2026年6月:討論「市道路線の認定」について

日程第18議案第51号「市道路線の認定」について、みらいネットワーク会派を代表し、委員長報告に反対の立場で討論いたします。

今回の道路線は、玉川上水南側地区地区計画で示された道路の整備方針に基づき新たに配置する区画道路となりますが、この地区計画決定がなされた昨年4月10日の都市計画審議会では、新設の区画道路はじめ各種懸念を伝えた上で、同計画に反対しました。

東西道路新設に伴う環境影響については、東京都環境影響評価制度に基づく評価手続きは終了しています。
しかしながら、終了にいたる過程では様々な懸念が示されており、令和6年10月23日付け、都知事による環境影響評価書案審査意見書では、「本事業については、都民から、自然環境の喪失、交通量の増加に伴う環境影響、 健康影響、渋滞及び事故の増加並びに周辺住民との話し合いの不足など多くの懸念が表明されている。このことから、事業の実施に当たっては、豊かな環境を将来に渡り維持していくために、環境保全のための措置の徹底、継続的な検証と改善を重ねていくとともに、地域住民への丁寧な説明や交通管理者等の関係機関との十分な協議など、 地域と連携し、対策を検討していくことが重要」と述べられています。

また、昨年3月27日開催の東京都環境影響評価審議会において、GLP昭島プロジェクトの環境影響評価書の受理報告があった際には、環境影響評価審議会会長より事業者においては、評価書に記載された環境保全措置等は言うまでもないが、とりわけ地域住民への丁寧な説明など、しっかりと対応していただくとともに、事後調査報告において、適宜、審査会に報告いただくようにお願いしたい」との発言までありました。このことから、評価手続き終了後、引き続き細心の注意を払うべき状況であると、まずもって認識する必要があります。

さて、この度認定対象となる新設道路については、エコロジカル・ネットワークの分断を懸念する意見がこれまで各所から示されてきました。市民や専門家のみならず、市におかれても、令和4年11月2日付けGLP昭島プロジェクトに係る環境影響評価調査計画書に関する意見書において、「新設道路や建築物が緑を分断する」ことに言及しています。当初案よりまとまった緑地が確保される変更があったとはいえ、それをもって新設道路による環境影響の懸念がなくなるわけではありません。

しかしながら、先月25日の建設環境委員会の審査で生物・生態系に関する質疑があった際に、生態系については、整備予定のアニマルパスをもって道路の分断から守る趣旨の答弁がありました。先に述べた環境影響評価書の受理報告があった環境影響評価審議会では、生物・生態系の記載内容については「環境保全のための措置に、アニマルパスや既存の池による保全目標種を明らかにするとともに、整備・改修方法等について、事例等を参考にしつつ、適宜専門家等から適切なアドバイスを受けていくこと、事後調査結果に基づき必要に応じて環境保全のための措置を検討することを加筆した」と説明されています。つまり、アニマルパスの整備ですべて解決するといいきれる状態ではなく専門家のアドバイスや事後調査結果に基づく措置が求められており、予断を許しません。
しかしながら、審査では、「アニマルパスが分断を守る」との答弁にとどまり、評価書受理からここにいたるまで、事業者が専門家等から整備にあたりどのようなアドバイスを受けており、保全策としての確度がどの程度増しているのか明らかではありませんでした。そもそもアニマルパスは限定的な措置と捉えており、実際に生き物が活用するかの有効性ふくめ、今後の検証と改善が欠かせません。

また、市の環境基本計画で目指す、緑の消失や縮小、分断を食い止め、生物の生息や生育、移動のための空間を確保するため、水と緑の連続性を確保するエコロジカル・ネットワークの保全や創出、あわせて生物多様性への負担を実質ゼロとする目標と今回の道路整備は整合性がとれているのかも改めて問いたいです。

以上述べてきたように、道路整備及び開通による環境影響の懸念がいまだ拭いきれず、今後も注視が必要な状況です。そもそも玉川上水南側地区地区計画についてはすでに反対を表明したなかで、今回の道路線認定についてもみらいネットワーク会派として委員長報告に対し反対いたします。