締結先の東京都助産師会北多摩第一分会に、避難所への助産師の派遣を要請するなど対応を図るとの考えでした。

派遣に加えて、市内で対応可能な助産院、出産病院があれば受け入れ先として調整検討できるか重ねて確認をしましたが、

避難所でどうしても対応できないときには救急要請の対応を検討との答弁でした。

助産師派遣について、実際に災害時派遣が可能な状況であるのか分かりません。様々なケースを想定する必要があります。

最初から開設されない福祉避難所もそうですが、一次避難所を経由せず自分にあった避難先があることで助けられる市民も確実にいるはずです。

様々な調整事項があるかとは思いますが、安全な避難行動をするために必要なことを引き続き検討して欲しいと思います。

◆避難が長期化すれば、子どもの遊び、学びの保障の視点が欠かせません。東京都では子ども基本条例も制定されたところ、避難所運営に子ども視点が入っているか確認をしましたが、学校避難所運営マニュアルでは、遊戯室や勉強室を事前に計画するように定めているとの答弁でした。

◆二次避難所はすぐに開設されないところ、一次避難所での電源確保について確認をしました。

一次避難所を含め全ての避難所において、停電時に医療機器等の精密機器が使用できるようインバーター機能が付いた非常用発電機を昨年度導入との答弁でしたが、

停電になった際の対応、夜間のトイレ照明等様々な状況を考えても、確実に呼吸器等必要な方の電気を届けられるべきと意見しました。