GLP昭島プロジェクト:都市計画審議会、都市開発対策審議会での決定事項
「市民不在」の意思決定
民間による法令の範囲内の開発とはいえ、交通課題、膨大な電力消費量・CO2排出量・排熱量予測、緑や生き物の喪失、景観などの環境影響が市内外の住民の暮らしや地球環境に及ぼす影響が甚大です。自治会など地域住民と事業者との個別協議が始まりましたが、計画の根本的な部分には変更がないため、合意をみいだせない状況です。
そのような状況下で、2つの審議会において、事態が急展開する採択が矢継ぎ早に行われました。
まず、4月10日に市議会議員5名、学識経験者5名、関係行政機関の職員3名、市民代表2名の合計15名で構成される「都市計画審議会(以下「都計審)」が開催され、計画地の建物高さ、緑化、壁面の制限など土地利用に制限をかける「地区計画」の決定されました。新設予定の東西道路が緑のネットワークを分断する懸念、整備予定の公園が生物・生態系保全に与えるリスク、緑化率が数値で示されておらず、代官山緑地については緑地保全条例を制定するにも関わらず市は当地の実態把握をしないとの姿勢、さらには建物高さや壁面後退についても懸念要素が残り、これまで市民意見がのべ959件寄せられた地区計画案です。市民からは審議会開催直前まで、慎重審議を求める要請も議員に届けられており、決定には反対しました。
しかし、審議会では、活発な質疑もないまま、地区計画が可決されてしまいました(反対はみらいネットワーク(林)、共産党)。
翌4月11日には、市議会議員で構成される「都市開発対策審議会(以下「都開審」)」で、昭島市宅地開発等指導要綱に基づく「同意・協議に伴う市意見書」、「GLP昭島プロジェクトに係る基本協定書」が決定されました(みらいネットワーク(青山秀雄議員)は会長で採択に加われず、反対は共産党、れいわ新選組)。
審議会決定を見越したかのように、翌4月12日に、事業者が4月25日実施予定の造成工事説明会開催案内を配布する事態は、都も指摘する「事業者と市民との信頼関係の構築」に真摯に向き合っているとは到底思えず抗議します。
説明会でGLPの示した今後のスケジュールによると都市計画法29条に基づき道路管理者などの同意などを整えて東京都に申請・許可を受け今年6月に着工としています。多くの市民から「住民との協議中の工事着工は不誠実」との声が続出しました。
市民参加と情報公開が基本!
これまでも市民からは、「意見をだす機会はあっても、それらが反映され受け止められている実感をもてない」との指摘がありました。を多々頂いてきました。2021年6月から提案を続けている、市民参加を担保する「まちづくり条例の制定」が必要です。
未来のまちのありかたまで大きく左右する規模のこの開発計画にも関わらず、現状条例がないなかでは、施設運用後に設置予定の近隣住民、行政、事業者の協議会を前倒して設置し、都市計画マスタープランでも掲げる「行政、事業者、市民が協働で取り組むまちづくり」を実践するべきです。さらには、今回審議会では傍聴できない市民が生じてしまいました。市民参加の大前提が情報公開であり、これだけ市民の懸念が大きい事案については、最大限の情報公開をはかることが、市民との信頼関係構築にも繋がるはずです。
責任ある事後対応まで求める協定の締結を!
4月11日の都開審では基本協定書が決定されましたが、市は今後必要応じて個別協定を締結予定とのこと。この協定に周辺地域への影響を軽減し、事後検証・対策をいかに盛り込めるか、動向を注視していきます。