めぶき助産院「大人が学ぶ★思春期の子の性教育」に参加しました

昨日は、めぶき助産院の「大人が学ぶ★思春期の子の性教育」に参加。めぶき助産院では、幼少期のお子さんから聞ける性教育講座をかねてから開催してくださっています。

そちらへの参加は幾度かしたことがありますが、「子どもたちに向き合う一歩として大人が学ぶことから」とする大人向けの講座参加は初めてでした。

内容は

①「性」を取り巻く日本の現状って? 〜歴史・法律・教育・世界との比較〜

②子どもたちの思春期に周囲の大人はどう向き合う?

・思春期の心と体

・妊娠・避妊について

・性感染症について

・恋愛、コミュニケーション、人間関係について

と盛りだくさん。講師の近藤智子助産師が日頃子どもたちに伝えてくださっている生(性)のはなしに加えて、さらに大人が知っておくべきことをふんだんに調べ伝えてくださいました。

以下、講座で伝えてくださったことに自分の考えも織り交ぜ報告します。

①「性」を取り巻く日本の現状って? 〜歴史・法律・教育・世界との比較〜

まずもって、性教育とは、子どもを一人の「人」として子どもの人権を守り、自分の人生をよりよく生きるための教育です。

この土台となるべき認識が共通理解されておらず、恥ずかしいもの、避けるものとの認識であるところに、そもそもの問題があります。

また、日本の性的同意年齢は13歳。他国と比較して低く(例えば、アメリカは16~18歳、カナダ、イギリス、スペイン、ロシア、フィンラド、韓国は16歳)、さらに暴行、脅迫、抗拒不能要件がない限り、性的同意があったとみなされる。

それなのに性教育後進国で性産業先進国。

子どもたちを取り囲む法制度、教育、社会状況がこのようで、一体子どもたちをどう守り、よりよく生きてもらうことができるのか疑問しかありません。

一人ひとりの権利意識・知識が欠如している状況をとりあげていうと、

性暴力含む性犯罪、望まない妊娠や中絶・DV・虐待・自殺等の要因の一つに、

性教育や

リプロダクティブヘルスライツ(性について自分の気持ちが大切にされ、自分の体のことを自分で決める権利。国はもとより昭島市でもリプロダクティブヘルスライツの理解の促進は、男女共同参画プランで位置づけています。

昭島市男女共同参画プラン|昭島市 (akishima.lg.jp))の理解の欠如が考えられます。

文部科学省が令和2年6月11日「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」において「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を示し、その絡みで文科省と内閣府が連携し作成をした「生命の安全教育」の教材及び指導の手引きは、HP上でも公表されているそうです(下記に貼り付けのURLです。親の立場で読んでも、参考になるところがあるはず)

性犯罪・性暴力対策の強化について:文部科学省 (mext.go.jp)

この教育が、果たして現場でどのように展開されているのか気になります。

また都教育委員会では、学習指導要領の歯止め規定(小中学校では性交を教えない)の対象とならない外部講師を用いての性教育の展開も手引きで記しているところです。

様々な手法を用いて、子どもたちに伝えるべきことは伝えてほしい。

近藤さんご自身は、これら知識の伝授はもちろんなのですが、け止めてもらえる(大事にされる)実体験を子どもたちが日頃から持つことの重要性も述べられていました。相談希求能力向上にも繋がります。家庭が、万一家庭で難しい状況であれば周りの大人が、子どもたちに寄り添う目線が社会に必要です。

②子どもたちの思春期に周囲の大人はどう向き合う?

まず、私たち親世代の性の知識をアップデートしようという趣旨で、

・思春期の体と心について

・性交の伝え方

・万一望まない妊娠した場合について、事前に知り、考えておくべきこと

・性行為感染症リスクとその予防や性的同意の重要性

・性の多様性・ジェンダー観

・いつ何から伝えるか

・性に関する相談窓口

・その他、歪んだ性認識とならないよう、正しい知識を伝える趣旨の情報源など

沢山のことを教えてくださいました。

いずれも、子どもたちが自分たちや周りで関わる人の人生を大切にしながら、自分らしく生きていくため非常に大事なこと。

近藤助産師には、どうもありがとうございました。

講座冒頭で紹介なさっていた書籍(「子どもたちの頭の中がこんなことになっているなんて!」)も早速読んでみたいと思います(思春期の性と恋愛「子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!」★10月2日発売★|子ども向け+家庭でできる性教育@アクロストン|note )。

性教育については、昨年12月、本年3月に議会の一般質問で取り上げました。
(※昨年12月 2020年12月定例会一般質問 ①一人ひとりが大切にされる社会を実現するための性教育について | 林まい子 (seikatsusha.me)
※本年3月 2021年第1回定例会:1.女性の生きやすいまちづくりについて問う | 林まい子 (seikatsusha.me) )

そのなかでも伝えたのですが、保護者が親として子どもとコミュニケーションをとる必要がありながら、私たち世代が自分や他人を大事にする(守る)ための権利としての性教育を受けていません。

いまの社会状況には、心配になる要素が多々あるなかにも、これまで受けてきた教育の結果、当然のように子どもたちにどう向き合い伝えたらよいのかが分からないのです。今回のような大人向けの性教育講座が開催された意義は大きいと捉えました。

しかし、本来、性教育は親の意識によりはなしが行き届く子、行き届かない子とばらつきが生じるようなものではなく、よりよく生きていく上で非常に大切な知識であり人権意識の醸成にも関わります。まんべんなく伝えられるのが、学校現場であることは間違いありません。今後も性教育の重要性・必要性については、機会を捉えて訴えたいと思います。