子どもの権利条約フォーラム2021inかわさき(「知ってほしい!子どものSOSとその支援」)に参加しました

子どもの権利条約フォーラム2021inかわさきの2日目、分科会にオンライン参加しました。
いくつもある分科会テーマから選んだのは、
「知ってほしい!子どものSOSとその支援」です。
①川崎市こども未来局こども家庭センター副所長による「児童相談所の役割と支援の実情」
②NPO法人フリースペースたまりば理事長 西野博之さんによる「子どものSOSのサインとその支援について」
③かわさき里親支援センターさくら関係者による「新しい家族のカタチを知ろう」のおはなしがありましたが
①、②について集中的に聞きました。
最近、子どもの不登校、自殺数が過去最多の報道に衝撃を受けました。
コロナ禍で大人が生きづらくなっており、
そうなると否応が無く子どもも生きづらくなります。
このところ、周りで気にかけたいお子さん方の様子を、
直接あるいは人づてなりで聞きます。
その子がいまどんな状況で、
SOSのだせる先はどこで、
どんな支援が必要で、
どうしたら必要な支援に繋がるのかと
歯がゆい思いです。
西野さんのおはなしはいつも、
そもそもの子どもを取り巻く環境整備の必要性から、
私たち大人がどんな心持ちで子どもと接すればよいのかまで
基本に立ち戻り考える機会をくれます。
※以前、視察でお話を伺った際の報告です。↓
川崎市子ども夢パーク視察 | 林まい子 (seikatsusha.me)
命を守るため何が必要なのか、常に考えねばと思います。
****
以下、
自分の備忘も兼ね、
講師の方々おっしゃっていたことを書き出します。
「児童相談所の役割と支援の実情」について
◆児童虐待件数自体も、平成28年から令和2年の推移をみるとおよそ6割増。
現在虐待相談が6割をしめる状況。
子育てしやすい環境整備に努めていかないといけない。
◆家庭が子どもにとって安全安心を感じられる場所になっていない場合、
自分ではコントロールできない、あまりに耐えがたい体験が続くと
子どもは自分を守るため感覚を麻痺させようとする。
それは大人になっても続く可能性がある。
◆虐待について打ち明けられることに大人もなれていない。
そんなことはない、考えすぎであると直面できないことがあるが、
大変な思いをして打ち明けている。
虐待のはなしを子どもから聞いたら「まずは相談をしてくれてありがとう。勇気をだしてくれてありがとう」と子どもの声をしっかり評価し、声を受け止める。
◆虐待は早めの対応が必要である。早いほど解決は早い。
大人と愛着関係を構築できないと、対人関係の構築が難しくなったり、
低い自己評価、
無気力・活動性の低下、不安、身体症状
などに繋がる。
児童虐待によって脳が傷つく研究結果もある(ただし、適切な関わりや養育環境のなかで充分に回復する)。
子どもが健全に育つためには、まず親が健全である必要がある。
どの子どもも保護者も力を持っているが、
家族だけ、子どもだけで頑張れでは解決せず、支援が必要。
「子どものSOSのサインとその支援について」について
◆新型コロナの感染拡大で先のみえない不安があり、
友達ができない、学校が楽しくないと、不登校・ひきこもり相談が増加。
文部科学省の公表データによると、中学生の24人に1人が不登校。
◆少子化が進むのに、なぜか子どもの自死が過去最高。
◆感染対策は、人と人との接触や会話を減らすことであるが、
自死対策は、孤立を防ぐこと。
相反する状況が、子どもの生きづらさをうんでいる。
◆貧困(ネグレクト)と、親の過干渉に二極化しやすいが
いずれについても子どもはストレスをためる。
◆川崎市が子どもの権利に関する条例を制定した際には
子どもの権利なんて与えるとわがままになる、
権利を与える前に義務を教えろという大人の声が非常に多かった。
しかし、2年間に200回以上の会議と集会を開催し分かったことは、
自分の権利を守られた経験を通して他者の権利を考えるようになる、
自分の権利が保障されるためには、他者の権利も同様に大切にされないといけないという権利の相互尊重が重要であること。
まず守られた権利がなければならず、義務より権利であるということ。
