2022年6月議会一般質問:市民参画で考える公園の利活用について
公園は、誰もが利用できる身近な公的空間ですが、その利用目的は様々です。
さらに近年は地球温暖化や防災対策の拠点、インクルーシブ公園の言葉に示されるような共生社会の拠点など、
求められる役割は一層多様化し、コロナ下でニーズがますます増えています。
今回の質問にあたっては、市内の都市公園42箇所や一部都市計画公園、児童遊園のインフラを確認し、
公園での意見聴取やWEBアンケートを実施しました。
ボール遊び禁止をはじめ乱立する禁止看板、緑陰のない公園、使いたいと思えないトイレ、古い遊具等について
市民の皆さんからの指摘や現状確認ができましたが、
特に今後の大きな課題として、公園施策については確実に部署連携をしながら
・公園の「緑」を増やし、質を高めていくこと
・防災対策機能の向上
・地域の市民が多様なニーズを相互に調整し、ルールを協議していくことや、市民が公園の構想や管理への参画を促進していくこと
を目標に質問に取り組みました。
市のHPから動画がアップされました。
持ち時間は60分。
一問一答の再質問は、21分55秒頃からはじまります。
ご覧頂いての、ご意見等お待ちしています。
市民が憩え、これからの社会状況にも対応していくための緑について
◆まず木陰がない公園がある一方、夏の炎天下で遊ぶ子どももいるため緑陰確保について質問。
他市の先進事例も参考にしながら対応を研究とのことでした。
それであればまず情報提供から工夫すべきと指摘しました。
現在は、市のHP上では暑くなりやすい遊具や、公園利用の際の熱中症への注意喚起をあげていますが、
木陰の遊具で遊べる公園の紹介をしたりと、少しでも安心できる環境を紹介していくほうが
公園というインフラを活かせます。
◆また、市の各種計画には、「公園と緑」について述べられていますが、市としてどのような緑を保全・創出するのかみえてきません。
公園の樹木の維持管理については、環境基本計画にコラムとして考えが示されているとの答弁でしたが、あくまで一般的な概念の提示にとどまります。
さらに、環境基本計画はあくまで理念でこれをもとに各部署が施策を実現していくとの答弁もありました。
環境基本計画上のコラムを示し、一体各部署はどのように憩える緑地をつくるのでしょうか。
また、市として公園における戦略的な緑保全・創出ができるのでしょうか。
具体的指針に基づいた部署連携が必要です。
◆また、視野を拡げ、市全体の水と緑のネットワークの形成創出から逆算して公園の緑をどう位置づけるかも
確認しました。
昭島駅北口の大規模開発予定地は、エコロジカル・ネットワーク(緑の消失、分断を食い止め、生物の生息や生育・移動のための空間を確保するため、水と緑の連続性を確保するもの)の保全・創出を考えた際にコアエリアとして確実に保全すべきエリアです。
市の緑化推進基金の制度の見直しや、新たな基金を設ける等手段を通じて市として買い取りしないか問いましたが、非常に困難であるとのこと。
買い取りが難しい場合も、環境基本計画や都市計画マスタープランとの整合性を確保し、当地の緑を守れるのか、
あらゆる角度から検討を重ねるべきです。
環境基本条例にある市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じること、事業活動に伴い発生する公害防止、自然環境の適正な保全を事業者の責務として求めること、
また総合基本計画にある市民参画が進み市と市民・事業者が一体となったまちづくりを
昭島駅北口開発についても行うことを求めました。
『水と緑のまち』をうたう自治体の責務ともいえます。
災害時の利活用について
公園は災害時には延焼防止や避難地として機能し、一時避難場所、広域避難場所に指定される公園もあります。
しかし、災害時に市民の皆さんが公園を避難場所として使える状況にはありません。
平時からの以下の対策を求めました。
◆汚い、臭いと利用を敬遠されることが多いトイレについて、公園のトイレ利用の意識を変えてもらうために、修繕について、市民に見通しを示す。
◆かまどベンチ・マンホールトイレなど設置された公園についてはそうしたインフラがあることを市民に周知する。
◆災害時にしっかり活用されるよう平時から市が率先して防災訓練の機会を提供する。
◆災害時の雨水利活用・水害予防も兼ね、雨水貯留槽の全公園設置する。
マンホールトイレなどのインフラ情報の共有、訓練については協議のなかで検討、雨水貯留槽の設置の検討などの答弁が得られました。
子どもから高齢者まで多様なニーズに応える公園について
公園には市民からの多様なニーズがありますが、公園のインフラ確認にまわった際ボール遊び禁止看板が乱立していたことから、
今回はボール遊び禁止に焦点をあてて確認をしました。
・バスケットゴールがある公園ではキャッチボール程度は可とするなど柔軟な解釈を検討する
・ボール遊びを一律禁止とせず硬球や乳幼児が近くにいるときは控えるなど具体的な注意喚起をする
・禁止看板と公園のインフラに整合性がない場所もあるので看板をいま一度点検する
ことなど求めました。
注意喚起看板の文言等についてどのようなあり方が効果的か検証しながら検討すること含め、市内公園の看板はみなおしを検討するとの答弁を得られました。
◆その上で、合意形成なく看板が乱立する状況は根本的解決とならず、公園を利用する地域住民等と公園利用のローカルルールを決めていく仕組みをつくる必要があることを訴えましたが
公園ごとに様々な条件があるので、これまでの運用等々検討しながら
今後のありかたについても検討していくとの答弁でした。
◆その際には、子どもも当事者として関わる必要があります。
子ども家庭部からは、子どもの意見を聞くことを検討するとの答弁も得られました。
障がい当事者が参画してのインクルーシブ公園設置の検討も求められます。
公園設置の検討状況を確認したところ、現状具体的な検討はないものの、全ての人が楽しむことができるインクルーシブの考え方をとりいれるのは必要な視点であり、新たな公園整備や大規模改修の際には、他市の先行事例参考に検討するとの答弁でした。今ならユニバーサル遊具に対してつく予算もあり、設置のチャンスです。
◆また、維持管理においても一層市民参画を進めるために、アダプト制度のさらなる広報について工夫を求めました。
具体的には、すでに活動なされる、花壇の手入れにコミュニティ・ガーデンの視点を加えること、
やはりすでにある市民による公園での腐葉土づくりの取り組みを紹介するなど
興味をもって関わる市民を増やすための情報提供を求めました。
(情報提供については、バスケットゴール以外の球技をできる公園の情報、健康器具の情報、市内公園情報のマップ化も求めました。)
倒木や、それを防ぐための強選定を考えると、樹木を見守る市民を育てていく視点も今後必要です。
◆今回質問を通じて、公園については、部署連携で公園をどう活かすのかしっかり検討がなされた上で、担当部が運用にあたるべきと痛感しました。
また、近隣住民の顔がみえづらく少子高齢化・多様化が進む社会状況において、
公園を通じた市民参画が進むことは、
地域の繋がり・新しいコミュニティづくりや、相互尊重が進み居場所ややりがいづくりなどの機会創出、
最終的には市民自治にも繋がり非常に重要です。
また、市は公園新設の際には市民の声を聴く場を設けるとのことでしたが、
公園というインフラを私たちの暮らしをよりよくするための資源としてしっかり活かすために
既存の公園についても声を聴くべきであり、
引き続き注視してまいります。