2026年6月:討論「昭島市まちづくり条例」について

日程第17議案第33号「昭島市まちづくり条例」について、みらいネットワーク会派を代表し、委員長報告に反対の立場で討論いたします。
かねてから会派としてまちづくり条例制定を求め続けてきました。条例審査のご答弁にあった「土地利用転換される可能性」を考慮し、出来るかぎり早いタイミングでの制定が必要とは市と一致した考えではあるものの、条例制定のプロセスやこの間の協議・審査内容を踏まえると、どうしても賛成の態度表明ができないことを大変遺憾に思います。
賛同が難しい理由を3点述べます。
まず一点目、市民や議会への説明不足と拙速な制定プロセスです。建設環境委員協議会で条例文案ではなく骨子のみ示された状態での唐突なパブリックコメントの実施、さらには、その結果が同協議会で議案にあがらないまま条例審査に入った事態は、残念ながら市民や議会の理解を得られるものではなく、むしろ信頼を欠いたといわざるをえません。
とくに、GLP昭島プロジェクトを契機として、市民のまちづくり条例への関心や期待が高まりをみせ、署名活動まで展開されていたなかでの制定となります。市からも「パブリックコメントは50人、450件近い意見が寄せられており、かなり多くの方から頂いたと受け止めている」という趣旨のご答弁までありました。しかしながら、今回市民協働の大前提である情報公開や説明、意見聴取のありかたは、そうした市民ニーズの高まりに答えきれておらず、さらには、「手続き条例と捉えており、市が素案を作成」というご答弁まであったことが残念でなりません。

そもそも、今回の条例制定に関わらず協働は市政施行の根底にあるべきであり、他の機会でもお伝えしてきたように行政、市民が公共の担い手として対等であり、市民がその力を発揮し公共を担えるよう、行政は情報・場所・機会の提供等努め、多様な主体を相互に尊重し、対話と合意形成を積み重ね、ともに豊かな社会を創りあげる「協働」は、地方自治・民主主義の肝であり、人口減少時代にますます重要なはずです。同条例案第3条基本理念で協働してのまちづくりを掲げているならばなおのこと、市民説明の徹底と市民意見の反映を念頭に、できる限り丁寧なプロセスを心がけ市民と向き合うべきでなかったでしょうか。

次に二点目、条例内容については、市民意見はもとより、昭島市での各種事例の検証内容や、他の自治体の条例内容も参考にする必要があります。その点から、条例案には改善の余地があると捉えています

まず、市の各種事例には当然GLP昭島プロジェクトも含まれますが、条例審査のなかでも「市としては、パブリックコメントももちろんのこと、日頃の業務において、市民といろいろお話しする中で、またこれまで行ってきた説明会と、市民と触れ合う機会はかなり重ねており、いただいたご意見は積み重ねており、そういったものを全て受け止めた形で条例制定に臨んでいる」という趣旨のご答弁がありました。これはGLP昭島プロジェクトを指していると解釈しましたが、一方で、同条例制定にあたり、「GLP開発とこの条例は関係ない」と整合がとれないご答弁がありました。条例制定にあたっては、GLP昭島プロジェクト含めた過去の事例からの教訓を活かすという姿勢をまず明確にすべきと指摘します。その上で、他自治体の事例も参考にしながら、大規模土地取引行為の届出の公表に対する指導・助言、高さ制限、紛争調整制度、水と緑のまちあきしまを守るための環境配慮指針など条例に含められないか、検討を深めるべきではないでしょうか。

また、条例案第5条市民の責務で、市民をまちづくりの主体とし、まちづくりへの積極的な参加を求めるのであれば、市民のまちづくりを行う権利を定め、市民参加を支援し専門的な理解を助けるための専門家派遣や助成制度も設けるべきです。
さらには検証や制度見直しに繋げるための報告書作成など、現時点でもよりよい条例内容を目指せると捉えています。

最後に三点目、市はパブリックコメントへの回答のなかで「適宜適切に見直しを行う考えにある」とするも、条例制定後、具体的にどのように見直しにあたるのか懸念が残ります。6月3日の建設環境委員会で配布された、パブリックコメントへの回答の追記では、「条例制定後には、要望に応じて、条例の周知・理解に向けた出前講座や説明等を行っていく」と明記しています。
条例案第4条市の責務として「市民の意見がまちづくりに反映されるよう努める」とするならば、出前講座など説明機会で聴取した意見は、まちづくりへの反映はもちろんのこと、よりよい条例の見直しにも繋げることをできる限り具体的に示すことで、制定について市民理解をえられるようすべきと考えます。しかしながら、審査では見直しについては「制定されたのち、将来的に地域の状況変化、国の制度変化を確認し、適正な時期に検討する」 、また市民説明の際に頂く意見は検討のひとつにしていくという趣旨のご答弁にとどまりました。パブリックコメントですでに示された課題や意見、今後各所から寄せられる意見なども参考にしながら、どのタイミングでどのように条例見直しに繋げていくかが非常に曖昧です。

念願のまちづくり条例ではありますが、以上のように決定的に賛同しかねる点があり、甚だ残念ではありますが、委員長報告に対し反対の討論とさせていただきます。