映画「タネは誰のもの」

市内のお母さん方が映画上映会「タネは誰のもの」を2日間企画。
https://www.kiroku-bito.com/tanedare/
種苗法改定を取り上げた約1時間の作品です。

1日目は鑑賞後、元農水大臣山田正彦さんのお話会があり、
2日の鑑賞後は、原村政樹監督のオンラインお話会がセッティングされていましたが、
私は2日目に参加できました。

各所の農の豊かな風景が取り上げられ、
対してその風景をつくる生産者の様々な苦悩が伝わってきました。

農に携わり私たちの食を支えて下さる方々に
改定後の将来見通しに対する声を聞くことをせず
本来公で守るはずのものを守らなくなる。

結果、逆に生産者の暮らしを守れない事態が発生することが予測され、
また、私たち国民一人ひとりの生活に今後大きな影響が生じるであろうことが明確に分かりました。

多品種でなく、効率をよくするため品種を減らそうというベースの考え方も腑に落ちません。
また、種の海外流出を懸念しての今回の改定という建前ではありますが
種苗法はあくまで国内法であり改定をもって権利を守れないこと、
さらにはかつての種苗法でも流出に対し訴訟する際には効力を有する事例があることも分かりました。

育成権者の権利を違う形で守ることを模索する、
あるいは、作物の特性をみて自家採種、自家増殖禁止の措置するべきところ
一律自家採種、自家増殖禁止(農水省の2015年の自家増殖に関するアンケート調査によると、52.2%の農家が自家増殖を実施)。

率直にいって、国が壊れる、と思いました。
種苗法改定で本当に農家を守れるというのか。誰を守るための改定なのか。全てが腑に落ちません。

その後の原村監督のはなしもあわせて伺えて、
更に映画への理解が深まりました。
・種苗法賛成、反対、両方の言い分をまず知った上で賛成、反対の発信をしてほしいので、敢えて両方を映画で取り上げた。
・種と農薬はセット売りが昨今のアグリビジネス戦略であるが、日本は南北に長く気候風土も違うところ、各地にみあった肥料や農薬も違い、ナンセンスである。
・多くの自治体で種子条例ができているが、埼玉県では与党議員発案であることは注目に値する。
・効率重視、競争社会であり人間の力で様々支配している現状であるが、人間もひとつの生物で生かされているにすぎない。自然と人間の関係をつくりなおすことを原点を考え、「若者は山里をめざす」の映画制作に取り組み中。
https://camp-fire.jp/projects/view/549075
・子どもたちには、地元農家と知りあったり、農作業を手伝ったり、その人がつくったものを食べてほしい。農業体験授業も大事。現場を知ったあとはじめて物事を考えられる。そうした子どもが増えると必ず社会は変わる。
・自治体は市民から伝えないと動かない。しかし反対だけでは彼らも疲弊する。彼らの立場も守りつつ変えるしなやかな動きを、市民は模索する。

このような状況でも一人ひとりができることは何なのか、
参加者が立ち止まり考える貴重な機会でした。
どうもありがとうございました。