食物アレルギー講演会に参加しました
昨日は、「食物アレルギーの子を持つ親の会」さんによる
食物アレルギー講演会&エピペン講習会に参加。
講演内容は、うりすクリニック名誉院長 小児科・アレルギー科
尾張東部アレルギー研究所所長 宇理須 厚雄先生による
「食物アレルギー 家庭と園・学校・学童クラブでの対応」について。
冒頭、食物アレルギーの概要や
正しい原因食品の診断に基づく除去等の対応法の説明のあと
園・学校・学童クラブでの食物アレルギー対応について以下のおはなしがありました。
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◆愛知文教女子短期大学の調査結果では、
ガイドラインに従って運用をしているのは76%、
園内での誤配・誤食経験ありは57%という現状がある。
◆厚労省の2019年「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」
000511242.pdf (mhlw.go.jp) では、
・アレルギー疾患対応マニュアルの作成、これに基づいた役割分担、記録に基づく取り組みの充実や緊急時・災害時等様々な状況を想定した対策
・生活管理指導表(本年より保険適応対象)に基づく対応
・地域のアレルギー専門医や医療機関等連携をした消防機関等の連携
等述べられているが
特にマニュアルは作成がゴールではなく共有やブラッシュアップが求められる。
◆文科省の2015年「学校給食における食物アレルギー対応指針」
学校給食における食物アレルギー対応について:文部科学省 (mext.go.jp) では、
・安全性確保のため、原因食物の完全除去対応(対応するかしないか)を原則とする
・学校及び調理場の施設整備、人員等を鑑み無理な対応は行わない
・教育委員会等は食物アレルギー対応について一定の方針を示すとともに、各学校の取組を支援する
等示されており、安全第一であるが、食のQOL確保も大切な視点
そのため、以下検討が考えられる。
・給食で提供される原因食品の献立が全て安全に食べられるなら除去しない
・生卵は接種できないがかき玉汁まで摂取できるまらば鶏卵料理は除去としない
・除去食対応が単純化されるため、調理での負担が減り、調理や配膳自己がおきにくく、
かつ、できるだけ多くの児童が食べられる献立とする(共通献立メニュー)
◆共通献立メニューについては、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」の保育所におけるアレルギー対応の基本原則でも示されているが、具体例は示されておらず、
尾張旭市小学校や公立保育園の給食事例の紹介。
◆給食以外でも、行事、教材教具、学習等で考慮すべき発症リスクがある。
◆都が作成した症状チェックシート等あり
緊急時対応(食物アレルギー)|対応・対策|東京都アレルギー情報navi. (tokyo.lg.jp)
こうしたチェック表を園・学校・学童クラブの職員と保護者があわせ持ち、
緊急時にチェック表をみながら
軽症、中等症、重症別のアクションを決められるよう備える必要がある。
◆アナフィラキシー時の対応、携帯薬の保管法、エピペンの保管法や利用法の確認。
◆愛知県教育委員会報告(2019年)では、登下校中のエピペン注射の事例も7件あり、
家庭や集団生活先での保管に加えて常に携帯する必要がある。
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アナフィラキシーショックは命に関わることもあります。
通常から集団生活先と保護者で情報共有と、何かおきた際の対応確認を徹底すること、
集団生活先関係者においては予防策と緊急時対応についてしっかりと共通認識を持っておくこと同様に徹底させる必要があることを再認識しました。
また、現在、昭島市の学校給食についていうと、
安全確保を確実にするためアナフィラキシー児への給食提供がなされていませんが、
先生が紹介なさった、尾張旭市の事例、食のQOL確保や保護者負担まで考えると、果たして現状維持のままでよいのか疑問が残ります。
私自身、理解を深めながら、
例えば今後整備される学校給食共同調理場のアレルギー専用室等でそうした対応が検討される可能性がないのかなど
確認してまいりたいと思います。