昭島巨大物流センターを考える会学習会「公害紛争調停について」

昨日は、昭島巨大物流センターを考える会の学習会に参加。

テーマは「公害紛争調停について」。以前もご講演頂いたNPO地域づくり工房代表理事、環境アセスメント学会常務理事の傘木宏夫さん。

開発行為が適切な環境保全対策を講じようとせずに実施されることが判明した際に、
①公害の発生を防ぐ手段として公害紛争処理制度の利用が選択肢としてある。事業化する上でのハードルを地域から示し、採算性が採れるのかを問うもの。
②事業者と住民との間に環境保全協定を締結させ、環境対策の履行を監視する対策も考えられる。

①公害紛争処理制度は、都においては、申請は1人からでも可だが、この際どれだけ組織をオーガナイズできるかも重要。手数料も安価に、都の公害審査会委員のうち3名があっせん・調停・仲裁を担当してくれる。
(※西東京市では、公式HPに国と都の公害紛争処理制度についての案内がありました。
都や国の公害紛争処理制度 西東京市Web (nishitokyo.lg.jp) )

神戸市の西須磨道路公害調停の事例についておはなしくださいましたが、
一番の意義は、住民が自ら動いてアセスメントし、改めて課題把握したこと。
この事例においては、子ども含めた様々な住民が自分事として関わり、敵対ではなく協働に変えていったことが分かりました。

②環境保全協定については、事業者と自治体によるもの、事業者と自治会問う住民によるものの2種類があるが、行政は法令を超えることはできず踏み込めないため、後者の事業者と住民による協定が望ましい。

自主的な管理と対策の透明性を高めたり、地域社会が関与する条件を確保する役割があり、
例えば、イタイイタイ病については、毎年立ち入り調査をする協定内容であり、事業者にとっては社員教育としても重要な位置づけに今はなっているとのこと。
協定に臨むにあたり重要なのは、住民が現状を把握し、保全すべき質を共有すること。

以上、住民が主人公としてまちづくりに関わるにあたり、様々なアプローチ法があること、
都の環境影響評価制度上で事業者が評価書案を提出する前に課題整理する必要性等おはなしくださいました。

※動的シミュレーションについても紹介がありました。

交通量、光等ソフトを用いて予測するもの。
今回の開発計画では、事業者は動的シミュレーションの実施予定がありませんが、実際の動きをみると具体的な予測が非常に容易にできました。