昭島市食育シンポジウムに参加しました

昨日は、昭島市の食育シンポジウムに参加。

生きることは食べること。
何を作り何を食べるかを一人ひとりが選ぶことが、社会をつくりあげていく。

そう考え、これまで議会・委員会質問で、食育についてはその内容から周知の方法に至るまで熱心に取り上げてまいりましたが、
昭島市学校給食運営審議会に委員として関わられる佐々木輝雄さんのご著書に書かれていた、かつて昭島市で開催されていた食育シンポジウムについてもぜひ再開して頂きたいこと提案。
今回このような形で実現し、非常に楽しみに参加しました。

昨日のテーマは「地場産物を活用した食育~地域との関わりを通して『食』を学ぶ~」

内容盛りだくさんの3部構成で、学びの主体者である子どもたちはじめ、子どもの学びや学校給食を支える様々なご関係者のおはなしを伺え、学び多かったです。

◆基調講演は、江戸東京・伝統野菜研究会 大竹 道茂さんによる「江戸東京野菜には物語がある」。

それぞれの江戸東京野菜には歴史的・文化的な特徴があり奥深いこと、
また、一般的なF1種(交配種。毎年種を購入しなおす。)でなく、固定種であることで、
通常の野菜を育てるプロセス以外にも、種とりをし、その種を次の学年に渡し命をつなぐ体験を
子どもたちがする貴重な機会にもなることがよく分かりました。

大竹さんが他自治体で取り組まれた、種の命を次の学年に繋いでいく事例は、農水省の食育白書でも紹介されたとのこと。昭島市で今回事例紹介された小学校でもぜひ同様の取り組みをして頂きたい。

◆事例紹介では、中神小学校の拝島ねぎ、光華小学校の小町こかぶ・品川かぶ栽培の取り組みの事例紹介がありました。

中神小学校では、無理なくできる取り組みをと試行。
拝島ねぎは栽培期間が長く(2月の苗作りにはじまり、12月に収穫)、従って子どもたちの目の前に長く農の風景が拡がり、農や昭島の特産物を身近に感じられたとのこと。
総合的な学習の時間に児童がレシピを制作し、1月に家庭または学校で実践予定であるそうです。

光華小学校では、児童たち全員が会場にきてくれました。どうもありがとう!
数名が取り組みを共有してくれましたが、皆でプレゼンテーションをつくり、報告、寸劇等総意工夫して、昨日の場に臨んでくれたようです。感動しました。
光華小学校については、先日ひとクラスの「かぶパーティー」に参加させて頂きました、今回は学年全体でどのような形で取り組みが展開されたのかよく分かりました。
(※かぶパーティーの報告はこちら → 市内小学校の総合的な学習の時間(江戸東京野菜栽培の取り組み)を見学しました | 林まい子 (seikatsusha.me) )

大竹さんや地元農家さん、栄養士さんなど、周りの大人から教えて頂いたことをもとに
自分たちの関心に応じて探求を深め、かつ、それぞれの探求の結果を共有・連携させたことで教科横断的な学びになっていました。

地域と連携した生きた食育という要素以外にも、その学び方は、これからの子どもたちが生きる上で必要な力を育むよい事例になりうると思いました。大人が画一的に教えるのではなく、子どもたちの力を信じて任せることで、学ぶ幅が逆に増え、学びが自分たちのものになりますね。

次年度以降もぜひ取り組み頂きたいですし、校内の他学年にも保護者含め事例共有をすることで、親子の食育の機会にもして頂きたいです。

◆最後のパネルディスカッションでは、佐々木輝雄さんコーディネートのもと、
大竹さん、小学校2校のご関係者、JAご関係者、地元農家さん、栄養士さんがパネリストとなり、それぞれの角度からのご尽力、地産地消や食育に対する考えを知ることができました。
約40分間でしたが、各校の食育リーダーの役目等、もっとおはなしを伺いたかったです。

ちょうど12月議会では、昭島の農について取り上げをいたしました(質問概要や市議会の動画リンクはこちらからご覧頂けます → 2022年12月議会一般質問:大綱1 持続可能な農業を実現し、昭島の魅力を高めよう | 林まい子 (seikatsusha.me) )。

以下のご意見は、私も非常に共感するところであり、今回のシンポジウム踏まえ、今後議会で何を提案できるか引き続き考えます。
・食育の取り組みは親御さんにもぜひ知って頂きたい(大竹さんは、児童に江戸東京野菜のことを伝えられた際、メモしたものは親にも聞いてほしいとおっしゃったとのこと。学校から伝えるだけではなく、児童から親に伝えることも大切ですね)。
・野菜に関心を持っているのといないのとでは、その後の人生も左右する。
・最近は疑似体験からの知識が多いが、栽培は実体験から得られる貴重な知識。
・食育はwell-beingに必要とされるもののひとつ。体力向上(睡眠、余暇)、包括的性教育等々、昭島市教育委員会がおろしているもののひとつとして食育があり、well-beingという全体像から食育を捉え直す。
・農業をするというとハードルが高いため、体験農園の取り組みを増やす。
・生産者が学校で食についてはなしをする際に、学年により話す内容も変わるため、学年を固定化し定期的に食育に携われるとよりよい。
・子どもの笑顔のために、皆で取り組みをする。

市民が地場産物について考えるよい機会になります。次年度以降もぜひ開催して頂きたい。