子どもは待っていても相談にこない。
SOSをキャッチできるアンテナをたてる。
川崎中学生死亡事件がかつて起きて、西野さんも検証委員となったが
被害者も加害者もうまないため、提言としてだしたのは
地域に遊び場、子ども食堂など、大人と子どもがであえる場があり
そこで子どものSOSをキャッチできること。
◆子どもの問題行動の背景にあるものに想いをめぐらし、
めんどうくさいことを手放さない。
自分のはなしをしっかり聞いてくれる大人の存在を身近に感じることができたとき
子どもははじめて自分の問題に向き合おうとすることができる。
ウソか本当か、正しいか、正しくないかにこだわりすぎると話を聞けない。
大切なのは子どもから選ばれる大人になること。
◆問題行動に対し、反省文を書かせて、指導終了ではない。
先生に評価される模範的文章を作文して終わってしまうが、
問題行動の背後にあるものを考える時間とスキルを手に入れる。
気になる子どもにあったとき、まず福祉的課題を理解しようと背景を考える。
◆不登校について、学校にいかない理由は自分でもわからないことがある。
理由が分からないから、苦しい。
身体に反応が出ているときは、身体の声を聴くしかない。
不登校児童・生徒には
自分にとって意味ある時間だったと思えるように支えることが大事で
おどしような叱咤激励よりも「大丈夫」という安心のタネをまく。
◆不登校に関する文科省の考え方は、
不登校は問題行動ではなく、不登校児童生徒は悪いというのは根強い偏見であるというもの。
この考え方は全国の教育長に通知されている。
教育機会確保法が制定された。
各自治体で必要な措置をする。
学校以外で学び育てるようにする。
不登校児童生徒が通えるところは、
公設公営の教育支援センター
民間のフリースクール、フリースペース(川崎には無料で通える公設民営のフリースペースえんがある)
図書館・児童館
まちの寺小屋、子ども食堂、塾
家庭でのホームスクーリング。
タブレット学習を出席として認める事例も増えている。
どこで学んでもよい。
教室にじっと座っていられない子どもは
困った子ではなく、困っている子。
学校不適応児ではなく、子どもに適応できていない学校教育の課題。
その子が持っている得意な分野に光りをあて、
一人ひとりの背景やニーズにあわせた多様な学びと育ちを保障する環境づくりが必要。
◆子どもの怒りの感情を理解するためには、
言葉にできず、怒りを爆発させるのではなく
気持ちを表す言葉をたくさん獲得する。
◆子どもと関わる大人に求められることとしては
自分の怒りのコントロールが大切で、自分のものさしを疑う。
◆居場所や、安心して失敗できる環境づくりが大切。
子どもの育ちには、無駄にみえる時間やスキマも大事。
◆親の心配・悩みについては
まだ起きていないことで悩まず、
問題が起きてから、具体的に悩む。
ゴールを設定して、逆算して心配する癖から遠ざかる。
子どもが今もっている力で、今を生きる。
◆自立が叫ばれるようになり孤立が増えた。
自立とは一人で何でもできることではなく、「助けて」が言えること。
人に依存できる力が自立に必要なこと。
◆子どもは安心できる居場所のなかで「だいじょうぶ」に包まれると
自然と欲がわき、自分の頭で考え、自分の足で歩き出す。
子育てで大切なことは、おとなの肯定的なまなざし。
子どもの好奇心の芽をつまない。
子どもの力を信じ、子どもが自ら伸びていこうとすることの邪魔をしない。
正解はひとつではなく、その子が動き出すタイミングを待つ。
本人がその気にならないと動かない・続かない。
急がば回れは実は時短。
できなさに注目するのではなく、できるところに光をあてる。
多様な選択肢を用意する。
◆子ども・若者に関わる大人が手に入れたい「子ども観」は
「生きているだけですごいんだ」。
存在を根付かせる、繋がりを生み出す取り組みが必要。
◆大人が幸せでないとこどものSOSをひろえない。
社会的養護必要なこどもたちが一杯いる。
身のまわりにいるSOSを分かりやすく発している子を困った子として排除するのではなく、
キャッチしてそばでその子の辛さを受け止める私たちでありたい。