2023年9月一般質問:3 GLP昭島プロジェクトについて問う

一般質問の動画が市公式HPから配信されました。

→該当URLは以下となります。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/rd/schedule.html?year=2023&council_id=46&schedule_id=2&fbclid=IwAR2mNpEMbgRzeSeBHMT3n7SkEOdxM6ZDeUxI4IACPnDJvWFNPtFlo8dej2k

(1回目の質問は7分30秒ごろまで、その後対する行政の答弁があり、
2回目以降の一問一答の再質問は、26分ごろ~最後まで)

→今回は、大綱3問、高齢者福祉、自治会支援策、GLP昭島プロジェクト(昭島駅北口開発)について取り上げました。
質問ごと分けて報告いたします。

GLP昭島プロジェクトについて問う

先月18日・19日に、昨年2月以来の事業者による計画概要説明会が開催されました。
前回説明会からの主な変更内容として、
・代官山北側の大規模公園整備
・物流施設の棟数の6棟から3棟への集約と建物高さの一部変更
・データセンターの棟数の9棟から8棟への集約と建物高さの変更
が明かになりました。

当初案から変更が検討された事実はしっかり受け止めつつも、
・物流センターについては客に貸す割合をいち施設で高め集約した結果発生交通量はそのまま
・データセンターについては電力機能を高めて棟数を減らしており、相当程度の温室効果ガスの排出や低周波音など環境影響の懸念は残ります

18日・19日とも、参加者からの質疑がとどまることなく、
18日には交通計画はじめ、データセンターの騒音や排熱等への懸念、
19日には、緑のネットワーク、生物多様性の保全、東京都環境影響評価等への懸念が続出していました。

事業者説明会における変更計画内容についての市の認識を、まず問いました。

「開発事業者は、市民の皆様から、直接又は間接的に多くの意見を受けており、
また、市は、昨年11月に事業者に対し、まちづくりや環境、道路・交通に関すること等について要請を行うとともに、都市計画マスタープランに則したまちづくりが図られるよう、地区計画の策定等について協議を重ねてきた。
そうした中、開発事業者においては、本市のまちづくりについて、一定の理解をいただき、計画変更に至ったものと認識。
しかしながら、交通量の増加に伴う諸問題への対応策等についてはまだ示されておらず、今後、確認が必要
引き続き、環境影響評価条例の手続きの動向を注視する中で、関係機関と連携を図り、開発事業者と協議する」
との答弁でした。

しかし、私は交通量増加以外の課題が残っているとの認識です。
今回、課題のいくつかを指摘しました。
地区計画における緑化率
現在、市では地権者の理解を得られる合意点を探り協議を重ねていますが、
令和3年6月定例会では、立川基地跡地昭島地区の事例について答弁頂いています。

緑の拠点として緑化率を都条例よりプラスして設けるような形で制限しており、そうした事例等も紹介しながら、そういったものが必要になると考えている話はしている」という内容ですが、
当時の考えを基本に交渉頂きたい。

緑地情報の把握
情報を把握しかねるとの答弁ですが、
ゴルフ場の樹林面積、芝地面積、樹木本数、樹種などの緑地情報については、東京都環境アセスメントの制度上で事業者が提出予定の評価書案を待たず、
市としていち早く基本情報として入手し、アドバイザリー会議の専門家に情報共有しはやめはやめに保全策を検討すべきです。

代官山の保全
現在協定を締結しているものの、細かい規程はなく、代官山の樹林地として保全する一文のみで、保全内容が明確ではありません。

今後、東西道路が通り交通量が増えるだけでも何らかの影響をうけるに違いなく、東京都環境影響評価審議会でも「計画地の改編による直接的な生息・生育地の消失だけではなく、工事や施設稼働により、隣接する玉川上水とその緑道、及び計画地に取り囲まれるような形で中央部に位置する代官山緑地への影響も懸念」としています。

いまある樹木を把握し、確実に保全されるような協定内容に見直し再締結する考えがあるか確認したところ、再締結の必要も踏まえ、協定の見直しを検討とのこと。

失った自然を取り戻すことは容易ではありません
待ったなしの温暖化対策、生き物や地下水保全の観点からも、協定の再締結を検討して頂きたいですし、
そもそも市としてどのような緑の量と質の保全を目指すか、いま一度部署連携して考えた上で各種協議をすべきです。

データセンターの周囲への影響
地区計画の懇談会や事業者の説明会でも複数の市民が問題点を指摘していました。

市の懇談会については、あくまで地区計画策定にむけて市の基本的考え方を示し、それに対し意見を頂くため開催。
こちらについては地区計画で検討できず、評価書案の動向も踏まえて市として必要な意見をしていくとの答弁でしたが、
評価書案待ちの姿勢では、市民の理解を得るのは難しく、
諸課題に対し市としてどう備えるかできる限り明確にすべきと意見しました。

交通量調査
4月に市内19箇所で実施されました。

市としては、これまで感覚的に渋滞箇所のイメージはあったが、今回調査実施で具体的数値をもって現状把握できたことに意義があると評価、
主要道路は交通量がやや大めであり、時間帯によっては渋滞が発生していると分析しています。

事業者説明会では、入出庫ピーク予定、通勤車両の割合等示されました。交通ルート確定がまだでも、そうした情報も踏まえながら今回の調査結果を今後の交渉に活かして頂きたいこと、
また、動的シミュレーションの実施予定がないことが明かになりましたが、交通問題については、市民の不安の声も大きく、動的シミュレーションはじめあらゆる対策を促すべきと質問。

市は、事業者において搬出入ルートを改めて検討しなおしており、
ルートがきまった暁には計画交通量を上乗せし、交通予測を事業者が検討すること、
また、手法として動的シミュレーションにはならないようだが、様々な手法があり、事業者の将来的な計画は交通管理者とも連携をとり対応していくとの答弁がありました。

市民の暮らしや安全にかかわるのでしっかりと協議を進めて頂くよう注視します。

今後の会議体について~都市開発対策審議会
建設環境委員会、地区計画の諮問をする都市計画審議会のほか、
大規模開発の際に審議する非公開の都市開発対策審議会があります。

昭島市の宅地開発等指導要綱に基づき、開発申請がなされたもののうち大規模開発が、都市開発対策審議会の諮問対象となります。

まず担当レベルで課題を捉えたなかで事業者と一定の協議をしたのち、審議会で協議の方向性について諮問。そこでの意見をもとに、再度正式に事業者と協議するため、大変重要な役割を担っているとの答弁です。

(宅地開発等指導要綱の詳細はこちら ↓
https://www.city.akishima.lg.jp/s095/010/010/010/030/010/20140915162311.html )

同審議会については、公表が前提でないため、確約はできないものの、事前に希望があれば、当日集まった委員の了解をえられれば傍聴した実績はあるようです。

市民の不安もひときわ大きな大規模開発であり、できる限り情報公開の手段を示し、市民と信頼関係を築きながら同開発について取り組んでいくべきです。

最後に、これまでも再三指摘してきましたが、
まちづくりの主人公はあくまでも市民です。

市民の不安・懸念に向き合い、誰のための協議であり、地区計画策定や東京都環境影響評価審査であるのか
決して見失うことなく、住環境や自然環境が保全されるよう引き続き力をつくして頂きたいと意見しました。