総合基本計画の基本構想審査特別委員会が終了しました

昭島市では、令和4年度から、市の最上位計画である総合基本計画が改定されます。

(以下は、総合基本計画(案)

https://www.city.akishima.lg.jp/s004/020/020/040/030/20190326102530.html )

2011年の地方自治法改正により、基本構想の策定義務はなくなりましたが、

昭島市としては計画なしのまちづくりは考えられないと市民に意見を頂きながら策定作業に当たっているところ

案文について今回審査特別委員会が開催されました。

今後、総合基本計画の構成は、

10年間にわたっての目指す姿と、その実現に向けたまちづくりの方向性を示す「基本構想」

前期、後期と分けた5年ごとの「実施計画を含む基本計画」の二層構造となります(従来は三層構造)。

他にも、表現を定性的から定量的なものに変える等 大きな変化もありました。

この変化に伴い現総合基本計画との比較作業をしながら、

議決を図るこの貴重な機会を用いて重要なキーワードは確実に盛り込み

今後10年にわたる市と市民に共通するまちづくりの基本方針として

誰がみても明確に市の目指す姿が理解できる、

また、今後関係者が変わっても各種施策の取り組みにあたり何をすべきかの後ろ盾になる

よりよい基本構想になればという想いで審査に臨みました。

一緒に質問を考えてくださった、青山秀雄議員、篠原有加議員、生活者ネットワークメンバーにはどうもありがとうございました。

具体的には、以下の着眼点から質問をしました。

【全体について】

◆2011年の地方自治法改正により、基本構想の策定義務がなくなったが、この改正に対する市の考え、総合基本計画・基本構想それぞれが果たす役割や意義を確認。

また、この総合基本計画のあり方を捉え直すチャンスを活かし、自治基本条例や総合計画条例策定に繋げる考えについて確認。

◆現計画では、政策指標について現状値とともに5年後、10年後の目標値を設定しているが、

次期計画では現状値のみ。第三者が客観的に達成度を判断できるよう目標値を定め定量的であるべき

あわせて、

・基本施策に対し現状確認する項目に違和感があるものがあった(例:学校教育の自己肯定感・自己有用感の指標や文化・芸術鑑賞機会を増やす指標)。見直しが必要であること指摘。

・パブリックコメントで具体性にかける等意見がでていたがパブリックコメント実施の際に政策指標等は開示すべきこと指摘。

【まちづくりの理念と視点について】

◆まちづくりの理念について、現行計画に引き続き「人間尊重」と「環境との共生」であるが現行計画と比較すると表現が簡潔になっている。

昨今の社会状況を鑑みて、丁寧に言葉を尽くすべき。

◆まちづくりの視点について、7つの視点のうち「心豊かに過ごせるまちづくり」の心豊かの意味の意味するところを確認(文化的な視点であることを確認)。

あわせて「子育てしやすいまちづくり」の視点は、実施計画上子どもの権利について触れられているにも関わらず、大人目線であり矛盾を感じることを指摘。

【施策の大綱】

◆まちづくりの前提である、市民との「連携と協働によるまちづくりの推進」について、

今現在も市民団体と連携をしている状態であるが、行政のパートナーとしてNPOや市民団体と連携しながら施策をおこなっていくことを確認。

「コミュニティ活動の推進」について、新たな地域コミュニティが自然発生的にうまれており、

主な取り組みとして記載されている「有機的連携」、「地域活動の情報収集」、「SNSなどの多様な主体を使っての地域活動の掘り起こしや人材の発掘・育成」に特に力を入れることが、地域の繋がりづくりや強さになること指摘。

◆「未来を担う子どもたちが育つまち」について、5年ごとの実施計画に子どもの権利を保障する必要性について述べられているが、子ども施策にあたって大前提となるため、10年スパンの基本構想にもその言葉をいれるべき。

子ども周りの様々な課題の根底にあるのは、子どもの権利についての無理解と権利侵害であり、周知・啓発と実践は欠かせないこと指摘。

(質疑を重ね、全ての子ども施策で子どもの権利視点を含めることは確認。)

◆パブリックコメントに意見があった「性教育」は人権教育である。本年、市内小学校2校ではゲストティーチャー等手法を用いて性教育の授業がなされ、2月にも実施予定の学校が1校あると聞いている。現場のニーズはあり、子ども1人ひとりを守るためにも学校教育部、保健福祉部、子ども家庭部が連携して取り組むべき。

「水と緑の環境の保全」について、地下水保全の記載が少ない。市のアイデンティティでもある地下水の保全について、取り組みについて更に具体的に言葉を尽くし決意を示すべき。

・昭島駅北口開発について言及がないが、今後10年でまちが大きく変わる。

・農地も緑地に含まれるところ、農地保全は緑保全、地下水保全まで考え基本構想にも盛り込まむべき。

「地球環境の保全」について、海洋プラスチック汚染のマイクロプラスチック問題に関し

案文に書かれた使い捨てプラスチック等の削減以外に、柔軟剤や洗剤等日用品に含まれるマイクロプラスチックに対する周知啓発、ポイ捨て禁止条例制定まで視野に入れたごみのポイ捨て対策もするべき。

「都市農業の振興」について、国の緑の食料システム戦略で有機を推進する方向性、土壌汚染からの地下水への影響などまち全体の持続可能性を考えても、現行計画にある減農薬や有機の言葉は入れるべき。

「住環境の保全」について、オスプレイが配備され、10年前より騒音被害は明かに増えている。低周波音、CV-22オスプレイの山形・仙台空港等への緊急着陸や備品落下等発生。市民の最大の関心事である。

現行計画にある周辺環境整備や住宅防音工事の対象範囲の拡大、助成内容の充実などについて関係機関に要望する」くだりはいれるべき。

「文化芸術活動の促進」について、「芸術作品の鑑賞」と敢えて明記しているところに違和感があり質問をしたものの、芸術ジャンルは幅広く捉えていることを確認。

・「市内で活動する芸術家を広く紹介する機会の拡充」については、総合教育会議でも必要性について議論がなされており地元への誇りの醸成にも繋がるところ力を入れるべき。

・今後、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律に基づく、障害者の芸術文化活動の視点ももつべき。

「快適な公園の確保」について、取り組み予定の維持管理や美化・清掃活動以外に、

子どものボール遊び等ルールを決めるにあたって様々な主体が合意形成をしながら運用することがだれにとっても快適な公園に繋がること指摘。