2023年決算審査特別委員会3日目①:教育費(通学路安全安心推進事業、教員の働き方改革と地域連携、冷暖房機保守、社会教育委員経費、生涯学習推進事業費、放課後子ども教室推進事業費、作業療法士の活用、災害用井戸の確認、奨学金等支給事業費)

決算審査特別委員会3日目の最終日は、教育費、介護保険特別会計費、水道事業会計費について質問しました。

教育費の質疑内容は以下の通りです。

●通学路安全安心推進事業
昨年の取組みとしてはスクールガードリーダーの見守りとPTAとの危険箇所確認、ピーポくんの家のステッカーを準備し警察に提供をした。通学路安全ボランティアにも協力頂き、児童生徒の安全確保をはかったとの答弁。

今後の懸念として、GLP昭島プロジェクトについては、市内の保護者から不安の声を頂いており
交通量ピークが朝の登校時にかかる可能性も現状示されているなかでの、学校教育としての対応を確認しました。

学校への説明を求めたり、その際にPTAの意見をひろいながらGLPからの説明を求めるとの答弁でしたが、
保護者には適宜情報が行き届いているか注視すべきです。

●教員の働き方改革と地域連携
○健康診断結果、病欠・メンタルヘルスによる休職人数の状況と対策を確認。
→病気休職者・メンタルヘルスについては、しっかり受け止め働き方改革をすすめる。
勤務時間を超える労働時間数の削減をはかっており、令和3年より4年のほうが軽減しているが、引き続き教員の労働面時間や保護者対応等、困難を抱えている部分については、教育委員会から指導助言を行うとの答弁でした。

○8月28日中央教育審議会の特別部会の緊急提言内容にある、
教員を取り巻く環境は国の未来を左右しかねない危機的な状況で、国や自治体、学校に加えて、保護者や地域住民、企業など社会全体で一丸となって課題に対応することが極めて重要との認識をまず社会でもつべきです。
その上で、緊急提言に示される「学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進」を地域住民や支援スタッフに役割分担するにあたり、どのように取り組むか質問しました。
→登下校中の見守りや部活動の指導員や指導補助員については地域の力を頂いている。
様々な区分けについては難しい部分もあるが、学校教員の勤務時間については、保護者や地域に積極的に周知を図ることも求められているため、いま以上に保護者地域が担う業務を考えるとの答弁でした。

○身近で支援するPTAはライフスタイル変化やコロナをきっかけに活動縮小、
地区委員会も高齢化等々で機能が難しい地域もあります。
文科省は、コミュニティスクールとあわせて社会教育の体制として、地域学校協働活動と効果的に連携・協働することは、子どもたちの教育の質を格段に向上させる期待をもてると一体的な実施を推進しています。市の地域学校協働活動の考えを確認しました。
→いま現在、地域未来塾という形の土曜日補修や放課後学習支援もあるが、社会教育と相談しながら今後のあり方について検討との答弁でした。

○私は具体的解決策として、コーディネーターを設置すべきとこれまでも質問してきました。
例えば、町田市ではコミュニティスクールとあわせて、学校支援ボランティアコーディネーターを各校に1~2名配置し、授業中の学習支援から通 学路の見回り、花壇の手入れ等、様々な地域の方が関わる「地域学校協働活動」について、学校 のニーズに合わせてボランティアの手配等を行うようです。学校の負担をコーディネートの部分で発生させないよう配置すべきで考えを問いました。
→どのような人材を連携できるかという仕組み作りが大切であり、今後検討との答弁でした。
社会教育法の改正で地域学校協働活動推進員も、法律でしっかり定められた存在になりました。
地域と繋ぐ作業自体が教職員の負担にならないよう、各校に地域学校協働活動推進員を配置すべきです。

○また、社会教育法では、社会教育主事は、学校が社会教育関係団体、地域住民その他の関係者の協力を得て教育活動を行う場合には、その求めに応じて、必要な助言を行うことができるとしていますが、社会教育主事が学校と地域との連携にあたり果たす役割を確認しました。
→前任者が退職し、現在社会教育主事は欠員の状態だが、社会教育主事にかわる職員として職員を配置しており、学校から相談あれば受付けるとの答弁。
しかし、学校との繋ぎ以外の点からも教育主事は配置されるべきです。

