児童の発達支援について、星山麻木先生の講演会に参加しました

「星山麻木先生が取り組むサポーター養成が昭島でもされて、
サポーターが学校に入れば不登校の子どもが減ると思う」と
当時お子さんが不登校であった保護者から、ご意見を頂いたことがあります。

そのご意見を聴くさらに数年前、はじめて星山先生の講演を聞いた際の
先生の子ども目線が自分にはとてもしっくりくるもので
その保護者のご指摘に納得。
議会の決算審査でサポーター制度導入について取り上げたことがあります。

その質疑のなかで紹介をしましたが、昭島市でも以前公民館講座で星山先生をお招きしたことがあったようで
先生のお考えをまずはひろく地元で知るチャンスがまたないものだろうかと常々思っていたところ、
昨日、昭島市主催、子ども家庭部子ども育成課・教育委員会指導課共催で
令和4年度特別支援教育・児童の発達支援に関する講演会
「みんなと違っても大丈夫~虹色なこどもの発達を理解する~」が開催され参加しました。

児童の発達支援に40年関わる先生ですが、
学びの過程で、「日本は遅れている」との言葉を各所で聞き
ご自身で他国の取り組みを見聞したいと、カナダ、アメリカ、オーストラリア等で3年間留学を含め約50カ国訪れ、
そうした知見からも日本の現状を捉えていらっしゃいました。

・外国では支援に関わるのはプロ中のプロであるが、日本では養成のための専門カリキュラムがない。
・児童生徒用の知能検査で平均とされるものは、同じ学年で人数が多い子の平均値。
しかし、本来発達は年齢ごと紋切り型で捉えられるものではない。
平均的な発達であることは同じことを居心地よく感じる日本文化では安心かもしれないが、
オランダのイエナプラン等異年齢が一緒に学ぶデザインも視野に入れることがリーズナブルである。

また、検査で判明した苦手な部分の克服に力を入れるのではなく、
得意な部分を合意的配慮をしつつ伸ばすのが教育の最先端であり、
肯定感・生きる意欲をまず育てる必要があること、
優しさ、誠実さ、頑張りなど数字化しにくい部分が、人間が生きていくとき一番大切であり、非認知の発達を支えるべき、
違いは強みであるなどのご指摘も非常に共感しました。

先生が講演のなかで紹介なさっていた、
周りと違うことを本人が克服しようと努力したものの克服できず
笑われたり心ない言葉を投げかけられ傷ついたお子さんたちの言葉が
心に刺さりました。

大勢と違うことに何ひとつ悪いことはない。
むしろ皆が同じである方がはるかに不自然で、
違うことは社会全体を考えたとき、必ず強みになります。
違いに胸をはってほしいし、胸をはれるような周囲の理解が必要です。
大勢で支えられる価値観・当たり前を、良かれと思ってでも人に押しつけることが
ときにその人の肯定感を著しく下げる可能性があることを重々自覚すべきで、私自身気をつけねばと思いました。

こうした「何が発達に当たって大切なのか」という考えをまず共有した上で、
子どもたちに接したいものです。
最後に、昨日配られたレジュメから、以下抜粋しますが
一人ひとり違うことを大前提に、学びあう姿勢が大切ですね。

「インクルーシブ教育は、人間理解教育です。
脳の機能の発達、感受性、家庭環境、ひとはそれぞれ違います。
自分と子どもも違います。
人との違いを理解し、だからこそ、温かな人との繋がりをつくること、学びあうことが最も大切です。」

「支援方法の基本
1 心の支援 自尊感情を育む
2 発達の支援 がんばりすぎないスモールステップ
3 行動の支援 行動の理由を理解しよう 存在そのものを肯定
4 環境調整 セーフスペース 安心できる環境 わかりやすい構造
5 連携 セーブパーソン 学び合い助け合い 親も地域も先生も一緒に学ぶ」

先生のおはなしを地元の方々と伺えたことがまずは嬉しかったですが、
先生からの学びを経て、
市の発達支援で何が必要とされており何を提言できるのか、
引き続き考えてゆきます。

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林 まい子 | Facebook