生活クラブ運動グループ・東京連絡会主催  ピアフェスタ2022「わたしたちの食を考える」

自分たちの生活の豊かさとは何か
市民主体の社会のあり方を考え、地域ごとに必要な機能をつくり
活動を続けてきた生活クラブ運動グループ。

生活者ネットワークと連携し、国や自治体に対する政策提案の活動もすすめられてきました。

設立経過

昨日は、生活クラブ運動グループ・東京連絡会主催の
ピアフェスタ2022に参加。
本年のテーマは「わたしたちの食を考える」。

生活クラブ生協・東京顧問、伊藤百理子さんの基調講演のあと、
生活クラブ運動グループの食の実践として、
◆行政と連携しながら都市農業の維持に取り組む「NPO法人 たがやす」
◆子どもたち一人ひとりに寄り添った食を提供する「ワーカーズ・コレクティブ保育室モモ」
◆高齢者を見守りながら食を提供する「NPO法人ワーカーズ・コレクティブ 配食サービス はあと・ぽっと」
◆無農薬・無化学肥料で固定種の栽培をしながら農福連携の実践もする「多摩きた生活クラブ」
の実践を伺い、
最後に、生活クラブが進める政策提案運動の活動報告がありました。

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世界的にみると、世界の人口は増え続ける一方、グローバル経済が推し進められ地域産業が衰退。
加速化した環境破壊と気候危機も追い打ちをかけ食料生産上の危機があります。

日本特有の問題としては、これまでの政治の取り組みにも起因して2021年出生数は過去最低。
一方、高齢化率は29.1%と過去最高。
各産業に深刻な影響があるが、特に第一次産業や食品安全行政は軽んじられている。
長期不況のなかでの非正規化の労働政策や、2024問題などの労働環境の課題も深刻です。
(※2024問題とは、働き方改革関連法により、自動車運転業務の時間外労働時間の上限規制を2024年4月から適用。
人件費をあげても人材不足の懸念もあり、物流を維持できないなどの流通課題。)

つくづく、政治の責任は大きい。
しかし、こうした社会を選んでしまったのも間接的には私たち。
政治に関心を持ち、誰を市民の代表として選び押し上げるか真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

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食については、今後、食料安全保障に本気で取り組む必要がある訳ですが、
そもそも日本の食料安全保障の捉え方は、国連食糧農業基金やアメリカ農務省の安全保障の考え方と全く違っており、愕然としました。

世界的には、平時から全ての人々が常に十分かつ安全な食料を入手できる状態にあるとの捉え方ですが、
日本は、緊急時にいかに食料共有を確保するかというものです。

食以外の様々な課題についても「視線が短絡的で、基本的人権が根幹にあるべきだがそこが重要視されていない」政治や一人ひとりの認識の問題、
メディアは政府への監視・牽制より、現状追認が多いこと、
教育が他者への視線と共助を育み、「健康で文化的な生活を営む権利」を行使するための取り組みを軽視しているなど
ステークホルダーごとの課題が提起されました。

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こうした現状に対して基礎自治体では何ができるのか。
食に特化していえば、「基本的人権を守るためにも誰もが常に十分な食にアクセスできる状況にある必要がある、
食の安全は持続可能な社会をつくる上で欠かせない」との共通認識をまず皆でもった上で、
国の地域共生社会、地域循環共生社会などの諸政策とリンクさせ
地域にある資源を見出し、補完し、支え合うことにより
環境・経済・社会が循環し、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す必要があります。

昭島ではどのような地域資源があり、
それらがいかに繋がり支えあうことが地域の強さに繋がっていくのか、
人権を大切にするという視点は常に持ちながら考えていくことは
食に限らず欠かせないと改めて強く想った昨日の企画でした。