フォトジャーナリスト安田菜津紀さんの講演会に参加しました
偶然まちでおめにかかれた長男の小学校時代の恩師からお誘い頂いており、
とても楽しみにしていた
安田菜津紀さんの講演会に、昨日参加しました。
テーマは、「紛争地、被災地の声から考える平和」。
ウクライナでの、パートナーを亡くしたシニア女性の「平和な空を望む。平和な空さえあれば、私たちは幸せに生きることができる。ただそれだけなににどうにもならない。」という言葉。
シリアの国内避難民キャンプでの、「なぜ私たちが置かれている状況は、ウクライナほど世界の関心を集めないのか。目の色、肌の色、宗教が異なるからか。」という言葉。
シリアで遊んでいる最中に突然爆撃が始まり片足を失った子どもの「私たち子どもは何も悪いことをしていない。こんなことをやめてほしいと大きい人たちに伝えてほしい。」という言葉など、
これまでウクライナやシリアなどの紛争地や、東日本大震災の被災地で
出会ってきた方々の体験や言葉を淡々と私たちに共有してくださいました。
とても強い方でした。
安田さんの映像をみて問題の背景や人々の言葉を聞くと
人命が軽んじられ、不条理である事態に途方にくれます。
しかし、すぐに大きく事態を変えることが私にはできなくとも
一人ひとりができることは、無関心でいることをやめること、伝えること、身近な人から大切にしていくこと。
安田さんご自身については、伝聞ではなく、実際に出逢うことで心の距離が縮まることを、16歳のとき国境なき子どもたちのレポーターとしてカンボジアを訪れた際に実感。
あなたの問題に対して私は何が出来るかと考えたとき
安田さんは一人でも多く伝えるフォトジャーナリストの道を選んだとのこと。
様々な社会問題があるものの、一人で悶々と考えるのではなく、
「私はこう思うが、皆はどう思うか」と
多くの人と分かち合うといいアイディアもでてくると考えたそうです。
報道格差が、支援の格差・命の格差に直結するとのお言葉もありましたが、
そうした局面も実際にあることでしょう。
報道の自由度ランキングが日本は68位、G7で最下位との報道も最近なされたばかり。
このような状況で、安田さんが果たしてくださっている役割は非常に大きく、
私たち一人ひとりが何かしらできることも確実にあるはず。
最後に、安田さんは、講演や質疑応答を通じて、以下の重要な問題提起をしてくださいました。
◆日本が軍拡に突き進んでいることへの懸念。
武力での威嚇ではなく武力で脅かされる人の居場所を社会につくることが重要であるのに、差別の法制化に繋がる入管法改正の動きがあることのおかしさ。
◆原発回帰は、原発事故の教訓をなかったことにするが、教訓・検証のない社会にはよりよい未来は描けないはずであり、現地の声に向き合っていちから考える必要がある。
◆国内でも人権問題・気候危機など社会課題が山積しているが、民主主義は根気と粘り強さが求められる。
しかし、そうした様々な課題に対し、1人の人間が全ての役割を果たすことはできないのでそれぞれができることを少しづつ持ち寄り役割分担をし、何より自分を大切にすることを忘れない。
◆若い世代に対してのメッセージは、できる形で声をあげる必要があること、これからは人権教育が大切であること。
◆1人の人間を大事にできない社会は、みなを大事にできない。
国外はもちろん、国内でも本当に様々な問題が山積していますが、
あきらめずに自分の手の届く範囲で、
問題意識を共有したり問題提起をし、
誰もがこうした社会状況についての当事者であること、
そして投票行動に始まり、変えるチャンスは誰もが持っていることは新しく任期が始まったこの4年間でもお伝えしてゆきたい。