「知ってほしい!ヤングケアラー支援」連続講座に参加しました
市ではじめてのヤングケアラー支援の講座が、
・子ども育成課 子ども家庭支援センター
・保健福祉部 健康課
・社会福祉協議会 地域支援係
主催で開催されました。
3回連続講座ですが、先日1回目の講座開催。
講師は、NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン理事長 牧野史子さんでした。
ヤングケアラー支援が国の施策になってからは、自治体においても支援条例制定への取組みがはじまり
「ヤングケアラー」の言葉が認知されてきています。
昭島市の教育・青少年だよりエール6号でも、「ヤングケアラーとは」との周知がありました。
https://www.city.akishima.lg.jp/s111/010/yell/20230516084926.html
今回の講座では、改めて、ヤングケアラーの定義や実態、支援の基本的な考え方をおはなしくださいました。
◆まず、ケアラーとは、介護、看護、療育、世話、こころや身体に不調のある家族への気づかいなどケアの必要な家族や近親者・友人・知人などを無償でケアする人のこと。
ヤングケアラーとは、家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものこと。
若者ケアラーとは、18歳~おおむね30歳代までのケアラーを想定。
ケアの内容はヤングケアラーと同様だが、ケア責任がより重くなることもある。
ヤングケアラーがケアを継続している場合と、18歳を超えてからケアがはじまる場合とがある。
家族の形態が多様化し、ケアを担える大人が減少している社会的背景があり、子どもに負担が集中。
2021年全国調査では、中学生の17人にひとり、高校生の24人にひとり、
2022年全国調査では、小学6年生の15人にひとり。
ヤングケアラーについては、すぐに思い浮かぶ祖父母の家事・介助以外にも、
日本語が第一言語でない家族や障がいある家族のための通訳・世話や見守り、
アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族への対応、
感情面へのサポート等々様々なケアをしているとされており、まさしく、大人が担うようなケア責任を引き受けている状態。
そのことによるマイナスの影響は、学校生活、友人関係、健康に及びますが、
身近にケアのことを話せる相手がほとんどおらず、自分の健康や進路は後回しになります。
希死念慮をもつ家族のはなしを一晩中聞きなだめる事例等、聞いていて胸が苦しくなりました。
◆ケアラー支援とは、その人らしい人生を支えるための支援で、ケアラー自身の権利を保障するための支援。
こと、ヤングケアラーについては、
まず、ケアラーである前に成長途中にある子どもであり、本来ケアを受け、子どもの権利が守られるべき存在であることを抑える。
しかし、子どもがケアしていることが想定外で、見ようとしても見えにくい存在であり、
また、自分を相対化してみれないため、自覚がなく、SOSがだせないという
支援するにあたっての難しさがあります。
早期発見・把握が欠かせず、この際に学校にきている間に学校で発見する体制をつくることが重要。
他にも、自治体の窓口、学習ボランティア・子ども食堂、家族にケアする医療や地域ボランティアなど様々な社会資源が連携してサポートにあたる必要があります。
◆講演後のワークショップでは、様々な立場にいる参加者が
講演を聴き何を考えたか等意見交換をしました。
例えば中野区南部エリアでは、このようなワークショップを経て、地域資源をみえる化し、学校の放課後サロン等も新たな拠点にそれぞれの資源が連携する仕組みを整えたそうです。
※中野区南中野地域包括支援センターのHPより取組みについての紹介記事↓
https://www.foryou.or.jp/facility/minaminakano/w108/news_detail.php?nid=302919
家族の形態が多様化し、
必要な支援も行き届かず、
そのしわ寄せが子どもにいくことは絶対に避けなければならない。
そのために何ができるのか、今回の講座を通じて、地域の方々と考えを深めてゆきたいです。