○あわせて、昨年の東京都教育委員会による地域資源・人材活用推進校の取組みも確認。
→光華小学校で都の指定をうけ、助産師によるいのちの教育、江戸東京野菜の栽培など、地域人材を活かした体験活動を通し学校教育教育を豊かにし、児童の探求的活動をおこなし資質能力を高めるものであったとの答弁。

地域資源を活用することで、学校の負担を減らし、さらにはそれが子それが子どもの学びの充実に直結、 地域住民にとっても学校への関与が肯定感や生きがいに繋がるよう、
学校と地域をこれまでと違った角度から繋げる地域連携の仕組み作りを検討すべきです。
これからも動向をしっかり注視してまいります。

●冷暖房機保守
先日の補正予算審査でも伝えたものの、空調が旧式(市の答弁では、セントラル空調方式というが、古い訳ではないとのこと)の学校の保護者や児童から、 夏日には室内で学習に集中できず熱中症になる恐れすらあると夏休み前から2学期開始後もお声を頂いてきました。
教育現場においても、コロナ対策がひと段落したら今度は熱中症対策で、大変な責任感と緊張感があるのではと推察します。

新式(個別空調方式。富士見ヶ丘小、拝島3小、拝島1小が該当。今年度は昭和中が工事予定)への切り替えについて、計画もあることは承知していますが、年々暑さ対策のニーズが非常に高まっており、命の危険にも直結します。少しでも計画を前倒しできないか検討すべきです。

●社会教育委員経費

何度か見学をした「市民のニーズを活かす・つなげるあきしま会議」は、参加者それぞれの意見を尊重した対話、活発な意見交換がなされており有益でした。
先日は若者版も開催されましたが、子どもの権利に掲げる子ども参加を実践する非常によい場です。
子ども・若者たちの意見を大人とも合意形成しつつ、市の施策に繋げていくべきと質問しました。

また、社会教育委員による建議「対話から地域力を育む社会教育」には、
「子どもの主張意見文コンクール作品集」を読み、こうした子どもたちと意見交流する場にあきしま会議がなり得るのではないかという意見も書かれていました。

子ども・若者の声も聞きながらすでにある施策と施策を必要応じて繋げて、子ども参加を推進すべきです。

●生涯学習推進事業費
生涯学習サポーターでは様々なスキルをお持ちの方が市民に向けた講座を開催しているが、今夏の子ども向けの講座情報を必要な人に届けることが難しかったようで、 地域と学校を繋げる意味でもできる限り学校にも情報共有すべきと指摘しました。

同様に、生涯学習援助協力者の昨年の利用状況が1件とのこと。
周知や制度利用に繋がる情報発信をすべきです。

●放課後子ども教室推進事業費

アナフィラキシー児の受け入れについて確認。
放課後子ども教室では飲食を提供しないとの答弁ですが、運動誘発型のアナフィラキシーもあります。

当事者、その保護者、教室のコーディネーター等相当数の打ち合わせを重ね、 物理的心理的にも大変な想いをしているとの事例を複数聞いており、市として聞き取りし、事例を集約して各校に共有すべきです。

●作業療法士の活用
本年、昭島市の特別支援教育児童の発達に関する講演会で作業療法士による講演会があり、
教育現場で活用すべきと質問しました。

学校に支援が必要なお子さんに対し心理的専門家が主に関わるが、作業療法士が入ることでのメリットについても充分に検討するとの答弁を得られました。

講演会では、保育園、小学校、特別支援学校、通常級など多岐にわたる集団生活先で支援を必要とされている グレーゾーンのお子さん、医療的ケア児等々様々なお子さんの遊ぶ様子をみたり行動観察をしてアセスメントし、環境設定の工夫をするとのこと。近年認知されている、繊細で敏感なHSC等についても有効と考えます。
教育委員会が率先して作業療法士の活用の有効性を現場に示し、インクルーシブな学びの環境整備をすすめて頂きたい。

●災害用井戸の確認
災害用井戸は学校にないことを確認。

●奨学金等支給事業費

昨年の給付人数、定員の確認。
奨学金ときくと手が届かないように感じる生徒もいるかもしれず、
出願要件の学業成績及び生活態度である、
「中学3年生1学期の成績が次の基準のいずれかを満たすこと
①5段階評価による成績評定で全教科の平均値が3.5以上
②5の評定の教科が1つ以上ある
③特別支援学級(校)在籍の者については、校長の推薦がある」
についてはしっかり周知すべきと意見しました。