徳島県勝浦郡上勝町ゼロ・ウェイストの取り組みを視察
「ゼロ・ウェイストとは、無駄、浪費、ごみをなくすという意味です。
出てきた廃棄物をどう処理するかではなく、
そもそもごみを生み出さないようにしようという考え方です。」
(上記は、上勝町町役場 企画環境課の以下URLより抜粋
https://zwtk.jp/)
2003年、日本の自治体初のゼロ・ウェイスト宣言を行い
すでに実施していた細かなごみ分別をさらに徹底することで(視察時点では45分別)
焼却や埋め立てを減らし、処理費用も大幅に抑えた
徳島県勝浦郡上勝町のゼロ・ウェイストセンターを視察しました。

◆経緯
上勝町では、かつてはほぼ自給自足の暮らしをし、ごみはほとんど出なかったものの
高度経済成長期にプラスチックなどの工業製品が入ってくるようになり、
ごみ処理のため自然発生的に野焼きが始まる。
↓
1995年 生ごみは燃えるごみの3割を占めるため、
個人負担1万円で電動生ごみ処理機を購入できる補助制度をはじめる。
1997年 容器包装リサイクル法試行に伴い、
ゴミステーションを開設し、9分別の資源回収をはじめる。
↓
野焼きをやめ小型焼却炉を2基設置したが、ダイオキシン類対策特別措置法で基準越え。
上勝町は四国でも一番小さい自治体のため焼却はナンセンスと焼却を手放す。
2001年 33分別を開始。
集落での回収が難しく、生ごみ(8割は水分で燃やすと効率も悪い)以外は自分のタイミングで持ち込める一拠点回収。
↓
2003年 町長の旗振りでゼロ・ウエィスト宣言を全会一致で可決。
↓
**********
トップダウンからどうボトムアップを実現するか。
2005年 行政主導でNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー発足(ゴミステーションの管理を行いながら、現場での普及啓発)
2006年 リユース推進拠点「くるくるショップ」開設(税金を投入しての再資源化は負担が大きくなるため、こちらに一時的に置きリユースを試みる。
一ヶ月のリユース量は平均約500KGで、年間7トン以上がリユースされる。)

2007年 着物や鯉のぼり等のリメイクショップ「くるくる工房」開設(技術をもった高齢者など地域人材を雇用し、高齢者福祉の側面も持つ)

2017年 ゼロ・ウェイスト認証開始
商店・飲食店と連携し、量り売り実証実験開始
醸造過程でゴミがでないようにするビールなど、ゼロ・ウェイストのビジネスもうまれている。
↓
・リサイクル率80%以上を達成(全国平均は約20%)
・ごみの処理コストの大幅減
**********
2020年 ①今回視察をした、公共複合施設、上勝町ゼロ・ウェイストセンター完成
https://why-kamikatsu.jp/pages/why
施設はなぜゴミを捨てる?なぜものつくる??と問いかける「?」の形で、外からひとが訪れたくなる施設になるよう、中村拓志さんが建築。
(中村拓志さんによる施設説明のURL
https://www.nakam.info/jp/works/kamikatsu0/ )

地域の廃材を活用しており、床には割れた陶器が埋め込まれ、シャンデリアもビンを活用。
窓は、まちの広報で呼びかけをした結果、540枚を利用し、住民参加で建物をつくる。

全4室の体験型のホテルなども整備。
主には市内事業者向けのオリジナルプログラム等も実施。
**********
2020年段階で2割は焼却埋立てゴミとして残っている。
製品の設計段階から取り組む(生産者責任)には、どう町外とのコラボレーションや交流を高め、どう巻き込むか。
↓
②第2期ゼロ・ウェイスト宣言
(https://www.kamikatsu.jp/docs/2022111500024/ )

ゴミステーションでも企業連携の取り組みの一旦が分かりました。
○ゼロ・ウェイストで暮らしを豊かにする
○町でできるあらゆる実験やチャレンジを行う(企業連携、コラボレーション)
(企業連携や自治体間連携の事例は以下。
https://zwtk.jp/future/ )
○学べる仕組みをつくり、新たな人材を排出(取り組みは町内外に及ぶ)
役場、
ゼロ・ウェイストセンターの指定管理者であるBIG EYE COMPANY、
https://why-kamikatsu.jp/pages/company
ゼロ・ウェイスト推進協議会の運営や教育を担当する一般社団法人amu
https://note.com/amu_kamikatsu/n/n96740280826c
等が連携しながら、取り組みを推進しているとのことでした。
◆ゴミステーションの見学
平日7:30-14:00、土日は15:30まで。年末年始3日をのぞき毎日オープン。
○特徴は以下の通り。
①生ごみは収集しないため、匂わない。
②サポート人員が常時いるため、分別が分からないときにはいつでも聞け、回収時の混入も防げる。
③資源の処分費用と売却費用を可視化する。
なお、③については、回収するごみをの表示には、必ず
「出」(処分費用)、「入」(分けるとお金になる売却費用)と書かれ、それぞれの金額が明示されていました。
可視化により、例えば、自分の税金が使われなくなるようプラスチックはきれいにする、
そもそも分別が面倒なため、買い物をする時点でゴミにならないものを選ぶなどの行動変容がうまれます。

○また、圧縮機があったり、
紙の回収は紙ひもが利用されている(リサイクル業者が扱いやすく、買い取り価格も高くなる)ことなど
細かな工夫もみてとれました。
◆関連する諸施策
○ちりつもポイントキャンペーン
焼却ごみに4割近く紙が混ざっていることが判明したため
紙資源の分別等すると、ポイントがたまり、環境に優しい日用品や、給食帽など学用品と交換する仕組みを整備。
https://zwtk.jp/chiritsumo/
ポイントの原資は売却益(毎年約180万円売却)等であり、税金を投入させない。

○運搬支援制度
ゴミステーションまでこいけない80歳以上の高齢者や車の免許を持たない町民には運搬支援制度がある。
https://zwtk.jp/faq/
○遺品整理
今月から開始。

全ての取り組みから、
・ごみというマイナスのイメージをもたれがちなものの価値転換をはかり、
関わりたいと思えるようにする
・最初の消費行動まで考えを及ばす行動変容を起こす
・様々なステークホルダーと連携することを力にしていく
ことを重視していると捉えました。
