第2回『市議会議員がスウェーデンの主権者教育を学び、日本の学校や地域で活かし、社会的な課題に自由に意見や議論しやすい民主的な社会にしていくための研修会』 に参加しました

連続講座第2回目『市議会議員がスウェーデンの主権者教育を学び、日本の学校や地域で活かし、社会的な課題に自由に意見や議論しやすい民主的な社会にしていくための研修会』
に参加をしました。
講師は、スウエーデンにお住まいのリンデル佐藤良子さん。
朝日新聞に掲載されていた佐藤さんの記事を今春読んだときには
市議会議員向けにレクチャー頂く機会に参加できるとは思っていませんでしたが、
今回、地方自治体議員で構成される「未来をソウゾウする政治プロジェクト」と
デモクラシー・ラボさんが、このような機会をつくって下さいました。
( 該当記事はこちら → https://www.asahi.com/articles/DA3S14902963.html… )
まず、日本に輸入した民主主義という制度をしっかり根付かせるための
「主権者教育」という言葉は日本にしかないそうです。
日本で主権者教育と呼ばれるものを実践するにあたり、
スウエーデンでの形だけ真似をするのではなく、
スウエーデンで根付かせた、そのプロセスを知ることの重要性について冒頭話されていましたが、
保育園、小学校、中学校、高校、大学それぞれで
授業外でも常に民主主義が根底にあることが分かりました。
レクチャーのあと、2-3人に分かれ、2つのワークを実施。
1つめは、「ふくろうカード」という、スウエーデンのある小学校で各クラスで3ヶ月ぐらいほぼ毎日、昼休みに行っていたカードを使っての対話。
手元にあるオランダの「てつがくおしゃべりカード」や
コネクションプラクティスを実践する方から紹介頂いたカードが
あわさったようなワークでした。
2つめは、スウエーデンの学校で使われる指南書(リンデル佐藤良子さんも翻訳に携わった書籍「政治について話そう!」)にもある
議会議員が学校を訪問するときに考えられる「期待と懸念」を挙げるワーク。
(該当書籍はこちら → https://alpaca.style/books/prata-politik/ )
いずれも、実践することで自他の考えが分かり刺激になり
考えを深めることにも繋がりました。
こうしたことを日常的に実践していれば
対話力や違いを認める人権意識は醸成されますね。
連続講座の最終回も楽しみです。
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以下は、印象に残った言葉です。
◆教育政策を政治家がはなしあった結果、科学的・学術的に考えること(ニュートラルに考えること)、批判的に考えること(クリティカルシンキング。常にこれで信じていいのが疑う)を重視。
そうでないと、民主主義であってもいつ変形しておかしなことになるか分からないことが第二次世界大戦の教訓としてある。
◆自分のままでいる、自分の利益を守る、自由でいるため、皆の違いを認め妥協点を見出していく。
◆スウェーデンが実践しているのは、熟議デモクラシー。
意見が異なっても話し合いを続け、物事を決定していく。
決定しなくともそのプロセスのなかに学びがある。
◆学校は社会を映す鏡であるが、
熟議民主主義、熟議デモクラシーを根付かせる役割が先生にある。
◆スウエーデンの学校が掲げる「基本的価値」5つ
・人生は神聖なものである
・個人の自由は侵し難いものである
・人間は平等である
・あらゆる性は平等である
・弱者との連帯
◆21世紀型能力(非認知能力)を重視。
人とコミュニケーションをとりながら何かをつくる力。
暗記が目的ではなく、人とわたりあう、こだわらず社交的にやっていく、ソーシャルスキルを含む力。
自分のいうことに固執していたらはなしが進まず、この能力が市民社会を形成する。
スウエーデンは皆で協働し社会としての強さを保ち、国家戦略にかなった学校での実践がある。