昭島駅北口大規模開発:交通問題学習会に参加しました

昭島駅北口のゴルフ場界隈の物流センター計画については、
民間事業主体の開発とはいえ昭島のまちが大きく変わる大規模開発であり
先週の一般質問でも何人かの議員が取り上げました。

生活者ネットワークとしても、
大変大きな問題であると
昨年から継続的に市民の皆さんに計画について伝えながらまちを歩きお声を聴取したり
開発についてのアンケートハガキをお渡ししているところで
3月議会の代表質問に続けて今回議会でも公園の緑に絡めて取り上げました。

※本年3月代表質問でのとりあげ → 2022年3月代表質問 大綱9 主な施策の取組について | 林まい子 (seikatsusha.me)

※昨年6月一般質問でのとりあげ → 2021年6月議会 一般質問(①まちづくりの市民参加について②昭島の地下水を飲み続けよう③施設などの利用・貸し出しについて) | 林まい子 (seikatsusha.me)

先週の議会質問では、
市の水と緑のネットワーク、エコロジカル・ネットワークの観点から当地の緑は決して失えず
そもそも環境基本計画や都市計画マスタープランとの整合性を図れないため
・緑化推進基金のあり方の見直しや新たな基金を創設して市がネットワーク形成からここだけは外せないといったエリアの買い取りを検討すること
・立川基地跡地の事例のように緑地をできるだけ多く確保するよう取り組みすること
・昭島市環境基本条例にあるように市民の意見をくみ取り環境保全の観点から引き続き最大限の尽力をするとともに、同条例にある事業者の責務をあらゆる場面で実施するよう働きかけすることを求めました。
(今回一般質問についての詳細はこちらです。→

2022年6月議会一般質問:市民参画で考える公園の利活用について | 林まい子 (seikatsusha.me)

他の議員さんへの答弁も踏まえると、
民地による開発であり
まだ行われていない東京都環境影響調査後に詳細計画がでたあとの市との具体的な協議であるため、
現段階では市の各種計画に沿ったまちづくりをするよう事業者に求める段であるといった説明の主張に終始していますが
2月のGLPによる市民向け説明会で示された計画は、市の各種計画に沿っているとはいえないものでした。
いまの時点で市からそれ以上の働きかけができないのか疑問が残ります。
(そして、改めて、このような事態が新たに発生することを今後防ぐためにも早急なまちづくり条例の制定が必要だと考えるところです。)

議会はこのような状況ですが、
先月、市民による昭島巨大物流センターを考える会が発足。
13日にはGLPへ要望をだされたようで
昭島のゴルフ場に巨大物流拠点、住民「待った」 見直し求め要望書:朝日新聞デジタル (asahi.com)
昨日には同会による交通問題学習会もあり参加しました。

◆まず、会ご関係者より、GLP交通計画を具体的に昭島の道路や道路・交通事情を勘案しながら地図に落としていったものを共有くださいましたが、どれだけ危険であるかが視覚的にも分かりました。


子どもの通学上の危険性、午前8時前後の激しい交通渋滞発生からの通勤・通学への支障、交通渋滞が及ぼす救急・消防車両通行への支障や、沿道住民への騒動・振動被害等について問題提起がありました。

◆次に、道路住民運動全国連絡会事務局長の長谷川茂雄さんによるご講演「GLP計画の見直しに向けて何ができるか」がありました。

東京都環境影響調査(事業の中止を命じたりする制度ではない)が今後行われる予定であるが、
この手続きで決められる調査計画書ができると計画はほぼ完成形で変更は難しい。

自動車公害である大気汚染(喘息患者増大)、騒音被害(睡眠障害)、騒音振動(地盤沈下)の他
・交通渋滞
・大型貨物による道路の劣化
・玉川上水を始めとする生態系への影響・景観破壊
・緑被率の低下
・気候変動への影響等も
問題点として考えられるとのこと。

さらに具体的に、以下の問題提起をなさっていました。
・周辺道路が今まで以上に渋滞する。大気汚染や騒音・振動がひどくなり、子どもが交通事故に巻き込まれる。
・高層建造物で住宅地に日照や風通しが悪化
・ゴルフ場の芝地の喪失や樹木伐採で、緑地が大幅に減少。
・コンクリートで地面が覆われるため雨水の地下浸透が減少。市は水道水源を100%地下水に頼るだけに影響がありうる。
・多様で希少な野鳥、動物、草花、樹木の宝庫である計画地内の代官山や玉川上水沿いの自然環境が悪化する。

自動車騒音や道路交通振動に係る基準やデータ、
環境影響評価の仕組みと限界、
昭島の地域特性と近隣の交通状況、
今後の運動へのヒント等おはなしくださいました。

◆次に、大気汚染測定運動東京連絡会の沼田通孝さんによるご講演「排気ガスによる大気汚染について」がありました。

NO2測定結果一覧や、昭島、多摩、都の測定経緯等示された上で交通量変化による交通事故のリスク以外にも子どもの喘息増加リスク、さらには自閉症リスクがあること、街路樹による環境保全効果までおはなしくださいました。

その後の質疑を聞いても今回計画について、GLPが昭島の道路・交通事情を把握した上で綿密な物流センター設置の計画をたてているとは到底思えず。

市民、市議会、行政が一体となり取り組む大きな課題であるはずですが
市民の皆さんからは現在そうした実感を残念ながら持たれていません。
私も市民の安心・安全を守るために「今だからできること」は何か考えてゆかねばならないと改めて思いました。

次回の学習会は7月30日(土)16~18時、公民館3F学習会議室にて、GLP計画と法律問題テーマに開催されるようです。